荒木が現れ、まだ判明していない取引相手の登場に警戒する、刑事の吉田・小西。

お洒落で品の良いスーツを着た男性・信濃(信濃岳夫)がやってくる。
信濃は自分に疑いの目を向ける吉田・小西に、
信濃「旦那さん、いらっしゃいますか?」

辻本が中央奥通路から現れ、信濃を見て驚き、すぐに険しい表情になる。
辻本「信濃、お前っ!びっくりプンプン

小西が辻本に尋ねる。
小西「お知り合い?」
辻本「元従業員ですプンプン

信濃の方も法被姿の吉田・小西とは面識が無く、
信濃「こちらは?」
吉田「花月旅館の従業員です」
小西「花月署の刑(事です)…」
吉田が慌てて小西の言葉を遮る。
吉田「おーい!アセアセ、真似しとけ言うたやろ!」
小西「あっ、従業員ですアセアセ

信濃「今、花月署って…」
小西「言い間違えました!」
信濃「言い間違えないでしょ?」
小西「花月署と従業員って似てるんで。花月署、花月署、花月署、従業員口笛
全員「…?」
演者も観客も全員がポカンとなり、妙な間が生まれる。

小西「とにかく、従業員ですアセアセ

早急に次の場面に行きたいように見える、小西。


お洒落で品の良い服を着た信濃に、
辻本「昔と違って垢抜けたなえー
信濃「事業で成功しまして」

信濃「あの…泊まれますか?」
辻本「泊まる気か!プンプン

ここで、響と直子が中央奥通路から現れる。
ひび・直子「お父さん、勉強教えて爆  笑

信濃が響と直子に近づき、
信濃「覚えてるか?ニコニコ
ひび「誰ですか?」
直子「知らないです」
信濃「そうか。二人はまだ赤ちゃんやったしなニコニコ

辻本がフロントから鍵を持ち出し、

響や直子から信濃を遠ざけようと信濃に鍵を渡す。
辻本「ルームキーや。ごゆっくりえー

信濃が中央奥通路から客室に向かった。


直子「ねえ、お父さん。勉強教えてー爆  笑
辻本「よっしゃ。奥で教えたるニコニコ
辻本が直子・響とともに中央奥通路に消えた。

吉田が小西と話す。
吉田「信濃って奴、怪しいなプンプン
信濃が荒木の取引相手なのだろうか?
なにやら他にも理由がありそうに見えるが…

 

 



吉田が荒木の取引相手として信濃を怪しんでいると、
荒木がスマホを耳にしながら、カフェから現れる。

荒木が電話の相手に対し、
アキ「今、ロビーやえー
アキ「運び屋、どんな奴や?えー

吉田と小西が荒木の会話に耳をそばだてると、荒木は急に小声でモゴモゴと話し始める。
吉田「途中から分からん!、全然聞こえへんぞ!」
(この場面は吉田の心の声で、荒木には聞こえていない体)

すると、荒木が電話相手に対し、観客にも聞こえるかどうかギリギリの小声で、
アキ「全然聞こえへんぞえー」 笑い泣き
吉田「繰り返してへんか!?」 笑い泣き


吉田と小西が荒木の電話に集中しているところに、
辻本の息子で小学生の健太が飛行機のポーズをしながら中央奥通路から現れる。
健太「ウィーン!爆  笑

健太が吉田に対し、
健太「お兄ちゃん、遊んで爆  笑
吉田「今、忙しい!アセアセ

吉田は荒木を注視し続けていて、健太の顔を見ずに返答する。


健太「なーなー、遊んで爆  笑
吉田「ちょっと静かにしといて!プンプン
健太「なーなー爆笑
吉田「黙っとけ言うてんねんっ!!ムキー

吉田の怒鳴り声に、
健太「遊んでほしかっただけやのに…ショボーン
健太は両手を目元に当て、「ウワーン!えーん」と泣き出してしまう。

(健太・小西・吉田↘︎→→↓荒木、の立ち位置で)
健太の泣き声で荒木が警戒したのか、吉田の居る方向を睨みつける。
アキ「チッえー
荒木に張り込み捜査を気づかれたと思い焦る吉田だが、
アキ「下手くそな泣き方しやがって!えー
荒木が中央奥通路先のカフェに戻っていった。
吉田「泣き方の指導かい!」 笑い泣き

吉田と小西が荒木を追いかけ、カフェに向かった。


ロビーで一人泣く健太だが、一転して悪ガキの笑顔になる。
健太「居なくなったなニヤリ口笛

健太はフロントから瞬間接着剤を持ち出し、
館内・玄関付近の馬の顔出しパネルに向かう。
瞬間接着剤を顔出し部分に当て、
健太「ここにたくさん塗って…ニヤリ、全部使っちゃえ口笛
と、瞬間接着剤を顔出し部分に一周させる。

健太が上手端通路の人影に気付く。
健太「帰ってきた!びっくりアセアセ

両手を目元に当て、「ウワーン!えーん」と泣くフリをする、健太。


吉田と小西がカフェから戻ってくる。
小西「何も無かったですね。取引しないのかも…」
吉田「諦めるな。 自然に根気よく。それが張り込み捜査の基本プンプン

吉田が嘘泣きしている健太を見て、
吉田「ごめん、悪かった。泣き止んでくれんかな?」
健太「…じゃあ、笑わせてや。(嘘泣き)」
健太「パネルから顔出して。そしたら笑うから。(嘘泣き)」
吉田「そんなんでええんか? ほんま、小学生やなあ照れ

吉田がパネルから顔を出す。
健太「アハハハ!爆  笑
健太の笑顔を取り戻し、一安心の吉田。
健太「アーッハッハッハ!笑い泣き
吉田「?キョロキョロ、そんなおもんないぞ?」
健太「アーッハッハッハ!!笑い泣き笑い泣き
策略にはまった吉田を見て、呼吸困難になるほど大笑いする、健太。

吉田がパネルから顔を抜こうとするが、
吉田「おい、待て!? 取れへん!!びっくりアセアセ
吉田「小西、引っ張ってくれ!アセアセ
小西が吉田の体を引っ張る。
吉田「イテテテッ!ガーンアセアセ
吉田の顔は瞬間接着剤でくっついてしまい取れる気配が無い。

吉田「取れへん!、何でや!?アセアセ
すると、健太がポケットから得意げに瞬間接着剤を取り出し、吉田に見せる。
健太「ジャーン!ニヤリ

吉田が状況を把握する。
吉田「…! 動かへんやないか!ガーンアセアセ

馬のパネルから顔を出した吉田を見た小西が、
小西「パネルに自然に溶け混んでますよ!爆  笑
小西「なるほど、これが張り込み捜査の基本ですね!ウインク」 笑い泣き
吉田「そういう意味やないねーん!!アセアセ」 笑い泣き

 

 

暗転

 

その5に続く