高井が花子を叱っていると、
中央奥通路から、橙色の作務衣を着た女将の靖子(高橋靖子)が現れる。

靖子「騒がしいけど、どうかしたの?」
高井「花子さんがサボって、遅刻したんです!」
高井「クビにしましょう!プンプン
花子「女将さん、すみません!アセアセ
靖子「花子さんも、反省しているみたいだし、大目に見てあげてましょ?」
高井「女将さんは優しすぎますって!タラー

高井が花子に対し、
高井「今回だけやぞ!プンプン


花子には困り事がある様子。
花子「あの、女将さん、お願いがあるんですけど…アセアセ
靖子「何?」
花子「仕事の時は、小学一年生の息子を預けているんです」
花子「でも、いつも預かってくれている人が今日から旅行で…」
花子「仕事の間、ここで預かっていただけませんか?」
花子は、本当は託児所をあちこち探して回って、遅刻したのかもしれない。

高井「花子さん、何を言うてるんですか!プンプン
高井「仕事とプライベートはきっちりわけないと」
高井「仕事場で子供がうろちょろしていたら、師匠が怒りますよ!」

靖子「大丈夫よ照れ


高井「女将さんがそう言うなら…タラー

花子の息子を花月堂で預かることにする。


靖子「で、息子さんはどこに…?」
花子「外で待たせてます」

花子「こっちよ!爆  笑
と、店先に呼びかける。

高井「小1なら、可愛いんやろな…照れ

花子に呼ばれ、
下手袖から、花子の息子で小学一年生の諸太郎(諸見里大介)が勢いよく登場する。
190cm近い身長は非常に舞台映えし、客席が大きく沸く爆  笑拍手

諸太郎はランドセルを背負い、黄色の帽子を被り、
短パン半シャツで小学生らしい格好をしている。

諸太郎のあまりの大きさに、高井が
高井「これ、小1!?びっくりアセアセ


補足。
吉本新喜劇を観ていて、毎回、思うことですが、
出演者を一人一人目立たせるための『お約束』とはいえ、
一緒に来ておいて、(特に子供を)離れた場所で待機させる演出は不思議ですね。


花子が諸太郎に対し、
花子「皆さんに自己紹介して?」

この場面は高井が応対する。
諸見「しゅしゅしゅしゅしゅっしゅ えしゅ!口笛笑い泣き
高井「『えしゅ!』しか、分からん!アセアセ

高井「だいぶ、滑舌が悪いなタラー
諸見「しょんなに、かちゅじぇちゅ悪いでしゅか?」
諸見「はちゅみみ~(=初耳)口笛笑い泣き

ここからは、サ行ネタの場面。
サ行を飛ばし、タ行を言う、諸太郎。
高井「サ行、飛ばしたらあかん!」
諸見「まだ習ってへんからアセアセ
高井「タ行、習ってるやん!」
諸見「フッフッフッフッチュー
諸太郎が肩を大きく上げ下げして笑い出す。 笑い泣き

 

高井「怖い、怖いっ!アセアセ

諸太郎は笑いながら高井を指差し、花子と一緒に、両手を自分の顔周りから広げ、

『高井の顔の大きさ』をアピールする。 笑い泣き
高井「でかない!、笑うな!アセアセ笑い泣き


諸太郎が自己紹介し直す。
諸見「一年しゃん組しゃんじゅうしゃん番、諸太郎でしゅ!」
高井「一年3組33組の諸太郎君…だんだん分かるようになってきた」


注記。
ここからは、諸太郎の喋りが理解できるようになったものとして、
例外を除き、一般的な喋り方で記載いたします。
実際には、多少『しゃしぃしゅしぇしょ』になっています。


靖子「諸太郎君、よろしくね!ニコニコ
諸見「よろしくお願いしましゅ!ニコニコ

高井「諸太郎君はどこの小学校?ニコニコ
諸見「初対面の奴に教えるわけないやろ。ちょっとは考えろや!えー
諸太郎が態度を一変させ、目を見開きながら自分の頭を指して、
まるでヒール役のプロレスラーのように高井を挑発するニヤリ笑い泣き


靖子と花子が仕事の準備のため、上手端通路に消え、
諸太郎と高井、二人になる。

 

 



諸太郎と高井、二人。
高井「それにしても、大きいなあ。何cm?」
諸見「…えー
高井を無視する、諸太郎。
高井「何cmって、聞いてるやろ!」
諸見「お母しゃんに『知らない人と喋っちゃダメ』って言われてるえー
諸見「まだ自己紹介されてないから…えー

高井「ごめん。自己紹介するわ」
高井「ここの職人の高井俊彦ですニコニコ
諸見「ここの食品のかたいおしんこ?ニヤリ笑い泣き
高井「大根やん!、和菓子と違うてもうてるやん!」 笑い泣き
諸見「ほな、Qちゃん?ニヤリ
高井「Qちゃんでもない!(苦笑)」

高井「たかい としひこ!アセアセ
諸見「かたい おしんこ?ニヤリ笑い泣き
高井「滑舌だけじゃなくて、耳も悪いんか?」
諸見「(耳も悪いって)終わってるやろ?(苦笑)」
高井「自分で言うな!」 笑い泣き

諸見「冗談。高井しゃんね?ウインク


諸太郎がショーケースに行き、並べられた和菓子の箱を触る。
高井「売りもんに触ったらあかん!アセアセ

諸太郎が今度は、上手奥の調理台を触る。
高井「お菓子を作るところやから、触ったらあかん!アセアセ

諸太郎が客席の下手側上方を指差す。
諸見「あっ!左差しびっくり
すると、高井が指し示した方を見る。

…が、なにがあるわけでもなく、
諸見「♪アホが見ーるー 豚のけーつーニヤリ笑い泣き

高井「…えー
高井「何なん!?」
諸見「人間ニヤリ笑い泣き

高井「これやから子供は嫌やねん!プンプン


諸太郎が調理台にある棒のようなものを手に取る。
諸見「耳かきかな?ニコニコ
高井「触るな!プンプンアセアセ
高井「それは『三角棒』言うて、和菓子の形を整える道具や」
高井「先先代から大切にしている、二度と手に入らんもんなんや」

諸見「絶対『あかん』って言うと思うけど、メルカリで売っていい?ウインク
高井「絶対、あかん!」


高井「結論が分かっているのに、聞くな!プンプン


諸太郎はまたショーケースに移動し、豆大福を掴んで食べる。
諸見「めっちゃ美味いなチュー
高井「何、勝手に食うとんねん!アセアセ

高井「それに、豆を床にポロポロと落として、だらしないタラー
高井「店で歩きながら食べたらあかんぞ!」

諸太郎は手に付いた粉を自分の服で拭き取ろうとする。
高井「拭くな!」
すると、諸太郎は高井の作務衣で拭き取ろうとする。 笑い泣き
高井「何してんねん!アセアセ

高井「勝手しとったら、師匠に怒られるぞ!プンプン

 
 
その4に続く