⒍
⑴
花月うどん店の展代・直之夫妻
クリーニング店の蒲島・まみ夫妻
直之と展代の息子ヒロシに成り済ましている、詐欺師の新名
5名。
オープニング客の泰秀とほたるが警官姿で現れる。
親泊「失礼します!」
二人が敬礼する。
その瞬間、ヒロシに成り済ました詐欺師・新名が慌て、
新名「はーっ!」
と、お尻を押さえる。
新名は警察官の前から慌てて姿を消そうとする。
新名「洗いもん行ってくる!」
と、厨房の方に消えていく。
展代「トイレ、そっちちゃうで!?」
新名「皿洗って、ケツ洗う」
新名が厨房に消えた。
⑵
展代が泰秀たちに対し、
展代「どこかで見た顔ですね」
親泊「この前、うどんをいただきました」
展代「あっ…、おまわりさんやったの…?」
ここで、泰秀の言葉「詐欺で捕まるぞ!?」が効いてくる。
展代は泰秀たちが食べた際お釣りを返そうとせず、怒らせ、
結局お釣りを受け取らずに帰っており、
展代「追いかけたんですけど、自転車に追い付かんかったんです」
展代「お釣り、9千円でしたね?」
展代が泰秀にお釣りを渡し、
展代「逮捕せんといてください」
と、土下座する。
親泊「態度変わりすぎでしょ!」
親泊「今日来たのはお釣り目的じゃないんです」
展代「そうですか」
展代はまた態度を変え、泰秀が手にした9千円をさっと抜き取り、
親泊「お釣りはいただきます!」
泰秀が展代の手から9千円を取り戻す。
⑶
展代「今日はどういった要件で…」
泰秀がやってきた理由について
親泊「私の方から説明を」
重谷「いや、私が説明するわ」
親泊「僕が説明する」
どちらが説明するかで口論になる、二人。
重谷「私に説明させてくれないなら、」
重谷「署に戻って、あーんなことや、こーんなこと、」
艶かしいポーズを取った後、客席に背中を向け、
重谷「してあげないぞー!」
展代「どんなことしてますの?(苦笑)」
親泊「ニュースであるでしょ?、
展代「ああ」
親泊「ここ3年間のやつ、全部僕らです」
重谷「謹慎明けで」
親泊「心入れ替えて頑張ろうと」
展代「あと、ちょっと気になってるんですけど」
展代がほたるに対し、
展代「トム・ブラウンのみちおさん?」
重谷「それ、ハゲたおじさんですよね!?」
重谷「女子です!」
ネタバトル公演でも何度か見られたネタを入れる、展代。
⑷
結局、ほたるが泰秀に説明を譲る。
親泊「この近辺で、
厨房から「ガシャン!」と皿が割れる音がし、
新名は動揺している様子。
親泊「身内に成り済まし、金品を奪い取るそうです」
厨房から、また「ガシャン!」と皿が割れる音がし、
展代「ヒロシ、大丈夫ー!?」
新名『大丈夫!』
新名が厨房から声を出す。
直之が蒲島に対し、
直之「悪い人もおるもんですね」
カバ「ほんまですね」
親泊「手配書が出来次第、お持ちしますので」
親泊「くれぐれも注意してください」
泰秀とほたるが去っていった。
わざわざ注意喚起に来るなら手配書と一緒に来てほしいものだが、
タイムラグがあるのが吉本新喜劇。
⑸
カバ「ワシらも行こうか」
まみ「そうね」
クリーニング店の入り口で立ち止まり、
カバ「しかし、詐欺師とはぶっそうやな」
まみ「なんかあったら、アイロンをシュッとして、
カバ「怖いこと言うなあ」
カバ「でも、おせんべいみたいで美味しいかもな」
展代「美味しないですよ!(苦笑)」
蒲島とまみがクリーニング店に入っていった。
⑹
警察官が去ったため、新名が厨房から出てくる。
新名「ごめん、食器割ってもうた」
展代が新名の指を見て、
展代「ヒロシ、血ー出てるやないの!」
展代「消毒しときましょ」
展代「そこに座って」
新名が厨房カウンター前テーブル席の下手側に座る。
展代はカウンターから救急箱を持ってくる。
展代「手当てせんと、病院行ったり後々大変なことになるからね」
展代「消毒するわね」
展代「、ブッ!」
と、新名の指に唾を吹きかける。
新名「唾やん!」
展代「えっ? オキシドールやんか」
展代「お母ちゃんのオキシドール、有名やん」
新名「口からオキシドール出るかい!」
展代「こういうのは昔ながらのやり方が一番効くんよ」
⑺
展代「包帯巻いとかなね」
展代がロール状の包帯に爪を引っ掛けて伸ばそうとするが、
上手く境目を見つけられず、爪が引っかからない。
思わぬアクシデントに、展代が素の芸人・
展代「全然取れへん。(苦笑)」
直之「貸してみ?」
展代がロール状の包帯を直之に渡す。
だが、直之も爪が引っ掛からない。
直之「ワシも目が悪くて…(苦笑)」
展代・新名「…(半笑)」
新名「俺に貸して!(半笑)」
新名はなんなく爪を引っ掛け、包帯を伸ばす。
展代「ヒロシはなんでもできる子や」
物語に絡めたアドリブを入れる、展代。
新名が展代に包帯を渡す。
♪感動的な音楽が流れる
展代が新名の指に包帯を巻きながら話す。
展代「小6の時は毎日喧嘩して帰ってきて、
展代「お母ちゃん、懐かしいわ」
話す間に新名の右手首から先が包帯でぐるぐる巻きにされてしまう
新名「巻きすぎちゃう!?」
新名「ロックマン(の右腕)みたいになってる!(苦笑)」
展代「カプコンのかた?」
随分明後日な方向性の返しをする、展代。
60代後半と思われる展代だが、
なにわ男子にキンプリ・ロックマンと年齢不相応な知識がある様子。
ともかく、新名の手当てが終わった。
※
プチ感想
「ロックマンみたいになってる!」→「カプコンのかた?」、の掛け合いについて
森田さんが展代のキャラクターに成り切り、
年齢相応にロックマンを知らない体で、かつアイドル好き設定も活かし、
新名「ロックマンみたいになってる!」
展代「?、郷ひろみ?」
ロックマンになった右腕をマイクに見立てながら、
新名「『おっくせんまん』や、それは!(苦笑)」
新名「ごめん。今のは、お母ちゃんの知らん例えをした俺が悪かった」
といった、キャラクターに沿った自然な掛け合いも見てみたかったですね。
⑻
直之が新名に対し、
直之「お父ちゃん、仕込みしてくるわ」
展代「私は夕食の準備をしてくる」
展代「あんたは休憩しとき」
二人が厨房に消え、新名一人になる。
新名「久しぶりに人に優しくされた」
新名「嬉しいもんやな」
⑼
新名が健太に電話で連絡しようと、スマホを取り出す。
だが、包帯でぐるぐる巻きにされた右手では操作できず、
新名「電話できへん!」
新名が包帯を解く。
健太に電話が繋がる。
新名「警察官が来て、俺らの噂をしとった!」
新名「作戦実行するぞ!」
新名「借金取り役の手配、大丈夫やな?」
⑽
展代が厨房から出てきて、新名が慌てて電話を切り、
包帯を解いた手を後ろに回す。
展代「ヒロシ、ハンペンどれくらい要る?」
展代「120個くらい?」
新名「そない要らん!(苦笑)」
展代「要りませんか?」
息子と受け入れた相手(=新名)に対して時折、丁寧語が混じる、
その7に続く