⒑
⑴
うどん屋店長・岳夫
アルバイト・まりこ
TV局ディレクター・諸見里
三名。
カメラマン・横地と音声・松元が慌てて走り込んでくる。
横地・松元「大変やーっ!」
信濃「どうしたんですか!?」
横地「ガラの悪い奴らに絡まれてしまって!」
♪ヤクザ登場時の厳つい音楽が流れる。
が、誰も現れない。
信濃「誰も出てけえへん」
少しして、チンピラの住吉(住吉大和)が現れる。
住吉は店先で立ち止まり、両膝に手のひらを乗せる子分ポーズをしながら、
普通の声量で、
住吉「アニキ!、アニキー!」
すると、白黒アーガイル柄のヤクザ・辻本(辻本茂雄)
客席が沸き上がる。
辻本が住吉に対し、
辻本「お前、全然声出てへんやないか!(苦笑)」
辻本「悪いやっちゃ」
信濃「調子が悪いだけでは?(苦笑)」
辻本「緊張しとるだけや」
辻本「ワシとも初対面や。(苦笑)」
辻本「緊張が解けてきたら、こいつは化ける」
※
補足
住吉さんの場面は、住吉さんと入れ替わりゲストのニコイチ。
二人が撮影スタッフに因縁をつける大筋は同じですが、
住吉さんとゲストの関係性やネタは毎回変わりました。
レポートでは辻本茂雄さんの回を取り上げます。
⑵
(住吉・辻本→←信濃、の立ち位置で)
辻本「出囃子が流れたのに現れん…」
辻本が一瞬ツイストのように体を動かし、力を放出するように、
辻本『悪いやろ!』
子分の住吉も『悪いやろ!』を繰り返すルールのようだが、
住吉は突っ立ったまま。
辻本が住吉を注意しようと住吉の方を振り向くと、
住吉が慌ててしゃがむ。
辻本「なんしてんねん!」
住吉「アニキの顎が刺さるから」
辻本「ワシは海で人を刺す魚のダツか!」
住吉「、えっ、そんなんできるんですか?」
辻本が得意げに信濃の方を見て、
辻本「吉本新喜劇の内場さんのギャグを盗む…」
一瞬ツイストのように体を動かし、力を放出するように、
辻本『悪いやろ!』
今度は住吉も続く。
住吉『悪いやろ!』
⑶
辻本「聞いて驚くなよ?」
と自分で言っておいて、
辻本「、へっ!?(驚き)」
住吉「…」
辻本が住吉に対し、
辻本「おい、続いてくれよ。(苦笑)」
辻本「『自分で言うて自分で驚く…、悪いやろ!』
住吉「…」
辻本「すまん。今のは急にアドリブ入れた俺が悪かった」
⑷
辻本が住吉(大和=やまと)に対し、
辻本「おい、ダイワ!」
住吉「へいっ!」
辻本「…(苦笑)」
辻本「おっちゃん、言うたやろ?『いつ何言うか分からん』って」
辻本「メモしたやろ?」
と、住吉の手を見る。
辻本「、っ全部消えとるやないか!(苦笑)」
辻本「チャーリー浜以来やぞ!(苦笑)」
辻本「杖持つ手の汗で、書いたやつ全部消えてた。(苦笑)」
辻本「おいっ!」
辻本が住吉の方を急に振り向く。
だが、住吉は立ったまま。
辻本「しゃがまんのかい!(苦笑)」
住吉が慌ててしゃがむ。
住吉が立ち上がると、辻本が住吉と正面から向かい合い、
両肩に手を当て、優しく話しかける。
辻本「大丈夫か?」
辻本「ごめんな」
辻本「でも、ここは戦場やから」
住吉「うん」
辻本「…(苦笑)」
辻本が信濃たちの方を見ながら、
辻本「こいつらに言うたらんかい!、ダイワ!」
住吉「へいっ!」
辻本「ヤマトやろ!?(苦笑)」
辻本「次のことを考え過ぎや。今を見つめよう」
⑸
辻本が信濃たちに対し、
辻本「さっき、
辻本「その衝撃で大事なデータが消えましたんや」
本来なら、話している辻本が客席から見て隠れるよう、
住吉が舞台中央の辻本の前側に移動してくるネタだが、
住吉が下手側に行きかけ、予定外の行動に辻本が慌てて腕を掴み、
客席から見て自分が隠れる位置に住吉を入れる。
辻本「データが無いと仕事できまへんのや」
辻本「って、どこ立っとんねん!」
と、予定通りに住吉を叱る。
辻本「…(苦笑)」
辻本が住吉を下手に連れていき、正面から向かい合い、優しく、
辻本「練習したやろ?」
辻本「ほんまは30分前に入ったら良かった」
辻本「でも、台本見たら、初対面でニコイチ」
辻本「お前のことが心配やったから90分前に入って、
辻本「なあ、ダイワ」
住吉「…、ヤマトじゃい!」
客席から笑いとともに大きな拍手が起こる。
辻本が信濃たちに対し、住吉の活躍に誇らしげに、
辻本「どうや? こんな短時間で成長した」
⑹
辻本が横地を見て、台本にはない流れで、
辻本「お前よう見たら『よこっちピーマン』ちゃうか?」
横地「…!?」
辻本「収穫したピーマン、この辺りで売ってるらしいな」
辻本「ワシらのシマや。ショバ代払え」
横地「無理です…」
諸見「えっ?(苦笑)」
辻本「…、何も生まれへん時もあるわ。(苦笑)」
⑺
辻本が信濃たちに対し、
辻本「まだ俺らの悪さが分かってないようやな」
辻本「今から悪いとこ見せたるわ」
辻本がレジに行き、千円札を抜き取り、
辻本「千円盗んで、100円玉10枚入れたろ」
一瞬ツイストのように体を動かし、力を放出するように、
辻本『悪いやろ!』
住吉『悪いやろ!』
辻本が住吉に対し、
辻本「お前も悪いとこ見せたれ」
すると、住吉は店の外に出て、クリーニング店の前に行き、
住吉「あっ、こんなところにお花がある」
ウルトラマンの光線発射時のポーズを取り、
住吉「お花に向かって、スペシウム光線! ビビビ!」
一瞬ツイストのように体を動かし、力を放出するように、
辻本『悪いやろ!』
住吉『悪いやろ!』
住吉が店内に戻ってくる。
辻本「こっちで何とかせんかい。(苦笑)」
辻本「皆に見えるように店内でやらなあかんやろ?(苦笑)」
辻本が信濃たちに対し、
辻本「絶好のチャンスを無駄にする…」
一瞬ツイストのように体を動かし、力を放出するように、
辻本『悪いやろ!』
住吉『悪いやろ!』
辻本と住吉の愉快な時間がまだまだ続く。
その9に続く