⒐
⑴
佐藤の小学三年生の娘・ライラ
店員・吉田
新人アルバイト・小西
3名。
クリーニング店の大黒・啓之親子がうどんを食べにくる。
営業時間にもかかわらず椅子が裏返しになっていることから異変に気付
大黒「何かあった?」
吉田「実は、」
大黒「えっ!?」
吉田「まだ言うてない!」
吉田「実は、」
啓之「えっ!?」
吉田「まだや!」
吉田「実は、
大黒・啓之「…」
吉田「ここ、驚くとこです!(苦笑)」
小西「えっ!?」
吉田「お前は知ってるやろ!」
大黒「ごめん、びっくりしてフリーズしとった」
大黒「どういうこと?」
・大将がライラについてだけ記憶喪失になったこと
・ライラに寂しい思いをさせないよう、
・店をほったらかしにしてお菓子を買いに出かけたこと
等、吉田が経緯を説明する。
啓之がライラに対し、
啓之「ライラちゃん良かったやん、お父さんといっぱい遊べて」
ライ「うん…」
ライラは父親の変化に戸惑っている様子。
⑵
佐藤が買い物から帰ってくる。
佐藤「ただいま!」
佐藤「ライラちゃん、お菓子買ってきた」
ビニール袋からお菓子を出しながら、
佐藤「ぼんち揚」
佐藤「歌舞伎揚」
佐藤「朝日あげ」
吉田「全部一緒や!(苦笑)」
小西「それに、子供が喜ぶやつにしないと」
小西「みるくボーロ」
小西「たまごボーロ」
小西「エイセイボーロ」
吉田「それも全部一緒!」
小西「食べてボーノ」
吉田「もう、ええから!」
過剰なほどボケを入れ続ける、小西。
⑶
大黒が佐藤に確認する。
大黒「大将、ほんまにライラちゃんのこと覚えてないんか?」
佐藤「はい。でも、神様がくれたチャンスやと思って」
佐藤「ライラちゃんの父親としてやり直したいんです」
大黒「大将、何が原因で記憶喪失になったんや?」
佐藤「それが全く…」
吉田がライラに尋ねる。
吉田「ライラちゃん、心当たりある?」
ライラが少し考え、
ライ「昨日、二人組に話しかけられた。
吉田「何話した?」
そこに、吉本大学2回生の音羽と健太がやってくる。
小西「太ったおじさん(=音羽)とお姉さん!(=健太)」
吉田「後ろ(=健太)もおじさんや!(苦笑)」
すると音羽が激昂し、大声で佐藤に対し、
音羽「なんでそんなこと言うんですかっ!!!」
健太は普段の喋り方のまま、
健太「ほんとです」
佐藤「言うたん、俺ちゃう」
と、自分の背後にいる小西と吉田を見る。
⑷
音羽「最近、
音羽「親失格です」
健太「いや、人間失格です」
吉田「それが大将がライラちゃんのことを忘れてしまったようで…
音羽・健太「…」
音羽が先ほどまでの話をごまかすように、佐藤に対し、
音羽「大将…」
音羽「、きつねうどん一つ」
吉田「どのタイミングで言うの?(呆れ)」
⑸
音羽「
健太「太った大きい男と女性のコンビが目撃されています」
啓之「怖い…」
大黒「俺が守ったる」
⒑
⑴
皆で二人組の男女の話をしていると、
カバと小林がやってくる。
二人は佐藤の思い出を食べたことで、悪魔(=黒の全身タイツ)の姿になっている。
カバ「匂うダワサ」
カバ「子供との思い出のニオイがするダワサ」
ライラが二人を指差し、
ライ「この人たち!」
佐藤がカバたちに対し、
佐藤「おたくら、学習塾の…」
カバ「ケケケッ、学習塾は口実ダワサ
」
カバ「我々の目的は子供への愛情・思い出を吸い取ることダワサ」
カバ「子供への愛情と思い出は最高のご馳走ダワサ」
小林「美味しいブゥ」
佐藤「お前ら、何者や!」
カバ「吾輩は悪魔のカバキング」
小林の方を見て、
カバ「こちらは我が手下の、」
小林「コバヤシ」
吉田「そのままかいっ!」
吉田はコバヤシの名前を知らないはずで、メタ的なボケと突っ込み。
⑵
カバが佐藤に対し、
カバ「お前の子供への愛情、思い出を吸ってやったダワサ」
カバ「そういうことダワサ」
小林「上手くいったブゥ」
吉田「あの、さっきからずっと気になってるけど、語尾が逆では?(苦笑)」
吉田「そっち(=カバキング)がブゥでしょ?」
カバ「細かい奴ダワサ」
小西「でも、キャラは守った方がいいザマス」
吉田「お前も語尾が変なってる!」
⑶
(コバヤシ・カバキング→←小西・吉田・佐藤←大黒たち、の立ち位置で)
カバが大黒を指差し、
カバ「次のターゲットはお前ダワサ」
小西「ワーッ!」
吉田「大黒さんや! お前ちゃう!」
小西は標的が自分でないと分かった瞬間、強気になり、
小西「帰れ、帰れ! 通天閣に帰れ!」
カバ「…?」
小西「ビリケンさんやろ?」
小西がテーブルの椅子を前に出し、
カバキングに動きを指示、カバキングが従う。
小西「座って?」
小西「足伸ばして?」
小西「笑って?」
ビリケンさんが出来上がり、
小西「ビリケンさんやん」
カバ「うるさい! お前こそフレディ・マーキュリーやないか!」
吉田「確かにちょっと似てる、ドンドンパンってやつ」
と、『We Will Rock You』のリズムを足で踏み手拍子する。
『ドンドンパン』をしたほんの一瞬、
カバキングとコバヤシが苦しそうに頭を押さえる。
カバ・小林「痛っ…!」
吉田「どうした?」
カバキングとコバヤシから普通の表情に戻る。
※
補足
小西武蔵さんとフレディ・マーキュリーの共通点は口髭くらいで、
正直なところ1mmも似ておらず、小西さんのウリにするには相当無理があるように思います。
ですが、似ている体で話が進み、物語の鍵にもなりますので、
激似の体で記述します。
吉本新喜劇なら今回のカバさんとビリケンさんや
清水けんじさんとえなりかずきさん、千葉公平さんとちびまる子ちゃんの藤木君は
確かに似ていると思います。
それと、すち子と佐藤美優さん。
佐藤美優さんはすち子の外見に似せられるんじゃないでしょうか?
⑷
カバキングがコバヤシに対し、
カバ「貸せダワサ」
小林「はいブゥ」
コバヤシは思い出を吸い取るタブレットをバッグから取り出し、カバキングに渡す。
カバキングが大黒にタブレットを向けると、佐藤が慌てて大黒に、
佐藤「あれを見たらダメ! 思い出を吸い取られる!」
すると、小西と吉本大学の音羽・健太が「任せて!」
と間に入る。
(コバヤシ・カバキング→←健太・音羽・小西・大黒、の立ち位置で)
健太がカバキングの後方上を指差し、
健太「あれは何だ!」
音羽「UFO!?」
小西「一平ちゃん!?」
吉田「そんなんで引っかかるか!」
しかし、カバキングは
カバ「焼きそば!?」
と、後ろを振り返り、空を見上げる。
カバキングが空に気を取られた隙に、健太がタブレットを奪い取り、
背後にいる音羽にタブレットを渡す。
音羽が背後にいる小西にタブレットを渡す。
小西が背後にいる大黒にタブレットを渡…
すのではなくて、見せる結果になってしまう。
吉田「見せたらあかん!」
『キュルキュルキュル』とウルトラマンの変身時に似た効果音がする。
大黒が辛そうに頭を抱え、『スポンッ!』と音がした瞬間、
大黒から何かが抜けたように気絶し、力無く倒れ込む。
カバキングが口元を手で拭い、
カバ「食ってやったダワサ」
小林「美味いブゥ」
カバ「次行こうダワサ」
小林「行くブゥ」
カバ・小林「ワハハハ!」
二人が去っていった。
⑸
啓之が倒れた大黒のもとに駆け寄る。
啓之「お父ちゃん!」
啓之が大黒の身体を揺すると、大黒が意識を取り戻す。
啓之「お父ちゃん!」
大黒「…、君、誰や?」
啓之「そんな…、ウワァーン!」
大黒も啓之との思い出を吸い取られてしまった。
小西・音羽・健太「どうして、こんなことに!」
吉田「お前らのせいやっ!」
暗転
その7に続く