⒐
⑴
吉田が景子を人質にした状況が続く。
翔太が前に出る。
翔太「僕が人質になる!」
景子「翔太君、危ないから来ないで!」
翔太「景子ちゃんのお腹の子は僕が守る!」
シゲ「翔太君、よう言うた」
シゲ「かっこよかった!」
シゲ「下がってくれ。ワシが助けたる」
客席の子供から「茂造、頑張れー!」の声が起こる。
シゲ「今はシゲオやで。(苦笑)」
⑵
シゲオが吉田に対し、
シゲ「それに比べて、お前はカッコ悪い」
シゲ「関係無い少女に危害を加えようとして」
シゲ「そんな、お前にはこうや!、チーン!」
と、シゲオがベッドを叩く。
すると、歯が剣山になった茂造の大きな顔が上手端壁から現れ、吉田が腰を抜かす。
隙を見て、景子が下手に戻ってくる。
客席は盛り上がっているが、舞台上では皆が動揺している
シゲオが吉田に対し、
シゲ「…撃つな。ちょっとだけ時間をくれ。(苦笑)」
アキコが景子を吉田のもとに戻す。
アキ「そっちに行けよ!」
仕掛けもゆっくり元に戻る。
長時間舞台に立ち続けた疲れからか、
シゲオは台本に無い行動を取り、仕掛けを発動させてしまったよう。
シゲオが吉田に対し、
シゲ「いろいろソーリー」
吉田「いいよ」
アキコが一歩前に出て、吉田に言い直しを求めるように、
アキ「いぃよぉ~」
吉田が言い直す。
吉田「いぃよぉ~」
シゲ「男前が言うたら、腹立つわ!(苦笑)」
シゲ「ワシもそんな顔に生まれたかった」
シゲ「子供の頃、矯正して、これや。(苦笑)」
吉田「ほな、生まれ変われ!」
シゲ「生まれ変わってもこの顔かもしれんし」
シゲ「…お前、自分がイケメンやって認めたな。(苦笑)」
⑶
場面のやり直し。
シゲオが吉田に対し、
シゲ「それに比べて、お前はカッコ悪い」
シゲ「関係無い少女に危害を加えようとして」
⑴
吉田が景子を人質にした状況が続く。
翔太が前に出る。
翔太「僕が人質になる!」
景子「翔太君、危ないから来ないで!」
翔太「景子ちゃんのお腹の子は僕が守る!」
シゲ「翔太君、よう言うた」
シゲ「かっこよかった!」
シゲ「下がってくれ。ワシが助けたる」
客席の子供から「茂造、頑張れー!」の声が起こる。
シゲ「今はシゲオやで。(苦笑)」
⑵
シゲオが吉田に対し、
シゲ「それに比べて、お前はカッコ悪い」
シゲ「関係無い少女に危害を加えようとして」
シゲ「そんな、お前にはこうや!、チーン!」
と、シゲオがベッドを叩く。
すると、歯が剣山になった茂造の大きな顔が上手端壁から現れ、吉田が腰を抜かす。
隙を見て、景子が下手に戻ってくる。
客席は盛り上がっているが、舞台上では皆が動揺している
シゲオが吉田に対し、
シゲ「…撃つな。ちょっとだけ時間をくれ。(苦笑)」
アキコが景子を吉田のもとに戻す。
アキ「そっちに行けよ!」
仕掛けもゆっくり元に戻る。
長時間舞台に立ち続けた疲れからか、
シゲオは台本に無い行動を取り、仕掛けを発動させてしまったよう。
シゲオが吉田に対し、
シゲ「いろいろソーリー」
吉田「いいよ」
アキコが一歩前に出て、吉田に言い直しを求めるように、
アキ「いぃよぉ~」
吉田が言い直す。
吉田「いぃよぉ~」
シゲ「男前が言うたら、腹立つわ!(苦笑)」
シゲ「ワシもそんな顔に生まれたかった」
シゲ「子供の頃、矯正して、これや。(苦笑)」
吉田「ほな、生まれ変われ!」
シゲ「生まれ変わってもこの顔かもしれんし」
シゲ「…お前、自分がイケメンやって認めたな。(苦笑)」
⑶
場面のやり直し。
シゲオが吉田に対し、
シゲ「それに比べて、お前はカッコ悪い」
シゲ「関係無い少女に危害を加えようとして」
シゲ「お前の目的は何や?…組長の命ちゃうんか?」
シゲ「今から、組長が命を差し出すように説得する」
サキ「そんなの許さない!」
シゲ「下がってて!」
と、サキのお腹を『ポンッ!』と良い音をさせながら叩く。
シゲオが吉田に対し、
シゲ「今の音に免じて、少し説得する時間をくれ」
吉田「少しだけやぞ!」
⑷
病室扉付近に皆が集合する。
シゲ「花ちゃん、リハビリ用のボールを持ってきてくれ!」
花子がナース室に向かう。
シゲ「(上手端の)壁の上側に花のマークが見えるやろ?」
マークが点滅する。
シゲ「あの花にボールを当てたら、仕掛けが発動して、助けられる」
大島「いつの間に作ったんですか!?」
高井「ボール、誰が投げるんですか?」
シゲ「畑、お前しかおらん!」
飛澤「畑、行くんや!」
ピ畑「分かった!」
花子がボールの入ったケースを持ち、戻ってくる。
シゲ「わしが相手を引きつけるから、『今や!』言うたら投げてくれ!」
⑸
シゲオが吉田に対し、
シゲ「組長、命を差し出すみた…今や!」
畑が花のマークに向けて、ボールを投げる。
なかなか当たらず、シゲオや皆が投げ始める。
ボールが客席に転がる。
シゲオが観客に対し、
シゲ「ボールを頂けますか?」
舞台と客席の境界線を無くす、らしい場面。
シゲオが投げていると、観客がボールを舞台に戻そうと投げ入れ、
シゲオに当たる。
シゲ「別のゲームになってる。(苦笑)」
アキコが吉田の足元までボールを拾いに行く。
吉田「近い、近い!」
そのまま景子を助けられそうなものだが、ボールを持ち戻ってくる、アキコ。
シゲオが遂に的にボールを当てて、拳を突き上げ、仕掛けを発動させる。
吉田が腰を抜かし、隙を見て、景子が下手に戻ってくる。
このタイミングで、最前列の客がトイレに向かう。
シゲ「畑、お前しかおらん!」
飛澤「畑、行くんや!」
ピ畑「分かった!」
花子がボールの入ったケースを持ち、戻ってくる。
シゲ「わしが相手を引きつけるから、『今や!』言うたら投げてくれ!」
⑸
シゲオが吉田に対し、
シゲ「組長、命を差し出すみた…今や!」
畑が花のマークに向けて、ボールを投げる。
なかなか当たらず、シゲオや皆が投げ始める。
ボールが客席に転がる。
シゲオが観客に対し、
シゲ「ボールを頂けますか?」
舞台と客席の境界線を無くす、らしい場面。
シゲオが投げていると、観客がボールを舞台に戻そうと投げ入れ、
シゲオに当たる。
シゲ「別のゲームになってる。(苦笑)」
アキコが吉田の足元までボールを拾いに行く。
吉田「近い、近い!」
そのまま景子を助けられそうなものだが、ボールを持ち戻ってくる、アキコ。
シゲオが遂に的にボールを当てて、拳を突き上げ、仕掛けを発動させる。
吉田が腰を抜かし、隙を見て、景子が下手に戻ってくる。
このタイミングで、最前列の客がトイレに向かう。
シゲオがトイレに向かう観客の背中に対し、
シゲ「当たったん見たら、安心したんですね?」
シゲオが「チーン!」と言いながらベッドを叩き、仕掛けを元に戻す。
⑹
起き上がった吉田がシゲオに対し、
吉田「お前だけは許さん!」
と、拳銃を向ける。
シゲ「ワシを本気で怒らせたな」
ベッドの間に置かれた膝の高さほどのテーブルを持つ、シゲオ。
シゲ「お前がワシを撃ち殺すのが先か、ワシがお前を倒すのが先か」
シゲ「茂造~!、…ちゃう」
シゲ「シゲオ~!、テーブルキック!」
シゲオがテーブルを押すように蹴り、吉田の膝に当てる。
吉田が激痛で倒れこむ。
吉田「ホンマに痛いやつやないか!」
⑺
警官・玉置が現れる。
玉置「そこまでや!」
清水「タイミングええなあ!」
玉置「そこでずっと見てました」
その時、シゲオが笑い出す。
シゲ「アハハハハ!」
演者皆がシゲオに注目する。
シゲオが観客に対し、
シゲ「千穐楽やから、言います。(苦笑)」
シゲ「テーブルキックは、普段、受け手はサッカーのサポーターを着けています」
シゲ「当たっても痛くないようにしています」
シゲ「それが吉田が今、小声で言うてました。『着け忘れたっ!』って」
玉置が吉田に近付く。
玉置「吉田、確保!」
シゲ「今日は足を負傷したから、逃げられんと思います」
玉置「殺人未遂の容疑で逮捕する!」
⑻
玉置が吉田を連行しようとして、
MRカンパニーのレイと椎森に目が行く。
玉置「お前ら、MRカンパニーのレイと椎森!」
シゲ「知ってるんですか?」
玉置「過去に恐喝罪で服役しているんです!」
玉置がレイたちに、
玉置「お前ら、まさか…!」
レイ「知り合いの見舞いに来ただけです」
レイが逃げ去る。
椎森も病室から去ろうとして、シゲオが止める。
シゲ「茂造じいさん、知ってるな?」
もり「…無茶振りジジイか」
シゲ「ワシ、茂造じいさんと大親友でな。LINEでお前にメッセージが来てる」
シゲ「今から読むな?」
と、スマホを取り出す。
シゲ『お前は面白い頭をしてくると、ワシと約束したはずや』
シゲ『だが、お前はまだ結果を出していない』
シゲ『そこで、お前に試練を与える』
シゲ『ストーリーで終わることもできた』
シゲ『しかし、今回はお前の頭の大爆笑で幕を閉じることにする』
もり「言うてる意味が分からん」
⑼
シゲ「お前のファンからも来てる」
シゲ『初めて手紙を書きます』
シゲ『私はカツラを被ったお兄ちゃんが大好きです』
シゲ『追い込まれて、カツラで大爆笑を取るところが楽しいです』
シゲ『でも、最近、見てないです』
シゲ『また、見たいです』
シゲ「5歳の女の子からや」
椎森は、ファンからの手紙は本当なのか、シゲオのスマホを覗き込もうとし、
シゲ「当たったん見たら、安心したんですね?」
シゲオが「チーン!」と言いながらベッドを叩き、仕掛けを元に戻す。
⑹
起き上がった吉田がシゲオに対し、
吉田「お前だけは許さん!」
と、拳銃を向ける。
シゲ「ワシを本気で怒らせたな」
ベッドの間に置かれた膝の高さほどのテーブルを持つ、シゲオ。
シゲ「お前がワシを撃ち殺すのが先か、ワシがお前を倒すのが先か」
シゲ「茂造~!、…ちゃう」
シゲ「シゲオ~!、テーブルキック!」
シゲオがテーブルを押すように蹴り、吉田の膝に当てる。
吉田が激痛で倒れこむ。
吉田「ホンマに痛いやつやないか!」
⑺
警官・玉置が現れる。
玉置「そこまでや!」
清水「タイミングええなあ!」
玉置「そこでずっと見てました」
その時、シゲオが笑い出す。
シゲ「アハハハハ!」
演者皆がシゲオに注目する。
シゲオが観客に対し、
シゲ「千穐楽やから、言います。(苦笑)」
シゲ「テーブルキックは、普段、受け手はサッカーのサポーターを着けています」
シゲ「当たっても痛くないようにしています」
シゲ「それが吉田が今、小声で言うてました。『着け忘れたっ!』って」
玉置が吉田に近付く。
玉置「吉田、確保!」
シゲ「今日は足を負傷したから、逃げられんと思います」
玉置「殺人未遂の容疑で逮捕する!」
⑻
玉置が吉田を連行しようとして、
MRカンパニーのレイと椎森に目が行く。
玉置「お前ら、MRカンパニーのレイと椎森!」
シゲ「知ってるんですか?」
玉置「過去に恐喝罪で服役しているんです!」
玉置がレイたちに、
玉置「お前ら、まさか…!」
レイ「知り合いの見舞いに来ただけです」
レイが逃げ去る。
椎森も病室から去ろうとして、シゲオが止める。
シゲ「茂造じいさん、知ってるな?」
もり「…無茶振りジジイか」
シゲ「ワシ、茂造じいさんと大親友でな。LINEでお前にメッセージが来てる」
シゲ「今から読むな?」
と、スマホを取り出す。
シゲ『お前は面白い頭をしてくると、ワシと約束したはずや』
シゲ『だが、お前はまだ結果を出していない』
シゲ『そこで、お前に試練を与える』
シゲ『ストーリーで終わることもできた』
シゲ『しかし、今回はお前の頭の大爆笑で幕を閉じることにする』
もり「言うてる意味が分からん」
⑼
シゲ「お前のファンからも来てる」
シゲ『初めて手紙を書きます』
シゲ『私はカツラを被ったお兄ちゃんが大好きです』
シゲ『追い込まれて、カツラで大爆笑を取るところが楽しいです』
シゲ『でも、最近、見てないです』
シゲ『また、見たいです』
シゲ「5歳の女の子からや」
椎森は、ファンからの手紙は本当なのか、シゲオのスマホを覗き込もうとし、
慌ててシゲオが隠す。
ファンからの手紙に、椎森の気持ちにスイッチが入る。
もり「茂造さんにLINEで伝えておいてください」
もり「『俺が第二の茂造になる!』、と」
ファンからの手紙に、椎森の気持ちにスイッチが入る。
もり「茂造さんにLINEで伝えておいてください」
もり「『俺が第二の茂造になる!』、と」
客席から「おおーっ!」とどよめきが起こる。
椎森が去っていった。
シゲ「あいつ、自分からハードルを上げたな。(苦笑)」
⒑
⑴
玉置「行くぞ!」
玉置が吉田を連行していく。
病室のドアの前まで来たところで、手島が玉置に対し、
手島「待ってくれ!」
玉置「…」
玉置「手短にな」
玉置が吉田から離れ、手島と話す時間を与える。
⑵
手島が吉田から目を外し、客席の方を見ながら、吉田に語り掛ける。
手島「吉田。お前が俺のところに来たのは、15歳の時やった」
手島「ヤンチャでギラギラしていて、エネルギーに溢れていた」
手島「ワシは、そんなお前に礼儀を教え込んだ」
手島「本当の息子のように育ててきたつもりやった…」
手島「…悲しいのう」
手島「任侠はもう古い、か」
手島「ワシはその任侠でここまでのし上がってきた!」
手島「跡目を継ぐ奴は親の意志まで継がなあかん!」
手島が吉田を見て、
手島「意志を無視する奴とは、もう子供でも、親でもない」
手島「お前は今日限りで波紋や!」
吉田「破門…!、…もう、終いや」
手島「カタギになれ!」
吉田「カタギになるくらいなら死んだ方がマシや!」
手島「甘ったれんな!!」
手島「人間、生きることに意味がある!」
手島「どんなことがあっても生きて、生きて、生き抜いて、」
手島「生きて罪を償うんや!」
病室のドアの前まで来たところで、手島が玉置に対し、
手島「待ってくれ!」
玉置「…」
玉置「手短にな」
玉置が吉田から離れ、手島と話す時間を与える。
⑵
手島が吉田から目を外し、客席の方を見ながら、吉田に語り掛ける。
手島「吉田。お前が俺のところに来たのは、15歳の時やった」
手島「ヤンチャでギラギラしていて、エネルギーに溢れていた」
手島「ワシは、そんなお前に礼儀を教え込んだ」
手島「本当の息子のように育ててきたつもりやった…」
手島「…悲しいのう」
手島「任侠はもう古い、か」
手島「ワシはその任侠でここまでのし上がってきた!」
手島「跡目を継ぐ奴は親の意志まで継がなあかん!」
手島が吉田を見て、
手島「意志を無視する奴とは、もう子供でも、親でもない」
手島「お前は今日限りで波紋や!」
吉田「破門…!、…もう、終いや」
手島「カタギになれ!」
吉田「カタギになるくらいなら死んだ方がマシや!」
手島「甘ったれんな!!」
手島「人間、生きることに意味がある!」
手島「どんなことがあっても生きて、生きて、生き抜いて、」
手島「生きて罪を償うんや!」
手島が優しい口調で、
手島「…わかったな?」
吉田「親父…(涙)」
玉置が吉田に対し、
玉置「行くぞ!」
吉田が連行されていった。
その23に続く