裕・めだか・安尾、三人。

吉田「100万、どこ行ったんや!?」
めだ「裕、ワシはお前を信じてる!えー笑い泣き
吉田「目が疑っとるやないか!アセアセ

裕は母親の遺影の裏を三百万円の隠し場所にしていたよう。
めだ「えっ?キョロキョロ、…ワシのヘソクリ場所やないか」 笑い泣き
めだ「お金があったから、なんぼか使うたわ。(苦笑)」
吉田「お父ちゃんが使うたんか!アセアセ笑い泣き

吉田「何に100万も使うたんや!?」
めだ「…お好み焼きとか」 笑い泣き 
吉田「食べすぎやろ!」
安尾「使うたん、一人ちゃうで。俺も一緒に使うた口笛
安尾「『遺影』の裏にお金を発見して、『イェーイ!』って爆  笑


吉田「ダジャレかい!」

 

吉田「二人して使い込むって、何考えてんや!プンプン


吉田「僕がお母さんに説明します!プンプン
安尾「あかんて。今度は『父親に問題あり』ってなるタラー


吉田「なんか、ええ方法、ないかな?」

 

安尾が何か案を思い付いたように手を叩く拍手
吉田・めだ「…!キョロキョロ
安尾「いい方法、思い付いた!びっくり…ら、よかったのに…口笛笑い泣き
吉田「何も思い付いてないんかい!」
安尾「何も思い付いてないです口笛笑い泣き


裕がめだかに対し、
吉田「お父ちゃんが使い込んだんやから、100万、お父ちゃんが出してくれプンプン
めだ「無いから、無理やタラー

安尾「俺も出したないえー笑い泣き
吉田「出せや!ムキーアセアセ、使い込んだんやから!」


めだかが案を思い付く。
めだ「そや、裏に済んでるお爺さんに協力してもらおう!」
めだ「最近、持ち家が高く売れたって言うてたし」
安尾「あの人、裕君が子供の頃から可愛がっていたから、お金を貸してくれそうですね」

隣人から100万円を貸してもらうことに誰も違和感を抱かず、
結婚資金の話が出てから不自然な展開が続く。

 

 



裕・めだか・安尾が裏に住む老人のことを話していると、
その老人、白髪混じりの今別府(今別府直之)が悔しがりながら現れる。

今別府は声のボリュームを上げつつ、はっきり、丁寧に、
今別「ちきしょー!ガーン
今別「ちきしょー!ガーン
今別「ちきしょー!!ガーン

吉田「…こんなにはっきり『ちきしょー』を言う人、初めて見た。(苦笑)」 笑い泣き

吉田「今別府さん、どうしたんですか?」
今別「昨日、オレオレ詐欺に遭ったんや!アセアセ
吉田「えーっ!びっくりアセアセ


吉田「取り敢えず、座ってください」
今別府がテーブル周りの椅子に座る。

今別「電話が掛かってきて、」
今別「『息子や!会社に一千万損失を出してもうたっ!親父頼む!』って」
今別「上司にお金を渡したら、その後、何の連絡も無い」

今別「朝起きて、気付いたんや…『俺、息子おらへん』ってタラー笑い泣き
吉田「なんで騙されたんや!」

今別「老後の蓄えがパーやーっ!(泣)」


裕が独り言のように、
吉田「…今別府さんにはお願いできへんなタラー

裕の声は今別府に聞こえていたようで、
今別「…お願いって言うのは?」
吉田「結婚資金が100万足りなくて…」
今別「裕君のためやったら、貸したのに…ショボーン

吉田「それより、今別府さんの善意を裏切った詐欺師が許せないです!プンプン

 

一方、めだかは今別府のことを見下す。
めだ「平成が終わる今、オレオレ詐欺にかかるって…(苦笑)」
めだ「TVでも、しょっちゅう報道してるのにニヤリ
めだ「ワシはオレオレ詐欺には掛からんニヤリ


その時、お店に電話が掛かってくる。
めだかが受話器を取る。
めだ「はい、もしもし。…どちらさん?」
めだ「…裕か!?」
めだ「…会社に一千万の損失を出して、クビになりそう!?びっくりアセアセ
めだ「俺が出す!アセアセ笑い泣き
めだ「…上司がお金を取りに来る?、…分かった!アセアセ
めだかが電話を切る。

めだかが慌てながら『裕』・安尾・今別府たちに、
めだ「裕がエライことになった!ガーンアセアセ笑い泣き

吉田「俺、ここにおる!」
吉田「お父ちゃんも引っかかっとるやないかタラー


安尾「今別府さんから聞いた手口と一緒ですね」
吉田「さすがに偶然ですよ」
今別「私と同じなら、別の男から住所確認の連絡が来るはずです」

その時、お店に電話が掛かってきて、今別府が受話器を取る。

この場面は相手の男(新名徹郎)の声も観客に聞こえる。
今別「もしもし?どちらさん?」
新名『息子さんの会社の上司です』

今別府が受話器に手のひらで蓋をし、裕達に小声で、
今別「昨日と同じ声や!びっくり
吉田「ここに呼んで、取り返しましょ!」

今別府が電話の相手に、
今別「一千万、出せます」
と、花月うどん店の住所を教える。
新名『15分で伺います』
今別府が電話を切る。


吉田「取っ捕まえて、ボコボコにしましょう!」
めだ「でも、強かったら…アセアセ
安尾「武器やったら、店(=ギオンスポーツ)にいっぱいあります!」

四人が武装しに、舞台下手端のギオンスポーツに入っていく。


誰も居ないロビー。

裕の上司・烏川が祝儀袋を持ち、戻ってくる。
烏川「あれ?、誰もおれへんな…キョロキョロ

烏川「トイレ、借りよか」
烏川が上手端通路に消える。


裕達四人がギオンスポーツから戻ってくる。

めだかはボクシンググローブをはめ、
安尾は剣道の格好をし、
今別府はフェンシングの格好をしている。
裕は卓球のラケットを持っている。

特に今別府の格好がおかしく、
吉田「下、ももひきって!」
吉田「マスクに顔が収まってないし」

今別「裕君こそ、卓球のラケットって!」
吉田「…確かに、弱すぎる。別のものに替えてきます」
裕がギオンスポーツに急いで入っていった。


トイレを終えた烏川が上手端通路から現れる。
烏川「ふぅ、スッキリした照れ

めだか・安尾・今別府が烏川を凝視する。
烏川「…何?キョロキョロ
安尾「どちらさん?」
烏川「裕君の上司ですニコニコ

安尾「詐欺の上司か!プンプン笑い泣き

烏川「…?キョロキョロ
めだか・安尾・今別府が一斉に烏川に襲い掛かる。
めだかはボクシンググローブで叩き、
安尾は竹刀で叩き、
今別府はフルーレで突く。
烏川「痛い!、痛い!アセアセ

烏川の叫び声を聞き、裕がギオンスポーツから飛び出してくる。
吉田「何、やってんや!びっくりアセアセ

めだ「みんなで詐欺師をボコボコにしてるとこやニヤリ

吉田「ほんまもんの上司や!アセアセ

 

めだ・安尾・今別「…キョロキョロアセアセ
攻撃を止める、三人。

安尾「練習終了~!口笛笑い泣き

吉田「嘘つけっ!!アセアセ


暗転


その5に続く