うどん屋店長・岳夫

アルバイト・まりこ

二人。

 

森田「店長、TV局の人は何時に来るの?」

信濃が腕時計を見て、

信濃「1時間後に来るみたいや」

 

すると、撮影スタッフらしき川筋(川筋ライラ)、

カメラを手にした横地(よこっちピーマン・公演時点では横地眞平)、

集音マイクを手にした松元(松元政唯)が現れる。

川筋「本日の撮影を務めます、AD川筋とカメラマンの横地、音声の松元です!ニコニコ

 

信濃「いただいたメールでは1時間後と…」

川筋「えっ?」

岳夫が川筋にスマホのメールを見せる。

川筋「すみません!、出直します!アセアセ

信濃「いえ、今からで大丈夫ですニコニコ

 

信濃「あの、ディレクターは?」

川筋「車に忘れ物をして遅れていまして…」

川筋が下手袖方向を見て、

川筋「言うてたら来ました!

 

ディレクターの諸見里(諸見里大介)が勢いよく現れる。

諸見里はジーンズに袖なしの白シャツを着ている。

 

諸見里が岳夫に自己紹介する。

諸見「シュシュシュシュシュッシュ エシュエシュ口笛

信濃「、一文字も分からんかったタラー」 笑い泣き

諸見「シュシュシュシュシュッシュ ペシュペシュ口笛

諸見「ペシュペシュペシュ口笛」 笑い泣き

 

信濃「はい!?」 笑い泣き

 

諸見「はい!?」 笑い泣き

信濃「こっちの台詞です! 滑舌悪すぎません!?」

 

諸見里が丁寧に言い直す。

諸見「しゅいましぇん」

諸見「ほんじぃちゅの しゃつえいをしぃきる(=本日の撮影を仕切る)、」

諸見「ディレクターの もろみじゃと でしゅニコニコ

信濃「ギリギリ分かった!」 笑い泣き

 

諸見「テンション上がると何喋ってるか分からなくなっちゃって」

諸見「今日がディレクターとしての初仕事でテンション上がっちゃって!、

諸見「シュシュシュシュシュッシュ!!アセアセ」 笑い泣き

信濃「また分からん!(苦笑)」

 

岳夫とまりこも自己紹介する。

 

諸見里の白シャツは薄地で乳首が透けて見えていて、

信濃「乳首、ビンビンやないか!(苦笑)」 笑い泣き

信濃「もうちょっと厚手のやつを着てきてください」

諸見「以後、気を付けましゅタラー

 

AD川筋が諸見里に対し、

川筋「ディレクター、メールで指定した時間を間違ったみたいです」

諸見「えっ?キョロキョロ

諸見里が岳夫に対し、

諸見「メール見せてもらっていいでしゅか?」 

岳夫が諸見里にスマホを見せると、諸見里がスマホを奪い取り、

諸見「本当だ!、しゅみましぇん!アセアセ

諸見里が土下座して謝る。

諸見「俺の馬鹿野郎!ムキーアセアセ

諸見里が立ち上がりながら、岳夫のスマホを床に叩きつける。 笑い泣き

諸見「この野郎っ!ムキーアセアセ

床に叩きつけた岳夫のスマホを踏みつける、諸見里。 笑い泣き

信濃「俺のスマホや!びっくりガーンアセアセ

岳夫がスマホを拾い上げる。

 

諸見「しゅみましぇん、興奮すると周りが見えなくなるところがあってアセアセ

諸見「以後、気を付けましゅタラー

信濃「今、気を付けろよ!プンプン」 笑い泣き

 

諸見「手土産をお持ちしましたニコニコ

と、白の紙袋から青のミトンを取り出し、岳夫に渡す。

信濃「…、鍋つかみですよね?」

諸見「はいニコニコ

信濃「お土産にするタイプじゃないタラー

諸見「手作りの方が気持ちが伝わると思って、昨日徹夜で作りましたニコニコ

諸見「何回も失敗して、中にちょっと血が付いてましゅけど口笛」 笑い泣き

信濃「汚っ!アセアセ

諸見「大丈夫でしゅ。ちゃんと消毒してましゅんでウインク」 笑い泣き

信濃「そういう問題ちゃうでしょ!」 笑い泣き

 

まりこがミトンを上手奥の部屋に置きに行き、直ぐに戻ってくる。

 

 

岳夫が諸見里に確認する。

岳夫「番組のことを詳しく聞いてないので教えてほしいんですけど」

岳夫「何て番組ですか?」

諸見「日曜夜に放送中の『情熱大国』ですニコニコ

信濃「ああ、それなら知っていますニコニコ

 

諸見里が岳夫に撮影時の振る舞いをアドバイスする。

諸見「下町を支えるうどん屋店長の働きぶり・人柄を撮りたいので、」

諸見「緊張せず!ニコニコ

諸見「ありのままで!プンプンアセアセ

諸見「力まずっ!!ムキーアセアセ

信濃「あんたが一番力んでる!」 笑い泣き

 

諸見「以後、気を付けましゅタラー

信濃「『以後、気を付けます』って言うの、やめてください」 笑い泣き

 

初ディレクター仕事の諸見里が一番張り切り過ぎている様子。

 

入り口レジ棚辺りに立つ諸見里がAD川筋・カメラマン横地・音声松元に対し、

諸見「準備しぇえ!プンプン

 

諸見里はミトンの入っていた白の紙袋を厨房カウンター前の床に置く。

 

まりこが岳夫を上手側に呼び寄せ、ヒソヒソと、

森田「あのディレクター、気合い入りすぎキョロキョロ

信濃「ホンマやな」

 

川筋・横地・松元が岳夫たちのところに来て、岳夫たちに謝るように、

川筋「ディレクターは熱血でなんですタラー

横地「真っ直ぐで」

松元「バカ正直って言うか…」

 

川筋「でも、そこが諸見里さんのいいところでもあるんです!ニコニコ

横地「僕たち、みんな慕っています!ニコニコ

松元「ディレクターのためにも最高の映像にしてみせます!ニコニコ

川筋が横地と松元に対し、

川筋「よし、みんな、用意しましょう!」

川筋・横地・松元「おーっ!!爆  笑グー

三人が拳を突き上げ、仕事に戻る。

 

信濃「全員、変やタラー」 笑い泣き

三人も諸見里に似て、熱血で真っ直ぐでバカ正直な性格のよう。

 

 

諸見里たちが撮影準備をしていると、「バンッ!」と大きな音がする。

全員「…!?」

信濃「この音は…っ!」

信濃「皆さん、気を付けてください!アセアセ

 

運動会の音楽が流れ、

舞台下手端クリーニング店の奥側道路から

波平のような見た目の老人・寛平(間寛平)が杖を振り回しながら現れる。

 

寛平はテーブルや壁等を杖で思い切り叩き、「バンッ!」と音をさせながら、

全員を追いかけまわす。

その間にテーブルの位置がずれ、様々なものが床に乱れ飛ぶ。

 

寛平に疲れが見えてきて、舞台中央で立ち止まり、

客席の方を見て、とぼけた言い方で、

寛平「まいど〜口笛」 笑い泣き

全員がずっこける。

 

全員立ち上がり、

川筋「あの人、何ですか!?アセアセ

信濃「町内会長ですタラー

 

諸見里が激昂し、両手で寛平の胸ぐらを掴み、耳が痛いほどの大声で怒鳴り上げる。

諸見「今からロケやのに、何してくれとんじゃ!!!ムキームキームキー

そのまま寛平を揺さぶる。

諸見「おいっ!!!ムキームキームキー

寛平を振り回し、最後は突き飛ばし、

寛平が尻餅をつくように倒れ、横地が持つカメラに後頭部を打ち付ける。

寛平「…アセアセ

寛平「…、鼻血出てない?(苦笑)

 

ここは諸見里の当たりが強すぎて、楽しいを通り越し、怖く見える場面。

「!ムキー」が一つ分少ないくらいで丁度良かったのではなかろうか?

 

ディレクター諸見里以上に芸人・諸見里大介が

こけら落とし公演を成功させようと張り切りすぎているのかもしれない。

 

岳夫が諸見里に対し、

信濃「落ちついて!」

 

しかし、諸見里の怒りは収まらず、

諸見「何してんねん!、今からロケやのにプンプン

寛平「お前、無茶苦茶やな。(苦笑)」

諸見「ロケの邪魔しゅんな!プンプン

寛平「え?」

諸見「滑舌悪いんや!」

寛平「何言うてんの? (サ行、)喋れるやんな?ニヤリ」 笑い泣き

諸見「は!?(苦笑)アセアセ

寛平「ほんまはちゃんと喋れるのにニヤリ」 笑い泣き

諸見「何言うてんの?(苦笑) 滑舌悪いんや!アセアセ

寛平「わざとやろ?ニヤリ」 笑い泣き

諸見「わざとじゃない!(苦笑)アセアセ

寛平「絶対喋れるってニヤリ」 笑い泣き

諸見「序盤でそんなこと言われたら、この後できへんやろ!(苦笑)」 笑い泣き

 

寛平「お前の芸風、潰したるからな!ニヤリ」 笑い泣き笑い泣き

諸見「なんや、お前っ!ムキーアセアセ

寛平が逃げ去り、諸見里が追いかけていった。

 

信濃「あの人、若手を育てる言うて、育てる気ひとつもない!(苦笑)」 笑い泣き笑い泣き

 

諸見里が寛平の杖を持ち、戻ってくる。

諸見「しばいてきたニヤリアセアセ

信濃「やめてください! 町内会長がおたくらの話を受けたんですよ?」

 

諸見「気を取り直して撮影開始しましょう!、ハァハァ…アセアセ

寛平との戦いは体に堪えたようで、諸見里が息を整える。 笑い泣き

信濃「大丈夫ですか?(苦笑)」

 

 

その5に続く