直子・響・健太、三人の子供たちと入れ替わりで、
オーナー・辻本、辻本の妻・友見、そして来訪者の信濃が中央奥通路から現れる。

辻本が険しい表情で信濃に対し、
辻本「信濃、どういうつもりや!プンプン
信濃「電話しても出てくれないから、ここまでやって来たんですよ!」
辻本「ワシらを裏切って夜逃げした男が!プンプン
信濃「それには理由があったんです!アセアセ


信濃「父の借金を僕が背負うことになり、旅館に取り立てに来ると言われました」
信濃「旦那さんと女将さんに迷惑をかけてはいけないと思って出ていったんです!」
辻本「お前が出ていってから借金取りが来て、匿ってないか疑われた。迷惑した!プンプン

吉田『信濃は借金で夜逃げしたんか!』
吉田の心の声はやはり三人には聞こえておらず、そのまま話が進む。


辻本が信濃に対し、
辻本「夜逃げだけやないプンプン
辻本「あんなことして…、今でも鮮明に覚えてる!プンプン
吉田『何があったんや!?キョロキョロ

辻本と友見が信濃に対し、
辻本「お前は!プンプン
友見「あなたは!プンプン
辻本「よりによって!プンプン、」

ここで、カフェのある上手端通路から荒木が電話をしながら現れ、
客の前で話せる内容ではないのか、辻本と友見が黙り込む。
辻本・友見「…」
吉田『言わへんのかい!アセアセ』 笑い泣き
麻薬取引よりも辻本家と信濃の因縁が気になり始める、吉田。

辻本が信濃に対し、
辻本「出ていってくれ!プンプン
辻本と友見が信濃を下手袖まで追い払い、3人が舞台から消える。


荒木が電話相手に対し、
アキ「何?、運び屋と連絡が付かんようになった!?えー
アキ「早よしてくれよ!えー
荒木が上手端のカフェに消えた。
荒木は麻薬の受取人のよう。

入れ替わりで小西がカフェから戻ってきて、パネルの吉田に対し、
小西「どうですか?」
吉田「まだや。引き続き警戒してくれプンプン
小西「分かりました」
小西がカフェに戻る。


辻本と友見が険しい顔で旅館に戻り、二人の背中を信濃が追いながら、
信濃「話を聞いてください!アセアセ
辻本「聞けるか! あんなことをしたんやぞ!プンプン
辻本「お前は、お前は!プンプン
友見「あなたは、あなたは!プンプン
吉田『早よ言えや!えー』 笑い泣き
辻本家と信濃の因縁が気になって仕方ない、吉田。

信濃が辻本に対し、
信濃「娘を迎えに来ました!」
辻本「よう言えたな!プンプン

辻本「お前が初めて旅館にやって来た時のことを覚えてる」
辻本「小さい子を抱いてやってきた」
辻本「『男手一つで育てないといけない。何でもするから雇ってください』って」
辻本「泣きながら頼むお前を見て、旅館に受け入れることにした」
辻本「それやのに、お前は小さい子を置いて出ていった!プンプン
信濃「仕方なかったんです!アセアセ

辻本「うちの娘と同い年やったから、双子ってことにして育てることにした」
辻本「でも、周りからは『全然似てない』って言われる!(悲)」

辻本「信濃。どっちがお前の娘か、見ても分からんやろ!プンプン
信濃「それは…」

ここで、カフェのある上手端通路から荒木が電話をしながら現れ、
辻本と友見が黙り込む。
辻本・友見「…」

辻本が信濃に対し、
辻本「もう帰ってくれ!プンプン
辻本と友見が信濃を下手袖まで追い払い、3人が舞台から消える。
吉田『どっちが信濃の娘なんや!? 麻薬取引より気になるぞ!』 笑い泣き


荒木が電話相手の話に納得した言い方で相手に対し、
アキ「そうか、分かったんだえー
吉田『「分かった」でええやないか! 「分かったんだ」って何やねん!』 笑い泣き
荒木が上手端のカフェに消えた。

入れ替わりで小西がカフェから戻ってきて、パネルの吉田に対し、
小西「どうですか?」
吉田「もうちょっとでどっちが娘か分かりそうや!プンプン」 笑い泣き
小西「娘…?」
吉田「とにかく、引き続き警戒してくれ!プンプン
小西「分かりました」
小西がカフェに戻る。


辻本と友見が険しい顔で旅館に戻り、二人の背中を信濃が追いながら、
信濃「私の子供を返してください!」
辻本「無理や!プンプン

信濃「タダとは言いません!」


信濃「この旅館のことを調べさせてもらいました」
信濃「経営難で借金を抱えているみたいですね」
信濃「借金なら、私が肩代わりします。だから、娘を返してください」
辻本「羽振りようなったら、お金で返してくださいって。娘は物やない!プンプン

辻本「それに、金なら当てがついたえー

辻本「帰れよっ!プンプン
辻本と友見が信濃を下手袖まで追い払い、3人が舞台から消える。


小西が上手端通路先のカフェから戻ってきて、パネルの吉田に対し、
小西「どうですか?」
吉田「もうちょっとや!」
吉田「引き続き警戒してくれ!プンプン
小西「分かりました」
小西がカフェに戻る。


辻本と友見が険しい顔で旅館に戻り、二人の背中を信濃が追いながら、
信濃「せめて娘に名乗らせてください!」
辻本「こんなこと、娘に言えるわけないやろ!プンプン 言うたら動揺する!」
辻本「それに、どっちが娘か、お前には分からんはずや」
信濃「それは…」

ここで、上手端通路から荒木が電話をしながら現れ、辻本と友見が黙り込む。
吉田『また出てくるやん!』 笑い泣き
荒木のせいで因縁の真相に近付けず、イライラする、吉田。

荒木が辻本・友見・信濃を見て、
アキ「また、おるやんけ。空気読めやえー
吉田『お前や!えー』 笑い泣き
荒木も人気の無い状況で麻薬取引したい様子。

辻本と友見が中央奥通路に消える。
信濃「聞いてください!アセアセ
信濃が二人を追いかけていった。


その7に続く