⒔ 終

はじめが、自分を羽交い締めにしている奥重を引っ張りながら、
(下手袖から)現れる。
はじ「俺は何も悪いとこないって!アセアセ

上手袖から靖子も現れる。

はじめが靖子に対し、
はじ「大切な家宝を売りやがって!プンプン
そう言いながら、大島から貰ったお札を落とす、はじめ。 笑い泣き

アキ「(お札、)捨ててるやん!タラー笑い泣き

アキ「全然、大切にしてない」


靖子を追って、忠志・伊賀・直子が現れる。


忠志が靖子に対して、
忠志「待って、『優子』!アセアセ
靖子は、忠志と付き合っている時は優子の名前で通していたよう。

靖子を追っていた伊賀と直子は、一先ず、様子を見守る。


直子が誤って、交通事故の効果音のボタンを押してしまう。 笑い泣き
『(ブレーキ音がした後→)ガシャーン!』

伊賀「事故か!?びっくり
伊賀が下手袖に事故の様子を見に向かう。

ここで、アラームが鳴り、
終了『5分前』のボードを持つスタッフが上手端に現れる。
物語が完結する気配が全く無く、
客席から「えーっ!?びっくりアセアセ」とざわついた声が上がる。


何かを探している真希が現れる。

真希は忠志を見て、
真希「忠志さん!びっくり
真希「私、真実の愛を探していたんだったわ!アセアセ

真希「…3年前、あなたとわざと別れた」

真希「それでも、私を追いかけてきてくれるか、真実の愛を確かめたかったの!」

 

忠志は3年前、優子(=靖子)、真希、二人の女性と付き合っていたことが判明する。
忠志は優子(=靖子)の方を探していたようだが…

 

大島「二股!?」
奥重「真面目そうな顔して、最低やタラー笑い泣き
直子「お兄ちゃん、何を考えてんのよ!アセアセ

 


終了『3分前』。

忠志「違うんや!アセアセ
忠志「二人(=靖子・真希)は似ているから、どっちがどっちか間違えたんや!アセアセ笑い泣き

大島「最低な奴の発言やなタラー笑い泣き

直子「似ているのは、胸の大きさだけよニヤリ笑い泣き

靖子・真希「…!」
直子「…すみません、E(カップ)でニヤリ笑い泣き

アキ「私、Fニヤリ笑い泣き
アキコは直子と張り合おうとしているのか、

靖子と真希に畳み掛けようとしているのか…

直子が靖子に対し、

直子「あなた、お兄ちゃんを騙して、お札を売りつけたでしょ!プンプン
靖子「私は忠志さんを騙してないわ!アセアセ
靖子「これには訳があるの!アセアセ、それは、」

靖子が一言セリフの入った箱から紙を一枚引き、書かれたセリフを喋る。
靖子『ピカチュウが大好きだったから』

靖子「…(苦笑)」


真希「私も忠志さんに一言、言わせてもらうわ!プンプン
真希が一言セリフの入った箱から紙を一枚引き、書かれたセリフを喋る。
真希『私、綺麗?おねがい笑い泣き笑い泣き
客席側に一歩前に出て、目をキラキラと輝かせ、観客に美しさをアピールする。 笑い泣き


忠志が真希と靖子に対し、
忠志「真希もピカチュウが好きやろ?アセアセ
忠志「こうなったら、三人でピカチュウ同好会を作ろう!ウインクアセアセ笑い泣き
靖子の一言セリフを用いて、二股を丸く収めようとする、忠志。


終了『1分前』。

警官・伊賀が現れ、手錠を掲げ、
伊賀「高橋靖子、はじめ、逮捕や!プンプン

はじめは、間抜けなフリをし、元嫁を追っているように見せて、
靖子と詐欺を共謀していたことが明かされる。 笑い泣き


すると、はじめがドスを取り出し、
なぜか、仲間の靖子を人質に取る。 笑い泣き笑い泣き
はじ「この女を殺されたくなかったら…ムキー」 
アキ「相手、ちゃうやろっ!!(苦笑)アセアセ笑い泣き

終了『10秒前』。
カウントダウンが始まる。

はじめが、(メインストーリーに絡む真希ではなく)奈臣実を人質に取り直す。
アキ「この、『ポンコツ甲子園』!(苦笑)アセアセ笑い泣き

観客から募集した三つのお題(甲子園・台風・すいか)、全てクリア。

 

残り三秒。

伊賀「逮捕っ!プンプン
人質の安全などお構い無しに、はじめに近づき、
伊賀がはじめの腕を、直子が靖子の腕を引っ張り、連行していった。 笑い泣き

開始50分で『ドカーン!』と爆弾の音がして、終了。


 

 

 

[最終的な役柄]
岡田直子…女子高生→刑事
山本奈臣実…女子高生
大島和久…屋台の大将
池乃めだか…掃除のおっちゃん
前田真希…何かを探している女性→アキコの姉、忠志の彼女
西川忠志…一人で祭りに来た男→靖子・真希に二股している男
奥重敦史…(さて?) (なにが?)→医師
伊賀健二…警官
高橋靖子…バリバリ働く女性→詐欺師
はじめ…悪そうな人→詐欺師、靖子の仲間
アキ…屋台のバイトのおばちゃん→真希の妹

 

 

 

[次回公演等]

 

Joy!Joy! エンタメ新喜劇

 

  
 

NGK…11月1日 19:00~

ルミネ…11月3日 19:30~

 

 

 

[雑感]


物語について


物語の核になったのは、
西川忠志さん・前田真希さん・高橋靖子さん、演技力に長けた座員さんでした。

 

毎回、西川忠志さんが登場すると空気が一変し、

本格的に物語が動き出すことが伝わってきますね拍手

 

では、物語の方向性を決めた起点は何なのか考えてみますと、
それは、大島さんが引いた一言セリフ、
『御朱印を貰いに行こう』ではないでしょうか?

靖子さんが話題にした『お札』は、
この一言セリフに閃きを得たものではないかと推察しました。

 

 

笑いについて

 

皆さん凄く面白い中で、特に、はじめさんが強烈でした爆笑

正確には、はじめさんと皆さんのチームワークでしょうか拍手

 

アドリブに強いから面白い、アドリブに弱いから面白くない、

ではないところがお笑いの奥深さですね照れ



台本のない新喜劇は、
役柄の思考ではなく、演者さんご自身の思考が垣間見える部分も見所ですね。


咄嗟の台詞等、物事に対する反応が千差万別に感じます。

 




以前の『台本のない新喜劇』公演の際にも申しましたが、

吉本新喜劇においては、役柄や衣装が『大まかな台本』になっていると感じています。

屋台の大将なら回し役、
アルバイトなら賑やかし役、

女子高生二人組ならスタート時の客、
ヤクザなら脅迫する役、
警官なら犯人を逮捕する役、

『何かを探している女性』・『一人で祭りに来た男性』は物語担当、
…といった具合ですね。

『屋台周辺で事件が起こり、大将やアルバイトが巻き込まれる』、
という大筋が公演開始前に既に出来上がっています。

 

この大筋を根本から崩すには、与えられた設定に全員一丸で抗う必要があって、

現実的にはかなり難しいのではないでしょうか?


観客からお金を取る商業イベントであるため、

即興劇であっても、新喜劇として綺麗に着地させる必要性を感じられていて、

落とし所として、事前に役柄等を決められているのではないかと思っています。

 

…ではありますが、一観客としては、

スタート時に役柄も衣装も用意されない、全員役自由の、
舞台上だけで全てが作られる『真に台本のない新喜劇』もいつか観てみたいですね。

アキさん始め、様々な役柄を演じ分けてきた才能溢れる座員さん達ですから、

衣装が無くとも、どんな役にも成り切ることができると思います。

 

劇が混沌としても良いと思います。

飛んだ展開を見せる、破茶滅茶な完全即興劇を期待していますニコニコ

 

 

 

2019/08/08
【台本のない新喜劇】 完