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⑴
藍五郎と新名が安世の話をしていると、
下手袖から郵便局員の岡田(Mr.オクレ)が現れる。
岡田は消え入るような声で、
岡田「…こんにちは~」
酒井「なんや、このおっさん!?」
岡田が郵便局員であることを伝える。
岡田「安世ちゃんに郵便…と」
岡田が喫茶店前のポストに郵便物を入れる。
岡田が上手袖に向かう。
上手端で立ち止まり、
岡田「あっ、そうや」
と藍五郎たちの方を振り返り、
岡田「アホ~」
岡田が去っていった。
⑵
新名が見張る中、藍五郎が郵便物を取り出す。
藍五郎がハガキを見て、
酒井「えっ!?、ちょっと!」
新名「犯人からか!」
酒井「安世さん、免許更新月です!」
新名「その情報、要らん!」
また、藍五郎がハガキを見て、
酒井「えっ!?、ちょっと!」
酒井「祇園ホテルに来いって!」
新名「えっ!」
酒井「友人が結婚するみたいです!」
新名「結婚式の招待状やないか!」
藍五郎が幾つか手紙やハガキを見て、
酒井「残りは安世さん宛てちゃいます」
酒井「『安世LOVE』書いてるくらいっす」
新名「安世ちゃん宛てや!」
藍五郎が手紙を読む。
酒井『毎日、安世のことを考えたら、夜も眠れない』
酒井『すぐに会いにいく』
酒井「…気持ち悪っ」
⑶
新名が下手袖を見て、人影に気付く。
新名「安世ちゃんが帰ってきた!」
藍五郎が手紙類をポストに戻す前に、安世が帰ってきてしまう。
酒井「安世さん、郵便物です」
安世「…えっ?」
首を傾げながら、藍五郎から郵便物を受け取る。
なんとか、誤魔化し切る、二人。
⑷
安世が手紙を見て、
安世「またっ…!」
安世が手紙を叩きつけるようにゴミ箱に捨てる。
⑸
郵便局員・岡田が上手袖から戻ってきて、ゴミ箱を見る。
岡田「また、捨てられとるやないか。…ワシのラブレター」
手紙の送り主は犯人・太田ではなく、岡田だった。
安世が岡田に対し、
安世「その手紙、あなただったんですか!」
安世「何度も何度も、ストーカーみたいに!」
安世「やめてください!」
⑹
岡田が安世に近づく。
岡田「僕とデートしましょ?」
岡田「デートしたら、僕の良さが分かるから」
岡田が安世の腕を掴み、下手袖に無理矢理連れて行こうとする。
(←岡田・安世←新名←藍五郎、という立ち位置で)
新名「手を離せ!」
新名が岡田と安世の間に入ろうとする。
しかし、岡田はなかなか安世から手を離さない。
すると、藍五郎が三人の間に入ろうとする。
酒井「離せ、言うてるやろ!」
何故か、新名を突き飛ばす、藍五郎。
(岡田→←安世・藍五郎、→→突き飛ばされる新名という状況)
新名が上手方向に吹き飛び、倒れこみ、
『グキッ!』っと骨が折れる音がする。
新名「…っ!」
右腕を痛そうにする、新名。
新名「どうしてくれるんや…っ!」
藍五郎が新名の方を振り返り、
酒井「先輩、誰にやられたんですか!?」
新名「お前やっ!!、もうーっ!」
暗転
その5に続く