(直接的なネタバレはほぼないと思います)

 

 

 

前作『シン・ゴジラ』の何十倍も楽しめました。

 

 

ヒーロー

 

熱中したヒーローをほんの少し思い返しますと、

スポーツなら辰吉丈一郎さんや野茂英雄さんや松井秀喜さんであったり、

競走馬ディープインパクトであったり、

海外ならM・シューマッハやオアシス等ロックグループであったり、

後追いですが若き日のジャッキー・チェンであったり…

 

不思議とウルトラマンや仮面ライダー・戦隊モノには熱中しませんでした。

 

おそらく、現実世界で異次元の活躍をする姿に、より憧れたのだと思います。

 

そんな特別ウルトラマンファンではない人間が鑑賞してみました。 

 

 


 

感想

傑作『ゼノブレイド(1)』そのもの

 

TVのお気楽なウルトラマンとはかなり描写が異なりまして。

 

ウルトラマンと人類の関係性がゼノブレイド。

テーマもゼノブレイド。

ラスボスとの壮大な闘い・ラストの問答は画面構成までゼノブレイド。

 

大枠は100%ゼノブレイド

もしかすると、ゼノブレイドの根底部分が初代ウルトラマンなのかもしれません。

 

 

 

『シン・ゴジラ』同様、政府の思惑や国際情勢・抑止力の話等、

個人的には10分で終わってほしい政治的描写が延々と続きます。

 

怪獣 → 禍威獣

科特隊 → 禍特対

 

わざわざ小難しくする必要はありますか? 苦笑

 

自然に頭に入ってこない、

『早口で、賢げで、大袈裟で、堅苦しく、しつこい』会話のオンパレード。

 

(一般的会話 → シン・ウルトラマンにおける会話、の順で)

・ウルトラマンは裸かスーツか分からない → 全裸か着服か分からない

・(無理強いした相手に)滅ぼされるなら意味がないな → ゼロサム状態は望まない

・一体、どれほどの熱量なんだ!? → 一体、何ギガワットの熱量なんだ!?

・早急に対処します → 可及的速やかに対処します

・じっと待つわけにもいかない → 座して待つわけにもいかない

・去り際の視線で分かりました → 去り際の一瞥で分かりました

 

こんな言葉、日常会話で使います? 苦笑

文章、文学なら理解できますけれど。

 

…と、ここまでなら『シン・ゴジラ』同様、非常に肩が凝る作品なのですが、

 

 

今作を明るく柔らかくしているのが

ウルトラマンの人間時の同僚・禍特対メンバー(の映画後半部分)。

全員有能なのですけれど、劇中の役割は庶民寄りで、コメディ部分も担っていて。

 

禍威獣を間近で見て、

由美「もしかして、激ヤバ光線撃ってくるんじゃないですか!?」 笑い泣き

日常会話っぽくて、親しみが持てます。

 

特に長澤まさみさん演じる浅見が最高ですね。

人間味あり、お茶目、可愛い、かっこいい。

 

メンバー全員が仲間を大切にしていて、仲間のために動くんですよね。

 

禍特対の位置付け・チームの雰囲気もゼノブレイドそのものでして、

ゼノブレイドでいうフィオルン・ライン・ダンバン・カルナ・メリア・リキでした。

浅見はフィオルン?

由美は『今年の伝説の勇者』リキ?

 

とにかく、魅力的な禍特対メンバーのおかげで作品が楽しく感じられました。

 

 


 

CG

 

昭和40年代当時の特撮感を意識した、白組のCGが素晴らしかったです。

チープ過ぎず、豪華過ぎず、絶妙な匙加減。

CGに合わせる効果音は当時そのまま思い切りチープにしていました。

 

しかし、日本でもCGでここまで表現できる時代になると、

アニメの相対的価値が変わってきますよね。

アニメ出身の庵野さんチーム自身、アニメに頼る必要が無くなっていて。

 

観ていて、アニメを応援したくなりました。