(第三景)


青年団主催の夏祭りの日。

祭りの開催を直前に控えた、夕刻。

たこ焼き屋台の前方に、『玉花火』と書かれた筒が置かれている。
上手には、お面の屋台も設置されている。

森田と真希は青の法被を身に纏っている。

森田「真希ちゃん、安心して。俺、カタギになったから照れ
森田「花火も楽しみにしてな照れ
真希「うん…」
森田「どないした?キョロキョロ
真希「花火の筒を見たら、なんだか気分が悪くなって…タラー
森田「…?」


啓之と健太も法被を着て現れる。

健太はあたふたしながら、森田に対し、
けん「祭りの第一部の司会がダブルブッキングで来られないみたいで…アセアセ
けん「森田さん、第一部の司会をしてください!アセアセ
森田「俺は第二部の花火の準備で忙しいわ」

森田「第一部は演歌やったな」
森田「有名司会者をキャスティングしたらしいけど…」
森田「司会は誰に頼んだんや?」
けん「タモリさんニコニコ
森田「予算、大丈夫やったんか!?アセアセ

けん「名前が似ているから、森田さん、お願いします」 笑い泣き
森田「無理やって!アセアセ
真希「展義さんの司会、楽しみ!おねがい
森田「やります!、やらせていただきます!爆  笑チュー」 笑い泣き

けん「そう言えば、歌手の付き人が司会に相談があるって言ってました」


健太の彼女・奈臣実が
ビジネススーツ姿の男性・筒井(筒井亜由貴)を連れて現れる。
奈臣「健太さん、お待たせ!おねがい

筒井がゴミ箱の横にキャリーケースを置く。

森田が筒井を見て、
森田「こちらは?」
奈臣「投資コンサルタントの筒井さんニコニコ
奈臣「健太さんから青年団の資金を増やしたいって相談を受けて、お願いしたの」
けん「お金が増えたら、祭りが賑やかになって、青年団も復活できると思って」
森田「このこと、皆、知ってんの?」
けん「まだ、知りません」

奈臣「でも、大丈夫よ。凄い人なんでウインク
筒井「抜けたところもありますが、仕事はしっかりしていますニコニコ
妙な自己PRをする、筒井。
奈臣「筒井さんは世界を回っているのよウインク

筒井「こんな感じですニヤリ
と、ブレイクダンスのターンをし、客席に顔を向け、決めポーズをするキラキラ
客席から拍手が起こる拍手

森田「『世界を回る』って、そういう意味!?」 笑い泣き


けん「あちらが特別席です」
と、健太と奈臣実が筒井を上手袖(奥手側)へと案内する。

筒井は上手端奥手で立ち止まり、
筒井「あっ、キャリーケースを忘れてました!アセアセ
と、下手端まで戻ってくる。

筒井はキャリーケースではなく、ゴミ箱を引っ張っていく。 笑い泣き
屋台前に居る森田が
森田「抜け過ぎでしょ!タラー

筒井がゴミ箱に気付き、キャリーケースと交換する。
筒井は森田の前を横切る際に、森田を指差し、
筒井「髪の毛、抜け過ぎてますね!ニヤリ笑い泣き

筒井が上手袖の特別席に向かっていった。

森田「…ウケたみたいな顔しやがって。(苦笑)」

 

 



森田、真希、青年団の啓之

三人。

夏祭り第一部に出演する演歌歌手の付き人・佐藤(佐藤太一郎)が現れる。

・森田によるタイガーウッズ弄り
・啓之によるピッコロ大魔王弄り
佐藤登場時の定番ネタが行われる。

啓之のピッコロ弄りに続き、森田が佐藤に対し、
森田「あっ!びっくり、あの人ですやん!」
森田「…フレディ・マーキュリー!?ウインク
佐藤「…キョロキョロアセアセ
佐藤が曲を歌いノリツッコミするかと思われたが、
佐藤は、苦笑いしながら手足で『ドンドン、パン拍手』とリズムを取り、
武蔵の登場を促すように下手袖を見る。

しかし、武蔵は一向に現れず、
森田「…出てこうへんね。(苦笑)」

 

最後の顔弄りはアドリブだったのかもしれない。



佐藤が言うには、
出演歌手はプロ意識が高く、リハーサル無しで一発勝負するタイプのよう。
森田「普通、プロ意識が高い人って、リハーサルを重視しません?」
佐藤「プロにもいろんな人がいてるんです」
森田「言うてること、おかしいって」

佐藤「ドン、シャラップ!(=Don't shut up!)プンプン右差し
森田「…」
森田「それやと『喋れっ!』って意味やで?」

佐藤「素人考えはやめて、先生の紹介文をしっかり読んでください!プンプン


レイ「そろそろ、第一部が始まるぞ爆  笑
青年団のレイとまみが上手袖から現れる。
まみ「楽しみ。晴れて良かったわ。照れ


森田がMCを務め、第一部がスタート。

森田は、佐藤が作った紹介文を見ながら、
演歌番組のアナウンサー風に紹介する。
森田『芸歴45年キラキラ
森田『恋、酒、夢…男の気持ちを歌います!キラキラ

青暗い照明に変わり、『男の子守唄』の前奏が流れる。
奈落を光が照らし、金色のジャケットを着たオール巨人がせり上がってくる。

舞台中央で一番を歌い上げ、大きな拍手が起こる拍手


森田が巨人に対し、
森田「めちゃくちゃ、歌、上手いですね!びっくり
森田「でも、歯医者の先生でしょ?」

佐藤「何を言ってるんですか!、歌手ですよプンプン
巨人はプロの演歌歌手でありながら歯科医でもあるようで、
佐藤のことを皆に説明する。
巨人「彼は記憶喪失で、少々混乱しているんだ」
真希「記憶喪失!びっくり…私もよ!アセアセ


佐藤「先生。それより、大切な方も来られてます」

森田がMCに戻る。
森田『あの方が来てくれていますキラキラ

 

森田『こいつが出るなら、俺も出るキラキラ

森田『こいつだけに目立せるわけにはいかないキラキラ

森田『五木ひろし…ふるさと』

皆がオール阪神の登場を期待する。
歌声が聞こえてくるが、オール阪神の声ではなく、聞き慣れた声に思える。
現れたのは、花月組の組長・池乃。 笑い泣き

池乃がオール阪神の真似で、
池乃「巨人君、一人で何してんねん!口笛

森田「似てるん、背の低さだけですよ。(苦笑)」 笑い泣き
森田「てっきり、阪神さんが来るんかと…(苦笑)」

巨人「阪神君は、今、淡路島で釣りしてるニコニコ


巨人「ほんまは歌唄うたらあかんねん。…『直営業』言われるからタラー笑い泣き

すると、まみが封筒を巨人と池乃に渡す。
まみ「先生。組長。お車代ですニコニコ笑い泣き

巨人「一番あかん組み合わせや。(苦笑)」 笑い泣き

 

再度、物語に時事ネタを入れていく。


巨人「最後まで、ごゆっくりお楽しみください!ウインク
大きな拍手拍手の中、巨人と池乃が去っていった。

 
 
その11に続く