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⑴
祐貴の父・スチ太郎が上手端に居る新婦・幸恵の前まで来る。
スチ太郎は酔いながらも父親らしいしっかりした口調で幸恵に対し、
スチ「幸恵ちゃん。頼んない息子ですけど、お願いします!」
スチ「祐貴は優しい奴です」
スチ「この伊丹スチ太郎、嘘はつきません! 勤続40年の警察官として!」
花月ブライダルの社員を名乗る詐欺師の吉田・小西がスチ太郎の言葉に反応する。
吉田・小西「警察官!?」
スチ太郎が吉田と小西を見る。
スチ「…、見たことあるぞ?」
友見『詐欺師よ!』
祐貴だけが友見の言葉に反応し、
祐貴「詐欺師!?」
全員「えっ?」
今度は全員が祐貴の言葉に反応する。
スチ太郎が吉田・小西に対し、
スチ「思い出した! お前ら結婚式専門の詐欺師やないか!」
吉田「…っ、バレたらしゃあないな」
⑵
祐希はまだ式代を振り込んでいないようで、吉田が祐貴に対し、
吉田「不履行なんで、違約金として500万払っていただけますか?」
祐貴「えっ?」
吉田「契約書にも書いてますよ?」
吉田が契約書をポケットから取り出す。
祐貴「見せてください!」
祐貴が契約書を見る。
祐貴「こんな小さい文字、見えるわけないじゃないですか!」
警察官が目の前にいながら、堂々と詐欺を続ける摩訶不思議な展開が続く。
⑶
吉田「それやったら、しゃあないな!」
吉田と小西が幸恵を人質にし、上手端に移動する。
他の全員が玄関付近に移動し、人質場面が出来上がる。
(上手端に吉田←幸恵←小西、の立ち位置で)
吉田がナイフを取り出し、
吉田「500万用意しろ! さもないとこいつがどうなっても知らんぞ!」
と、ナイフを幸恵の顔に近づける。
すると、小西が「キャーッ!」と叫び声を上げる。
吉田「なんでお前が怖がるんや!」
小西「末端疲弊症で!」
吉田「それを言うなら先端恐怖症や!」
⑷
祐貴「僕の大切な人なんや!、放してくれ!」
スチ太郎が祐貴より前に出て、吉田と小西に対し、
スチ「おい、変毛」
スチ「変毛二人組」
スチ「全然怖ないぞ」
吉田が大声で
吉田「ほな、かかって来いやっ!!」
スチ「大声やめて!」
酔っ払いには頭に響くようで、頭を抱えながら玄関付近に戻ってくる。
あい「あんた、何してんねん」
※
余談
この場面は逆転新喜劇・第一回のヨゲ(=世外)を踏まえて、
スチ「変毛。またはヘゲ」
スチ「花嫁を人質にする奴、ヘゲ!」
の台詞を期待してしまいました。
⑸
あい「私が行くわ」
藍が前に出る。
祐貴「おかん、やめとけって!」
あい「私は警察官の妻や。私も昔は警察官やった」
藍がかつて奈良の警察職員だったことを知る?下手側客席から小さな拍手が起こる。
藍が吉田と小西に対し、
あい「そんな物騒なもん引っ込めて、おばちゃんと話し合ってくれへんか?」
吉田「引っ込んどけ!」
あい「そんな簡単には引っ込まんのよ」
と、大きなお腹を強調する。
スチ「アーッハッハッハ!」
酔っ払い、笑い上戸になっているスチ太郎が大笑いする。
吉田「状況、分かってんのか!?」
⑹
小西「アニキ、ここは僕に任せてください」
小西「先端恐怖症やけど、丸っこいのは得意なんで」
あい「おもろいこと言うなあ」
余裕綽々の藍。
小西が藍の顔を殴るが藍はびくともしない。
あい「えっ、今どついたん? 撫でたん?」
小西がまた殴るが藍は全く効いておらず、
藍が両人差し指を立て、挑発。
ここから次第にボクシング風の殴り合いになる。
藍にはダメージがないまま長々と殴り合いをした後、
祐貴「もう見てられへん!、おかんのこんな姿!」
と、祐貴が藍を羽交い締めにし、小西から引き離す。
あい「行かせっ!」
祐貴「熱なってる!」
すると、藍がスチ太郎に対し、腹を突き出し、
あい「私ホッカイロですねん」
スチ「アーッハッハッハ!」
⑺
泰恵が前に出て、吉田に対し、
泰恵「娘を放してください!」
吉田「引っ込んどけ!」
泰恵「放してって言ってるでしょ!」
吉田「黙っとけ、この、白豚ーっ!!」
泰恵「…」
泰恵「ワレ、誰にもの抜かしとんねん!アホンダラッ!!」
吉田・小西「…!」
泰恵「最近、運動しとんねん!」
泰恵「近所のおっちゃんには『最近、泰恵ちゃん痩せたね』って言われてる」
泰恵「しょーもない顔しやがって!」
泰恵は若手座員のリアルネタを持ち合わせていないようで、
あっという間にネタ終盤へと移行する。
泰恵「いっぺん、脳みそ、ストローでチュウチュウしたろか?」
吉田・小西「…!」
泰恵「…」
泰恵「…」
泰恵「怖かった~」
吉田や小西も含めた全員がズッコケ、
耕一やスチ太郎が先に立ち上がり、吉田と小西を取り押さえる。
⑻
スチ太郎が吉田と小西に対し、
スチ「悪いやっちゃ!」
スチ「立て! 連行や!」
スチ太郎が二人を連行しようとすると藍が立ち塞がり、スチ太郎に対し、
あい「あんた、このまま飲み屋に寄るんちゃうやろね?」
スチ「まさか…」
スチ「…」
あい「寄るんや?」
あい・スチ「、アーッハッハッハ!」
二人は仲の良い夫婦のようだ。
⑼
レイがスチ太郎に対し、
レイ「今日は大事な日なんで、僕が代わりに警察に連れていきます」
一人で大丈夫?
レイが吉田と小西を連れ下手袖に消えるが、ほんの数秒で一人で戻ってくる。
レイ「行ってきた」
祐貴「早ない!?」
レイ「たまたま、そこにお巡りさんがいた」
その10に続く