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⑴
花月うどん店の大将・裕
新人アルバイトのチバ・セロリ(こと千葉公平)
新人アルバイトのス・ミソ
3名。
恋敵プロレスアの宣戦布告に敵愾心を燃やす、ミソ。
酒井「腹立つ!」
酒井「絶対、この店を繁盛させる!」
酒井「私のインスタに宣伝を載せます!」
ミソがガラケーを取り出す。
吉田「ガラケーやないか! インスタできんやろ?」
ミソは吉田に構わず、ガラケーをスマホのようにタップする。
途中、ガラケーの(客席から見て)左横の空中で指を動かす、。
吉田「何も無いとこ触ってるぞ!(苦笑)」
吉田「そんな影響力あるの? フォロワー数は?」
ミソが手を開き、
酒井「ざっとこんなもん」
吉田「5万も?」
酒井「もっと」
吉田「50万!?」
酒井「もっと」
吉田「500万!?」
酒井「、5人です」
吉田「インフルエンサーちゃうやん!」
裕がセロリに対し、
吉田「話、ちゃうやないか!」
千葉「インフルエンサーなんて言ってない。 インフルエンザって言った」
吉田「ほんまー?」
千葉「あっ、大丈夫です。もう治ってますから」
ミソが立ち眩みして、
酒井「…、大丈夫です
」
吉田「しんどなってるやん」
酒井「経口補水液はどこに…」
ミソのアドリブが始まった様子。
セロリがミソの額に手を当て、熱を測る。
ミソを心配する表情に変わり、
千葉「…大丈夫」
吉田「大丈夫じゃない感じ出てるやん!」
⑵
ミソの携帯に着信がある。
酒井「さっそくDMが来た」
酒井「有名グルメライターの稲田さんから」
吉田「あの稲田さん!?」
酒井「食べにくるって」
ミソはフォロワー数こそ5人だが、世の中への影響力はある様子。
千葉「記事を書いてもらえたら、繁盛するかも!」
吉田「でも、貶されたら逆効果やから、失礼が無いようにな!」
セロリとミソが頷く。
⑶
グルメライターの稲田(紅しょうが 稲田美紀)がやってくる。
稲田「こんにちは。有名グルメライターの稲田美紀です」
吉田「自分で有名言うた」
稲田「あっ、失礼しました。
吉田「美人、付けた!」
稲田「険がありましたかね」
稲田「美人です」
吉田「グルメライター無くなってもうてるやん! 一番険ある」
稲田がレジ前テーブル席下手側に座る。
⑷
稲田「おすすめは?」
千葉「ハンバーガーです。
稲田「…? うどん店よね?」
吉田「きつねうどんです」
裕が慌てて訂正する。
稲田「では、きつねうどんをひとつ」
吉田「すぐ作りますので」
裕が厨房に向かう。
⑸
千葉「ミソ、水を出してくれる?」
千葉「(失礼があったらと思うと)緊張して…」
ミソも緊張しているようで、
酒井「社長がやってよ! 私、無理
」
①
セロリがお盆にコップを載せるが、緊張でお盆を持つ手が震え、
コップをカタカタと揺らし、コップを落とす。
千葉「どうぞ」
と、お盆をテーブルに置く、セロリ。
稲田「お盆ですやん!(苦笑)」
②
今度はミソがお盆にコップを載せるが、
稲田「どういうこと!?(苦笑)」
③
千葉「コップをいっぱい載せたら、」
お盆に複数のコップを載せるが、
稲田「何よ!(苦笑)」
緩いアドリブが始まっているようで、
④
ミソが下手端に立て掛けられたハンマーを手にし、
酒井「社長、餅つこ?」
ハンマーを杵に見立てる、ミソ。
すると、セロリがレジからゴミ箱を持ってくる。
こちらは臼に見立てているよう。
酒井「奈良県の速いやつ」
ミソとセロリで速めの餅つきを始める。
暫く続けた後、
酒井「あっ、オチ無いんです。(苦笑)」
稲田「あってよ!(苦笑)」
セロリがゴミ箱の中を稲田に見せ、
千葉「オチは無いけど、餅はあります」
稲田が(役柄上)苛立ち、貧乏揺すりしながら、厨房に向けて、
稲田「早くうどんを持ってきてよ!(苦笑)」
⑤
千葉「水、無くなっちゃいました」
セロリはコップにアルコールスプレーを吹きかけ続け、
そのコップをテーブルに置く。
千葉「水みたいなものです」
稲田「私を殺す気!?(苦笑)」
⑥
ミソが割り箸を両手に掴み、
両目からビームを出すように割り箸を突き出して見せる。
酒井「こんなことしたら!、わーっ!」
セロリがミソの後ろで行動を真似る。
が、ミソの意味不明な行動を理解できなかったようで、
千葉「えっ、何?」
稲田「何も無いなら、やらなくていい!(苦笑)」
稲田が苛立ちで貧乏揺すりしながら、厨房に向けて、
稲田「うどん持ってきて!(苦笑)」
⑹
ようやく、裕がきつねうどんをお盆に載せ持ってくる。
千葉「慎重にね」
千葉がゆっくり裕に近づき、サポートしようとする。
が、緊張でお盆を払い、
稲田「わーっ!! 何すんのよ!」
吉田「…!」
稲田が床に落ちたうどん鉢を掴み取る。
稲田「このうどんっ!」
稲田「、最高ーっ!!」
吉田「行けたでーっ!!」
稲田は良い記事を書いてくれそうだ。
暗転
その9に続く