⒒
⑴
フロアに誰もいなくなったところで、
裕の父で吉本グループ社長の耕一と秘書・椎森、
吉本うどん店長のプロレスアが店の前までやってくる。
耕一「どうして花月うどんが流行り出したんだ?」
熊元「理由なら分かります」
熊元「グッ、グッルメ、ブロガーが、」
終始緊張気味のプロレスア。
耕一「グルメブロガーと言いたかったんだな?(苦笑)」
熊元「グルメブロガーが店の記事、書いて、売れた、店が」
台本を必死で思い出している感が出てしまう、プロレスア。
耕一「お前もチャミスルを飲んだのか?(半笑)」
熊元「水も飲んでないです」
耕一「水は飲んだ方がいい。(苦笑)」
⑵
椎森「私に考えがあります」
椎森「ある人たちを呼んでいます」
椎森が下手袖方向を見て、
椎森「来ました!」
赤スーツの太田(太田芳伸)と青スーツでギターを抱えた松浦(
椎森「浪花組の人たちです」
椎森「たっ、たっ…」
椎森も噛む。
耕一「お前もチャミスルを飲んだのか?(半笑)」
椎森「飲んでないのに噛みました」
椎森「(浪花組の人たちは)助けになるかと」
耕一「それが言いたかったんだな?」
太田「この店、めっちゃ、苦茶に、してやりますわ」
太田も台詞を噛み、
耕一「伝染病か!(半笑)」
椎森「同じニオイがする」
太田「(チャミスル)飲んでないです!(苦笑)」
⑶
耕一「そのギターに意味はあるのか?」
ここで、太田とコンビでギター芸がスタート。
・太田が松浦にロッキーのテーマを頼むが、松浦がマイナー部を弾き、調子が狂う
・松浦がロッキーの♪Trying hard nowを♪天然パーマーと歌い、太田を怒らせる
・シャドーボクシングをする太田を音楽でフォークダンスに引き込む、松浦
等、複数ネタ披露するも珍しく大
単に、この日の客層と合わなかっただけかもしれない。
松浦は耕一にギター芸の出来を批評される前に、
松浦「俺は(チャミスル)呑んでませんから! 匂ったら分かる!」
松浦が耕一に近づき、耕一の顔に「ハーッ」と息を吐きかける。
耕一「臭っ!」
耕一「シンプルに臭い。(苦笑)」
松浦「すいません!」
耕一はアドリブで口臭を喰らわせてきた松浦を見ながら、
耕一「あいつ、嫌い」
この日は喋りが冴える、松浦。
⑷
耕一が太田たちに
耕一「頼むぞ」
耕一は花月うどんのことを太田と松浦に任せ、
椎森・プロレスアとともに去っていった。
⒓
⑴
ヤクザの太田と松浦が店先で打ち合わせする。
太田「どうする?」
松浦「料理に髪の毛を入れて、それキッカケに暴れましょう」
太田「よっしゃ、それで行こう」
二人が入店する。
誰もおらず、太田が呼び掛けると、
かなり時間を置いてから、裕・セロリ・
太田「びっくりした!、(台本通りに)出てこんから。(半笑)」
吉田「すみません、休憩してたもんで」
⑵
太田がセロリの顔を見て、
太田「お前、奥で酒呑んでたやろ。 顔、真っ赤っ赤や。(半笑)」
千葉「ひとつだけ言おう」
千葉「、凄く楽しい」
セロリはお酒が回り始めている様子。
松浦「俺は呑んでへんぞ!」
松浦が裕に近づき、裕の顔に「ハーッ」と息を吐きかける。
吉田「臭ーっ!」
千葉「お前は歯を磨け!」
⑶
太田「そんなことより、きつねうどんを作れや」
太田の横柄な態度に、
千葉「帰れ!」
太田「兄ちゃん、なんやその態度!」
太田が胸ぐらを掴むと、
胸ぐらを掴まれた状態のセロリが自分の背後にいる裕の方を振り向き、
千葉「作ってください」
吉田「態度変わりすぎや!」
セロリの信念はどこに…?
裕とセロリが厨房に向かう。
ミソも遅れて厨房に向かうが、通路の手前で立ち止まり、
手で銃を作り太田に向け、
舌で音を鳴らして銃を撃つふりをし、挑発する。
太田「全然、音鳴ってないぞ?(半笑)」
ミソが通路で再び立ち止まり、
手で銃を作り太田に向け、
舌で音を鳴らして銃を撃つふりをし、挑発する。
が、やはりほとんど音が聞こえない。
太田・松浦・酒井「…(苦笑)」
ミソが厨房に消えた。
太田「あんな場面、あった?(半笑)」
⑷
レジ前テーブル下手側に松浦が、上手側に太田が座る。
太田「松浦、(うどんに入れる)髪抜くぞ?」
太田が松浦の髪を抜こうとする。
松浦「なんで俺なんすか!」
太田「もう一緒やん。前からも後ろからも来てる」
太田の台詞に合わせて松浦が客席に頭頂部を見せた後、
松浦「一緒ちゃいます!」
数本の髪でも松浦にとっては死活問題の様子。
太田「しぁあない」
太田が自分の髪を抜き、うどんの到着を待つ。
⑸
セロリがきつねうどんを運んでくる。
太田「ほな、いただくわ」
二人がうどんを見て、異変に気付く。
松浦「髪の毛入ってる!」
太田と松浦がそれぞれのうどん鉢から短冊状のガムテープを取り出
吉田「セロリ!」
千葉「僕のガムテープって証拠はありませんよ!?」
ドラマの主人公に成り切らず、はっきり『ガムテープ』と言う、
松浦「これじゃ、髪入れられへんやないか!」
吉田「えっ?」
太田「いや、あの、それは、」
松浦「兄貴、それ以上言うたらダメです! それ以上言うたら、」
松浦「
作戦を明かしてしまう、松浦。
⑹
酒井「営業妨害で警察に通報しますよ?」
(松浦・太田→↙︎奥寄りに裕↘︎←セロリ・ミソ、の立ち位置で)
太田「くそっ!」
太田「こうなったらあの女だけでも痛い目に遭わせてやる!」
ドスを取り出し、ミソに襲い掛かる。
咄嗟にミソの盾になる、セロリ。
裕も慌てて間に割って入る。
すると、太田が裕をドスで刺してしまう。
太田「えっ!?、えっ!?」
太田は刺さったドスを抜こうとするが
なぜか裕が太田の腕を押さえており、なかなか抜けず、
その間、裕がオーバーに苦しむ。
しばらくして、ようやくドスが抜ける。
太田「行くぞ!」
想定外の出来事が起こり、太田と松浦が慌てて逃げ去っていった。
⑺
刺された裕が息もできないほど苦しそうにする。
オーバーな演技が笑いを誘う。
(中央下手寄りでオーバーな演技で苦しむ裕↓、
中央上手寄りにセロリ→←ミソ、の立ち位置で)
苦しむ裕を無視して、セロリとミソの恋愛シーンが始まる。
酒井「どうして私を守ってくれたの?」
千葉「身体が勝手に動いた」
裕はレジ前テーブル付近の床に座り、足を前に出し、
苦しそうにテーブルに背中をもたれ掛ける。
セロリがミソに対し、
千葉「今まで気付かなかった」
千葉「でも、今、はっきり分かった」
千葉「ミソ!、俺はお前が好きだ!」
酒井「社長!」
千葉「ミソ!」
二人が寄り添う。
裕はテーブル前でみるみる力を失っていく。
セロリがミソに対し、
千葉「外の空気を吸いに行こうか」
酒井「はい」
セロリとミソが死にかけの裕の足を跨いで、店を出ていった。
裕の周囲にのみライトが当たる。
裕が目を瞑り掛けたところで見開き、セロリとミソの背中に向けて、
吉田「刺されてんねん!」
吉田「救急車呼んでーっ!!」
暗転
その11に続く