吉田が景子を人質にした状況が続く。

翔太が前に出る。
翔太「僕が人質になる!
プンプンアセアセ
景子「翔太君、危ないから来ないで!
アセアセ
翔太「景子ちゃんのお腹の子は僕が守る!
プンプンアセアセ

シゲ「翔太君、よう言うた
照れ
シゲ「かっこよかった!」
シゲ「下がってくれ。ワシが助けたる
ニヤリ

客席の子供から「茂造、頑張れー!
爆  笑」の声が起こる。
シゲ「今はシゲオやで。(苦笑)」
笑い泣き


シゲオが吉田に対し、
シゲ「それに比べて、お前はカッコ悪い
プンプン
シゲ「関係無い少女に危害を加えようとして」

シゲ「そんな、お前にはこうや!、チーン!
ニヤリ
と、シゲオがベッドを叩く。
すると、歯が剣山になった茂造の大きな顔が上手端壁から現れ、吉田が腰を抜かす。
隙を見て、景子が下手に戻ってくる。

客席は盛り上がっているが、舞台上では皆が動揺している
キョロキョロアセアセアセアセ
シゲオが吉田に対し、
シゲ「…撃つな。ちょっとだけ時間をくれ。(苦笑)」

アキコが景子を吉田のもとに戻す。
アキ「そっちに行けよ!
ムキーアセアセアセアセ」 笑い泣き笑い泣き
仕掛けもゆっくり元に戻る。

長時間舞台に立ち続けた疲れからか、
シゲオは台本に無い行動を取り、仕掛けを発動させてしまったよう。
笑い泣き笑い泣き

シゲオが吉田に対し、
シゲ「いろいろソーリー
タラー笑い泣き
吉田「いいよニヤリ

アキコが一歩前に出て、吉田に言い直しを求めるように、
アキ「いぃよぉ~
照れ笑い泣き笑い泣き

吉田が言い直す。
吉田「いぃよぉ~
照れ笑い泣き

シゲ「男前が言うたら、腹立つわ!(苦笑)」
シゲ「ワシもそんな顔に生まれたかった」
シゲ「子供の頃、矯正して、これや。(苦笑)」
笑い泣き

吉田「ほな、生まれ変われ!ニヤリ笑い泣き
シゲ「生まれ変わってもこの顔かもしれんしタラー
シゲ「…お前、自分がイケメンやって認めたな。(苦笑)」
笑い泣き


場面のやり直し。

シゲオが吉田に対し、
シゲ「それに比べて、お前はカッコ悪い
プンプン
シゲ「関係無い少女に危害を加えようとして」

シゲ「お前の目的は何や?…組長の命ちゃうんか?」
シゲ「今から、組長が命を差し出すように説得する」

サキ「そんなの許さない!
プンプン
シゲ「下がってて!」
と、サキのお腹を『ポンッ!』と良い音をさせながら叩く。
笑い泣き

シゲオが吉田に対し、
シゲ「今の音に免じて、少し説得する時間をくれ」
笑い泣き
吉田「少しだけやぞ!」


病室扉付近に皆が集合する。
シゲ「花ちゃん、リハビリ用のボールを持ってきてくれ!」
花子がナース室に向かう。

シゲ「(上手端の)壁の上側に花のマークが見えるやろ?」
マークが点滅する。
シゲ「あの花にボール
を当てたら、仕掛けが発動して、助けられる」
大島「いつの間に作ったんですか!?」
 
高井「ボール、誰が投げるんですか?」
シゲ「畑、お前しかおらん!」
飛澤「畑、行くんや!」
ピ畑「分かった!」

花子がボールの入ったケースを持ち、戻ってくる。

シゲ「わしが相手を引きつけるから、『今や!』言うたら投げてくれ!」


シゲオが吉田に対し、
シゲ「組長、命を差し出すみた…今や!」

畑が花のマークに向けて、ボールを投げる。
なかなか当たらず、シゲオや皆が投げ始める。

ボールが客席に転がる。
シゲオが観客に対し、
シゲ「ボールを頂けますか?ニコニコ
舞台と客席の境界線を無くす、らしい場面。

シゲオが投げていると、観客がボールを舞台に戻そうと投げ入れ、
シゲオに当たる。
シゲ「別のゲームになってる。(苦笑)」
笑い泣き

アキコが吉田の足元までボールを拾いに行く。 笑い泣き
吉田「近い、近い!アセアセ
そのまま景子を助けられそうなものだが、ボールを持ち戻ってくる、アキコ。

シゲオが遂に的にボールを当てて、拳を突き上げ
グー、仕掛けを発動させる。

吉田が腰を抜かし、隙を見て、景子が下手に戻ってくる。

このタイミングで、最前列の客がトイレに向かう。
シゲオがトイレに向かう観客の背中に対し、
シゲ「当たったん見たら、安心したんですね?
ウインク笑い泣き

シゲオが「チーン!」と言いながらベッドを叩き、仕掛けを元に戻す。


起き上がった吉田がシゲオに対し、
吉田「お前だけは許さん!
ムキー
と、拳銃を向ける。

シゲ「ワシを本気で怒らせたな
ニヤリ
ベッドの間に置かれた膝の高さほどのテーブルを持つ、シゲオ。
シゲ「お前がワシを撃ち殺すのが先か、ワシがお前を倒すのが先か」
シゲ「茂造~!、…ちゃう
アセアセ笑い泣き
シゲ「シゲオ~!、テーブルキック!」
シゲオがテーブルを押すように蹴り、吉田の膝に当てる。
吉田が激痛で倒れこむ。

吉田「ホンマに痛いやつやないか!
ガーンアセアセ


警官・玉置が現れる。
玉置「そこまでや!
プンプン
清水「タイミングええなあ!
タラー
玉置「そこでずっと見てました」

その時、シゲオが笑い出す。
シゲ「アハハハハ!
笑い泣き
演者皆がシゲオに注目する。

シゲオが観客に対し、
シゲ「千穐楽やから、言います。(苦笑)」
シゲ「テーブルキックは、普段、受け手はサッカーのサポーターを着けています」
シゲ「当たっても痛くないようにしています」
シゲ「それが吉田が今、小声で言うてました。『着け忘れたっ!
アセアセ』って」 笑い泣き

玉置が吉田に近付く。
玉置「吉田、確保!」
シゲ「今日は足を負傷したから、逃げられんと思います
ウインク笑い泣き

玉置「殺人未遂の容疑で逮捕する!」


玉置が吉田を連行しようとして、
MRカンパニーのレイと椎森に目が行く。
玉置「お前ら、MRカンパニーのレイと椎森!
びっくり

シゲ「知ってるんですか?」
玉置「過去に恐喝罪で服役しているんです!」

玉置がレイたちに、
玉置「お前ら、まさか…!
プンプン
レイ「知り合いの見舞いに来ただけです
アセアセ
レイが逃げ去る。

椎森も病室から去ろうとして、シゲオが止める。
シゲ「茂造じいさん、知ってるな?
ニヤリ
もり「…無茶振りジジイか
えー笑い泣き
シゲ「ワシ、茂造じいさんと大親友でな。LINEでお前にメッセージが来てる」
シゲ「今から読むな?」
と、スマホを取り出す。

シゲ『お前は面白い頭をしてくると、ワシと約束したはずや』
シゲ『だが、お前はまだ結果を出していない』
シゲ『そこで、お前に試練を与える』
シゲ『ストーリーで終わることもできた』
シゲ『しかし、今回はお前の頭の大爆笑で幕を閉じることにする』
笑い泣き

もり「言うてる意味が分からんタラー笑い泣き


シゲ「お前のファンからも来てる
ニヤリ笑い泣き

シゲ『初めて手紙を書きます』
シゲ『私はカツラを被ったお兄ちゃんが大好きです』
シゲ『追い込まれて、カツラで大爆笑を取るところが楽しいです』
シゲ『でも、最近、見てないです』
シゲ『また、見たいです』

シゲ「5歳の女の子からや
ニヤリ笑い泣き

椎森は、ファンからの手紙は本当なのか、シゲオのスマホを覗き込もうとしキョロキョロ
慌ててシゲオが隠す。 笑い泣き

ファンからの手紙に、椎森の気持ちにスイッチが入る。
もり「茂造さんにLINEで伝えておいてください
えープンプン
もり「『俺が第二の茂造になる!』、とえープンプン笑い泣き笑い泣き

客席から「おおーっ!びっくり爆  笑」とどよめきが起こる。

椎森が去っていった。

シゲ「あいつ、自分からハードルを上げたな。(苦笑)」
笑い泣き



⑴ 
玉置「行くぞ!
プンプン
玉置が吉田を連行していく。

病室のドアの前まで来たところで、手島が玉置に対し、
手島「待ってくれ!

玉置「…」
玉置「手短にな
えー

玉置が吉田から離れ、手島と話す時間を与える。


手島が吉田から目を外し、客席の方を見ながら、吉田に語り掛ける。
手島「吉田。お前が俺のところに来たのは、15歳の時やった」
手島「ヤンチャでギラギラしていて、エネルギーに溢れていた
照れ
手島「ワシは、そんなお前に礼儀を教え込んだ」
手島「本当の息子のように育ててきたつもりやった…」

手島「…悲しいのう」
手島「任侠はもう古い、か」

手島「ワシはその任侠でここまでのし上がってきた!
プンプン
手島「跡目を継ぐ奴は親の意志まで継がなあかん!
プンプン

手島が吉田を見て、
手島「意志を無視する奴とは、もう子供でも、親でもない
プンプン
手島「お前は今日限りで波紋や!
プンプン

吉田「破門…!、…もう、終いや

手島「カタギになれ!
プンプン
吉田「カタギになるくらいなら死んだ方がマシや!
えー
手島「甘ったれんな!!
ムキー

手島「人間、生きることに意味がある!
プンプン
手島「どんなことがあっても生きて、生きて、生き抜いて、」
手島「生きて罪を償うんや!」

 

手島が優しい口調で、
手島「…わかったな?」
吉田「親父…(涙)」

玉置が吉田に対し、
玉置「行くぞ!」


吉田が連行されていった。

 

 

その23に続く