⒎
⑴
青年団(令・まみ・健太・啓之)の紹介が終わったところで、
上手袖奥側から、真希が水汲みから戻ってくる。
真希「琵琶湖で汲んできました」
森田「琵琶湖!?」
⑵
真希は令たちが目に入り、
真希「青年団の皆さん、こんにちは!」
森田「真希さんは青年団には入ってないんですか?」
真希「何も覚えてなくて働き始めたから、迷惑かと…」
森田「…?」
青野「真希ちゃんは記憶喪失なんや」
レイ「昨年の祭りの後、公園で座り続けている人がいて」
レイ「話を聞いたら、真希さん、その前の記憶を思い出せないみたいで…」
レイ「だったら、記憶が戻るまで仕事してはどうかと思って、」
レイ「大将に相談して、たこ焼き屋で働くことになったんです」
真希「ご迷惑をお掛けして、すみません」
青野「そんなことない。真希ちゃんがおって、助かってるわ」
⑶
レイ「色んな人に見てもらってるけど、まだ記憶が戻らないんです」
森田「病院でも分からんのか…」
レイ「病院には行ってないです」
森田「ほな、どこで診てもらってんの?」
レイ「手相、タロット、スピリチュアル」
森田「なんや、それ!、占いやんけ!」
⑷
真希の記憶喪失の治療のため、啓之が親戚の医者を呼んだらしい。
すると、看護師の松浦(松浦景子)が現れる。
松浦「看護師をしています、」
バレエのターンをし、ポーズを決め、
松浦「松浦景子です!」
森田「なんで、そんな動きしたんや?」
松浦「小さい頃から空手をやっていたもので」
森田「バレエでしょ?」
松浦「あっ、バレエでした!、ハッハッハッハッ…、」
と、急にテンションを変え、バレエの決めポーズをし、目をキラキラさせる。
森田「癖、強いな…」
⑸
松浦が森田の顔を見て、唐突に、
松浦「平目ですね」
森田「なんやねん!」
森田が松浦の肩を軽く押すと、
松浦が「キャー!」と叫びながら、舞台の下手に向けてバレエを始め、
一旦上手端にまで来てから、下手端で決めポーズする。
キラキラした目で、
松浦「何、すんのよ!」
森田「嘘つけ!、楽しそうに踊ってたやないか!」
森田「一回、戻ってきてたぞ!(苦笑)」
松浦「癖が強いもんで」
バレエネタありきに見える場面。
⑹
松浦は、啓之が呼んだ医者とともにやってきたよう。
松浦「先生ー!」
松浦が下手端に呼び掛けると、
金髪で白衣を着た、医者のオール巨人(オール巨人)が現れる。
巨人「失礼します」
ビッグゲストの登場に会場が沸く
⑺
巨人が真希の診察を始める。
少しの時間、聴診器を使って自由にボケ、
巨人「新喜劇(で演じるの)、オモロイな」
舌圧子を真希の舌に当て、ア行・カ行を言わせる。
真希は上手く喋ることができず、
巨人「滑舌悪いな」
森田「誰でもそうなりますよ!(苦笑)」
森田「で、先生。真希さんの記憶喪失のことは何か分かりましたか?」
巨人「…記憶喪失?」
巨人「私、歯医者ですよ?、そんなん分かりません」
森田「えっ?」
⑻
巨人が森田に使用済の舌圧子を渡そうとする。
巨人「プレゼント」
巨人のアドリブなのか、森田が一瞬戸惑うが、
巨人が舌圧子で真希を指し、真希に使ったことをアピールすると、
森田「あっ…」
と、森田がニヤニヤといやらしい顔を作り、嬉しそうに受け取る。
一瞬、舌圧子を取り上げようとする素ぶりをする、真希。
⑼
巨人が去っていった。
松浦が去り際に森田たちに対し、
松浦「思い出しました!」
松浦「衝撃を与えると記憶が復活すると聞きます、ハッハッハッハッ…、」
急にテンションを変え、バレエの決めポーズをし、目をキラキラさせる。
森田「やめて、それ!」
松浦も去っていった。
⒏
⑴
歯科医・巨人、看護師・松浦が何の成果を出すこともなく帰っていった後、
真希が落ち込む。
真希「一生、記憶が戻らないかも…」
森田「そんなに落ち込まずに…」
真希「…顔を洗ってきますね!(涙)」
真希が上手袖に消える。
森田が上手端まで行き、真希の背中に向かって、
森田「琵琶湖とか行ったらあかんよ!」
森田「鴨川とか白川とか、ありますからね!」
⑵
啓之が森田に対し、
啓之「ははーん。分かりましたよ」
啓之「好きなんでしょ?…大将のこと」
青野「えっ!?」
森田「なんでや!」
レイ「ほな、あたす?(=私?)」
森田「真希さんや!…あっ」
啓之「やっぱり」
レイ「気持ちを伝えてきます!」
レイ「真希さーん!」
令が真希を追い、上手端方向に向かう。
森田「おい、ちょっと!」
令が上手袖に消える。
レイ『真希さーん!』
令が上手袖から顔を出し、
レイ「…とか言っちゃって」
レイ「こういうことは、自分で言わないと」
森田「告白とか、得意ちゃうねん」
⑶
令が何か閃いたよう。
レイ「僕のプランで、森田さんと真希さんを付き合わせます」
レイ「その代わり、上手く行ったら、青年団に入ってください」
森田「大丈夫なんか?」
レイ「任せておいてください!」
⑷
令のプランは
①令が森田の背後に立つ
②令が小声で言う通りに、森田が真希に告白する
③最後に、真希に花を渡す
というもの。
花屋の健太が花を用意しに帰る。
⑸
真希が戻ってくる。
真希「顔を洗ったら、すっきりしたわ」
森田「どこで洗ってきたんですか?」
真希「…高野川です」
森田「高野川!?」
※
補足…高野川について
鴨川の支流、京阪・出町柳駅付近の川のY字の右上部分です。
京都のことを少し学べることも『きょうと新喜劇』の良さですね
⑹
令が真希に尋ねる。
レイ「真希さんは彼氏が欲しかったりする?」
真希「勿論。支えてくれる人が居たら、嬉しいわ」
令が小声で、
レイ「よし!」
⑺
森田の告白スタート。
(令→森田←真希、という立ち位置で)
令が森田に小声で、
レイ「真希さん!」
森田が令の方を向いて、
森田「真希さん!」
レイ「どっち見てんねん!」
森田が真希の方を向いて、
森田「どっち見てんねん!」
真希「…?」
レイ「それ言わんでええねん!」
森田「それ言わんでええねん!」
真希「…?」
レイ「ずっと、あなたのことが好きでした!」
森田「今日であったばっかりやないか!」
真希「…?」
レイ「僕と付き合ってくれませんか!」
森田「僕と付き合ってくれませんか!」
なんとか告白に辿り着く。
森田が小声で令に対し、
森田「…花は?」
すると、健太が、直径1mを超えるラフレシア風の不気味で恐ろしげな花を抱えてくる。
森田「スーパーマリオに出てくるやつ(=パックンフラワー)やん!」
森田「こんなんで成功するわけ…」
真希「OKです!」
森田「えーっ!?」
森田と真希が付き合うことになった。
暗転
その7に続く