⒒
⑴
景子「翔太君、大丈夫?」
翔太が頷く。
平山「翔太、帰るぞ!」
平山が息子の翔太の腕を掴み、連れて帰ろうとする。
翔太「お父さん、待って!」
翔太が平山の手を振り解く。
翔太「僕はずっとお父さんの敷いたレールの上を歩いてきた」
翔太「でも、今回だけは自分で決める!」
平山「翔太!」
⑵
♪Mr.Children『しるし』のピアノバージョンが流れる
(平山→←翔太←高井←景子・幸恵、という立ち位置で)
翔太が高井の方を振り向き、高井に対し、
翔太「お父さん!」
翔太「景子さんとお腹の赤ちゃん、二人を命懸けで守ります!」
翔太「許してください!」
景子も高井に対し、
景子「お父さん!」
景子「翔太君とこの子がいるなら、どんな苦労も乗り越えていける!」
景子「だから、許して?」
景子の姉・幸恵が高井に対し優しい口調で、
幸恵「お父さん」
幸恵「天国のお母さんも、景子が幸せになるなら、応援してくれると思うわよ?」
高井「…私が間違っていたようだな」
高井「神様から授かった命」
高井「子供は祝福され、愛されるために生まれてくるべきや」
高井「景子。元気な子を産むんやぞ」
景子が頷く。
高井「翔太君。景子とお腹の子を頼んだぞ」
翔太「必ず幸せにします!」
⑶
翔太が平山の方を振り向く。
翔太「お父さん!」
平山「翔太。お前の覚悟、しかと受け止めた」
平山「二人の結婚を許そう」
翔太「ありがとう」
翔太と景子が寄り添う。
幸恵「景子、おめでとう」
⑷
平山が高井に謝る。
平山「高井さん。数々のご無礼、お許しください」
高井「これから、よろしくお願いします」
平山「こちらこそ、よろしくお願いします」
⑸
花子「良かったですね」
後ろに下がっていた清水が前に出ながら、
清水「ええことあるか!」
清水「なに、人の部屋で勝手に騒いで、事件解決してくれとんねん!」
清水「全員、出ていってくれ!」
森田「出ていけるか!」
森田「借金、返さんかい!」
清水「…忘れてました」
森田「忘れんな!…まあまあ、存在感あったぞ。(苦笑)」
清水「…」
清水「さほど…」
清水「頑張っても、頑張っても、空回りで…」
⑹
森田「返せんようやから、事務所に来てもらおうか!」
森田が清水を無理矢理連れて行こうした時、
お金を借りていた松本が走り込んでくる。
松本「300万、かき集めてきました」
森田「金が返ってきたんやったら、ええわ」
森田「ほな、借用書、渡しとくわ」
ブラジャーの間から借用書を取り出し、松本に渡す。
シゲ「どこから出しとんや!」
森田「ここしか入れるとこが無かったから」
シゲ「ズボンのポケットがあるやん!」
森田がズボンを見て、
森田「…はぁい!」
シゲ「やめろ、それ!…子供がトラウマになる」
⑺
森田が松本に対し、
森田「また、いつでも借りにきてや」
森田が去っていった。
⑻
松本が連帯保証人の清水に謝る。
松本「清水さん、ご迷惑をお掛けして、すみませんでした!」
清水が苦い顔で頷く。
⒓
⑴
高井「全て丸く収まって良かったな」
谷川「まだ収まってない!」
谷川(=心は良輔)が永田(=心は友梨)に対し、
谷川「俺の身体を返せ!」
永田「私の身体を返してよ!」
取っ組み合いの喧嘩になる、二人。
サキが心配そうに見守り、手島が仲裁しようとする。
すると、様子を見ていたシゲオが
シゲ「もう、ええ!」
と、手島のお尻を押すように蹴り、
手島・永田・谷川・サキ・(脇に居た)清水がぶつかる。
五人が倒れ込み、皆、意識を失う。
同時に、『パリーン!』と、
何かが起きたことを示唆する効果音が流れる。
大島「蹴ったらあかんやないか!」
シゲ「揉めるからや」
⑵
永田が意識を取り戻し、起き上がる。
自分の身体を見て、
永田「男の身体に戻ってる!、やったー!!」
友梨が意識を取り戻し、起き上がる。
自分の身体を見て、
友梨「女の身体に戻ってる!、やったー!!」
大島「もしかして、ぶつかった時の衝撃で元に戻った?」
永田友梨と谷川良輔の心と身体が再び入れ替わり、
永田良輔と谷川友梨に戻ることができた。
⑶
手島が意識を取り戻し、起き上がる。
手島に異変はない様子。
清水も意識を取り戻し、起き上がる。
清水は手島に近付き、『女口調』で、
清水「お父さん、大丈夫?」
大島が清水に尋ねる。
大島「あなたは…?」
清水「私?、私はサキよ?」
清水が自分の身体に驚く。
清水「何なの、この身体!?」
清水「細身の男性の身体になってる!!」
五十嵐サキは、心と身体が入れ替わり、清水サキになってしまった。
大島「ということは、あっちは…」
サキが意識を取り戻し、起き上がる。
自分の身体を見て、
サキ「なんや、この身体!?」
サキ「めっちゃデブな女の身体になってるーっ!!」
発言している素の演者のことを考えると更に面白くなる場面。
大島「入れ替わってる…」
清水けんじは、心と身体が入れ替わり、五十嵐けんじになってしまった。
⑷
五十嵐(=心はけんじ)が清水(=心はサキ)に対し、
五十「俺の身体を返せ!」
清水「私の身体を返してよ!」
取っ組み合いの喧嘩を始める、二人。
⒔ 終
⑴
五十嵐(=心はけんじ)と清水(=心はサキ)が取っ組み合いをしていると、
平田が拳銃を持ち、走り込んでくる。
玉置が平田を追いかけてくる。
玉置「拳銃を奪われました!、…なにやってんだか!」
⑵
下手のシゲオ、上手端で拳銃を持つ平田、二人が対峙する。
平田がシゲオに対し、
平田「お前のせいで人生滅茶苦茶や!」
平田「お前だけは許さんからな!」
シゲ「人のせいにすな!」
⑶
シゲ「あいつ(=椎森)、準備できてるんやろな?」
シゲオが舞台袖を見て、半笑いする。
シゲオが観客に対し、
シゲ「舞台袖を見たら、こうやってました。(苦笑)」
まるで、サッカー選手がゴールを決めた後の仕草のように、
誇ったような顔で胸を右拳で二度叩き、人差し指を顔の横に掲げるフリをする。
シゲ「えらい余裕みたいやな。(苦笑)」
⑷
いよいよ、ラストシーン。
シゲ「行くでっ!!」
平田「お前から撃ち殺したらあ!」
シゲ「撃ってみい~!」
ライオネル・リッチー『Say You, Say Me』が流れ、
皆の動きがスローモーションになる。
平田「死~ね~!」
平田が撃った弾をシゲオが清水のギプスで打ち返す。
『キン、キン、キン』と跳弾音が聞こえる中、
カツラに工作を施し、釣り竿を持った椎森が現れる。
『ブスッ!』
椎森の身体に着弾した音とともに、
椎森が背中の棒を押し上げ、棒に付いたカツラが頭上に飛んだように見せる。
次に、頭頂部付近に巻いた状態で乗せられている長半紙を上方へと伸ばすと、
『祝32周年』の文字が見えてくる。
最後に、白いモコモコした塊を左右のポケットから取り出し、床に落とす。
白いモコモコした塊を釣り竿で巻き上げると、
両耳の横に付き、茂造になる。
観客の大きな笑いと拍手が起こる
そして、椎森が仰向けに倒れる。
茂造「めっちゃウケたのに、撃たれて死んだー!」
⑸
大島が椎森に近付き、
大島「大丈夫ですか!?」
大島「意識が無いーっ!」
茂造が観客に対し、
茂造「さあ、行きますよー!?」
茂造「この状況!、なんてこったー!?、」
観客「パンナコッターッ!!」
茂造「今年イチ、最高やん!」
椎森が起き上がる。
拳銃の弾は椎森のスマホに当たり、奇跡的に無傷で済んだようだ。
脇では、鬼の形相をした清水(=心はサキ)が
五十嵐(=心はけんじ)のお腹に正拳突きを繰り返している。
心配そうに見守る、良輔。
奇妙な三角関係がまた始まった。
二人の心と身体は、いつか元に戻るのだろうか?
第三部 終
[合唱]
⒈
暗転中、出演者全員が横一列に並ぶ。
辻本さんが32周年Tシャツを着るまでの間、
森田展義さんが花火のブラジャーを光らせながら、BGMに合わせて陽気に踊り、
会場を盛り上げる。
⒉
曲は『笑いの花』。
キャラメルパッキングさんが作曲。
作詞には、辻本さんも参加されているそうです。
ミドルテンポでポジティブな曲調です。
⒊
『笑いの花』
♪
頑張ってー!
そう、頑張ってー!
オー、頑張ってー!
⑴
正しい運命 変えられた時に
始まる 物語 ぶれーずに止まらずにー
(補足…上二行分のみ、辻本さんのソロパート)
笑いは人生の 道標と
信じて 諦めず 変わらーずに行くよー
(人差し指を前に出しながら)
想いは前に 真っ直ぐ前に
覚悟を胸に これまでもー これからもー
〈サビ〉
頑張ってー!
そう、頑張ってー! 届けたい想い
何度も 変わらずに
いつだってー!
そう、いつだってー! 叶えたい願い
笑顔の花は咲く
オー、頑張ってー!
⑵
どんな壁が 立ちはだかろうとも
負けずに 越えてくよ 何が起こってもー
想いは前に 真っ直ぐ前に
覚悟を胸に これまでもー これからもー
〈サビ〉
頑張ってー!
そう、頑張ってー! 届けたい想い
何度も 変わらずに
いつだってー!
そう、いつだってー! 叶えたい願い
笑顔の花は咲く
オー、頑張ってー!!
(全員が拳を突き上げる)
暗転
全力の舞台に、観客の大きな拍手が起こる
軽快な音楽が流れ、
次第に、カーテンコールの演者を迎える手拍子へと変わる。