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上手側に

うどん屋大将・佐藤

佐藤の小学三年生の娘・ライラ

店員・吉田

新人アルバイト・小西

クリーニング店の大黒・啓之親子

花屋の鮫島・行人親子

 

下手側に

悪魔のカバキング・コバヤシ・タックル・タワタ

出演者全員が揃う状況。

 

鮫島から行人の思い出を吸い取り、ご満悦のカバキング。

カバ「楽しいなあニヤリ

 

佐藤「(思い出を)返せ!プンプン

佐藤がカバキングに詰め寄ろうとすると、タワタが前に出て佐藤の顔面を殴る。

 

(コバヤシ・カバ・タックル・タワタ→←佐藤←ライラ達、の立ち位置で)

タワタに殴られ上半身が仰反る、佐藤。

そのまま倒れそうになるが、

ライ「お父ちゃん!アセアセ

 

佐藤「ふんっ!プンプンニヤリアセアセ

ライラの声で佐藤が仰反った上半身を高速で起こし上げる。

 

ここからはワンピースやドラゴンボール・マトリックス等、

絶体絶命状態から逆転するヒーローの姿が描かれる。

 

タッ「俺が行くニヤリ

タワタが下がり、屈強そうで顔も怖いタックルが前に出る。

 

タックルが佐藤を殴り、上半身が仰反る。

 

ライ「お父ちゃん!アセアセ

佐藤「ふんっ!プンプンニヤリアセアセ

ライラの声で佐藤が仰反った上半身を起こし上げる。

 

タックルがまた佐藤を殴り、上半身が仰反る。

 

ライ「お父ちゃん!アセアセ

佐藤「うーんっ!プンプンアセアセ

ライラの声で佐藤が仰反った上半身をなんとか起こし上げる。が、

佐藤「うーんっ!ガーンアセアセ

と、ダメージで床に膝をついてしまう。  笑い泣き

 

吉田「あかんのかいっ!」 笑い泣き

 

(タワタ→佐藤←タックル、の立ち位置)

佐藤はタワタとタックルに囲まれ、

二人に無理矢理起こされ、何度も交互に殴られる。

 

仰向けに倒れる、佐藤。

ライ「お父ちゃん!アセアセ

力尽きた佐藤が立ち上がる様子は無い。

 

様子を見ていた小西が

小西「今のTik Tokにしたらバズりそうですね!口笛」 笑い泣き

吉田「黙れ!アセアセ

 

 

カバ「帰るダワサニヤリ

 

佐藤「…、待て…アセアセ

佐藤「行かさへんぞ…っアセアセ

 

カバ「しつこいダワサえー

 

佐藤「約束した…っアセアセ

佐藤「ほんとのお父ちゃんに戻るって…っ!アセアセ

 

佐藤「うーんっ!!プンプンアセアセ

佐藤が必死で立ち上がる。

右足を踏ん張り(ドン!)、左足を踏ん張り(ドン!)、

最後は手のひらを両膝に当て(パン!)、踏ん張る。

 

奇しくも『We Will Rock You』の『ドンドンパン!』のリズムになり、

カバキングら悪魔たちが苦悶の表情で頭を抱える。

佐藤「…?」

カバ「やめろ、その音…ガーンアセアセ

 

佐藤は『ドンドンパン』のリズムが悪魔の弱点と気付く。

 

足踏みし手を叩く、『ドンドンパン』のリズムを始める、佐藤。

悪魔たちが苦悶の表情で頭を抱える。

 

佐藤「みんな、一緒にやってくれ!」

 

『ドンドンパン』

『ドンドンパン』

『ドンドンパン』

『ドンドンパン』

小西「♪Buddy, you're a boy, make a big noise〜口笛

フレディ・マーキュリー似の?小西が歌い出す。

佐藤「お前が歌うんかいっ!」 笑い泣き

小西「えっ?キョロキョロ

佐藤が小西にそのまま返す。

佐藤「えっ?キョロキョロ」 笑い泣き

 

小西「いや、ふざけてるわけちゃうんです」

小西「リズムで苦しんでるところに僕の歌で一気に畳み掛けるんです!」

佐藤「そうやったんか! 頼んだぞ!ニヤリ

 

『ドンドンパン』

『ドンドンパン』

『ドンドンパン』

『ドンドンパン』

小西「♪Buddy, you're a boy, make a big noise〜」

小西が軽快に歌い出すが、途中から

小西「♪フフフフフフフフ〜口笛

と鼻歌になり始める。 笑い泣き

佐藤「知らんのかい!」

小西「知らん」

 

佐藤・小西「えっ?キョロキョロ

と、今度は二人で合わせる。 

 

小西「こんな感じでしたっけ?」

小西「♪You got mud on your face!」

佐藤の顔を指差しながら、

小西「♪目玉もフェイス!左差しニヤリ」 笑い泣き

佐藤「そんなんちゃう!」

 

カバがコバヤシ・タックル・タワタに対し、

カバ「お前ら、耳栓しろ!アセアセ

弱点対策用に持参している耳栓で耳を塞ぐ。

 

佐藤「耳を塞がれた!びっくりアセアセ

吉田「くそっ!、どうしたらええんや!アセアセ

 

佐藤「もっとパワーが必要や!」

佐藤が設定を守り入口から店外に出て、観客席に呼び掛ける。

佐藤「街の皆さん! 悪魔を倒すために協力してください!」

ドラゴンボールの元気玉を模した場面に。

 

『ドンドンパン』

佐藤が作るリズムに観客が合わせる。

佐藤「もっと!ニコニコ

 

小西も歌で盛り上げる。

小西「♪We will, we will, rock you!」

『ドンドンパン』

会場全体でリズムを作る。

佐藤「後ちょっと!ニコニコ

 

小西「♪We will, we will, rock you!」

『ドンドンパン』

会場全体で更に大きなリズムを作る。

 

耳栓でも防ぎきれないリズム音。

カバ「なんなんだ、このパワー!? 頭に響いてくる…ガーンアセアセ

苦悶の表情を浮かべるカバキングたち。

 

カバキングを倒すには十分な音量と見た佐藤が店に戻る。

 

(中央奥側にカバキング、中央客席寄りに佐藤、の立ち位置で)

照明が暗めになり佐藤とカバキングがライトアップされる。

 

ここはワンピースでルフィがボスを倒す瞬間を模した場面。

 

佐藤がカバキングに対し、

佐藤「親に取って子供との思い出は何より大切なものなんや!プンプン

右拳に力を込め、音響・照明も全力で力が溜まる様子を演出する。

 

佐藤「思い出を俺たちに返せーっ!!プンプン

佐藤がカバキングの腹に渾身の一撃を食らわせる。

(『ドン!!』の効果音が聞こえてきそうだ)

 

その瞬間、カバキングが食べた思い出が一気に放出され、

その際の衝撃で皆吹き飛ばされてしまった。

 

 

暗転

 

 

明かりが戻る。

 

立ったまま優しい顔照れで目を閉じた小西以外は皆床に倒れている。

 

吉田が意識を取り戻す。

吉田が辺りを見回し、

吉田「皆さん、大丈夫ですか!アセアセ

と、ここで小西に気付く。

吉田「えーっ!?」

吉田「嘘でしょ? 立ったまま気絶してる?」

吉田「意識無い時はこんな穏やかな顔してるんやタラー」 笑い泣き

 

吉田「起きろ!」

小西が意識を取り戻す。

小西「はっ!、タキシード仮面は!?キョロキョロアセアセ

吉田「夢見てたんかい!」 笑い泣き

 

啓之が意識を取り戻す。

 

直ぐに倒れた大黒を見つけ、駆け寄る。
啓之「お父ちゃん!アセアセ

啓之が大黒の身体を揺すると、大黒が意識を取り戻す。
啓之「お父ちゃん!アセアセ
大黒「…啓之、大丈夫か?」

啓之「僕のことが分かるの!?、お父ちゃんアセアセ

大黒「当たり前やないか…照れ

 

行人が意識を取り戻す。

 

直ぐに倒れた鮫島を見つけ、駆け寄る。
行人「お母さん!アセアセ

行人が鮫島の身体を揺すると、鮫島が意識を取り戻す。
行人「お母さん!アセアセ
鮫島「…行人、大丈夫!?」

行人が頷く。

 

吉田「思い出、戻ってきてる!爆  笑

 

ライラが意識を取り戻す。

 

直ぐに倒れた佐藤を見つけ、駆け寄る。
ライ「お父ちゃん!アセアセ

ライラが佐藤の身体を揺すると、佐藤が意識を取り戻す。 

佐藤「うっ…アセアセ

佐藤が立ち上がる。

 

ライ「私のこと、分かる?(涙)」

佐藤「いつも言うてるやろ?照れ

佐藤「嫌なことがあっても直ぐに泣いたらあかん、って。(涙)」

 

佐藤「ライラ!(涙)」

ライ「お父ちゃん!(泣)」

佐藤「ライラーッ!(泣)」

親子が泣きながら抱き合い、幸せを噛み締める。

 

その様子を嬉しそうに見つめる、吉田と小西。

吉田「良かった…照れ

小西「良かったですニコニコ

 

(佐藤→←ライラ←小西、の立ち位置で)

佐藤がライラに対し、

佐藤「そや、ライラの誕生日、ディズニーランドに行こう!ニコニコ

ライ「えっ?」

佐藤「ライラとの約束、大事にする」

佐藤「約束は守らなあかん決まり事や照れ

ライ「信じていい?」

 

ここで、何故か小西がライラに熱く語りかける。

小西「ライラちゃん、約束は相手がいないとできん」

 

小西「なかには守れへん約束もあると思う」

 

小西「約束っていうのは、」

小西「怖いこと、失敗しそうなことを信用できる人に打ち明けて、

小西「『できる!』って勇気付けてもらう意味もあるんや」

 

小西「手ー出してみて?」

ライラが手を出すと、小西も手を出して合わせる。

小西「二人でこうやって約束すると、不可能が可能になる」

小西「一人ではできないことが起る」

小西「二人の力で、できないこともできる」

 

吉田「大将、超えてくんなよ!(苦笑)」 笑い泣き笑い泣き

吉田「ええこと言うな!(苦笑)」

吉田が小西の熱い語りを止める。

 

吉田「大将の顔、見てみろ!(苦笑)」

小西に気を取られて気づかなかったが、

大将の顔を見ると目を見開き茫然としているガーン。 笑い泣き

 

小西「いや、大将、ワードがペラペラやったからニヤリ」 笑い泣き

小西が佐藤を誇張して真似る。

小西『約束は守らなあかん決まり事や口笛』 笑い泣き

小西「、酷かったタラー」 笑い泣き

 

吉田「もうええわ!(苦笑)」

吉田「どんだけ大将に恥掻かすねん!」 笑い泣き

 

佐藤が大黒親子や鮫島親子、吉田らに感謝する。

佐藤「みんな、協力してくれてありがとう照れ

 

 

その10に続く