⒕
⑴
誰も居ないところに、手配書に写っていた銀行強盗の二人組、
タックル(タックルながい。)と筒井(筒井亜由貴)が現れる。
二人はいかにも強盗風の全身黒ジャージを着ている。
タ「銀行強盗に失敗するとはな…
」
タ「街は警察だらけやし…」
筒井が舞台上手奥通路と調理場を覗く。
筒「誰も居てないみたいですね」
タ「よっしゃ。ここで逃走用の資金を調達しよう」
と、二人で調理場に入っていく。
⑵
信濃が戻ってくる。
信「おらん。皆、どこ行ったんやろ?」
あき恵も遅れて戻ってくる。
信「あっ、あき恵ちゃん!…テツとマスターは?」
あ「二人とも居てない」
その時、調理場から『ドンッ!』という物音が響く。
信「えっ?何?…テツ?
」
信濃とあき恵が調理場を覗き込むと、覆面を被ったタックルと筒井が現れる。
タ「強盗や!
」
信濃は覆面をした二人をテツ・安尾と勘違いし、
信「芝居、やってくれるんか!
」 ![]()
信「服まで完璧やないか!
」
信濃がタックルに近づこうとすると、
タ「ぶち殺すぞ!
」
と、ナイフを取り出し、威嚇する
信「俺ちゃうやろ!俺を刺してどうすんねん!![]()
」 ![]()
タ「…?」
信濃はテツ達が芝居を覚えていないと勘違いしている様子。
タ「俺は銀行強盗や!
」
信「それは分かってる!![]()
」 ![]()
タ「…?」
タックルがあき恵にナイフを向ける。
タ「逃走用の金を用意せえ!さもないと、この女がどうなってもしらんぞ!
」
信「あき恵ちゃんは練習の時だけや!![]()
」 ![]()
タ「…?」
⑶
喫茶店から珠代と安世が現れる。
珠「マスターは?」
信濃が安世を指しながら、タックルに指示する。
信「早よ、人質に取れよ!![]()
」 ![]()
タ「えっ!?![]()
」
タックルが首を傾げながら、珠代を人質に取る。
信「そっち、ちゃう!
」 ![]()
タ「…?」
タックルが安世を人質に取り直す。
信「その子を放せ!
」 ![]()
![]()
タ「お前が『人質に取れ』言うたんやないか!」 ![]()
信「その子は俺にとって大切な人なんや!
」
タ「何、訳のわからんこと言うとんや!?」
タックルが刺しかからないため、信濃は腹部をアピールしながら、
信「早よ、俺を刺せや!![]()
」 ![]()
タ「…?」
タックルが首を傾げながら、信濃に刺し掛かる。
信濃がタックルの攻撃をガードし、殴り返そうとするが、
タックルも信濃の攻撃をガードし、タックルが信濃を殴り倒す。
信「痛っ!…何、してんねん!?
」
その様子を見たあき恵がタックルに対し、
あ「もう、やめてよ!私のことは諦めて!![]()
」 ![]()
⑷
そこに、テツと安尾が戻ってくる。
新「あき恵ちゃんのこと、やっぱり諦められへん!
」
安「俺も諦められへん!
」
信・あ「えっ!?
」
信濃は覆面をしたタックル達を見て、
信「ほな、誰やこれ!?
」
と、二人の覆面を剥ぐ。
信濃はタックルと筒井の顔を見て、
信「手配書の…っ!本物の強盗やん!![]()
」
タックル達が改めて安世を人質に取り、舞台上手に立つ。
⑸
警察官の浜と瀧見が現れる。
状況を把握すると、
チ「異常な~し!![]()
」
と、二人は逃げるように去っていった。
⑹
珠代がタックル達に対し、
珠「はなしなさいよ!
」
珠代が筒井に近づき、肩に顔を寄せ、
珠「好き~
」
筒「うわっ!やめろっ!
」
珠代はタックルにも近づくが、タックルの顔を見て、
珠「…」
珠「ヤダ~![]()
」
と、何もせず、舞台下手に戻ってくる。 ![]()
信「珠代さん、何してるんですか!
」
⑺
あき恵がタックル達に怒る。
あ「安世を傷付けたら許さないから!
」
あ「大切な人が悲しむのは耐えられないの!
」
タ「何、訳のわからんこと言うとんや!」
あ「分からなくていいわよ!
」
タ「女やからって、容赦せんぞ!
」
タックルがあき恵にナイフで刺し掛かろうとすると、
あき恵が鼻をかむように鼻油を床に飛ばす。 ![]()
すると、タックルが豪快に転ぶ。 ![]()
筒井もあき恵に襲いかかるが、鼻油まみれの床で転び、
何故かブレイクダンスのターンを始め、客席が沸く![]()
⑻
チ「よーし!そこまでや!
」
都合良く、浜と瀧見が現れ、入り口近くで犯人を確保した。
瀧見が浜に対し、
瀧「浜さん、署に連絡してきてください!
」
浜が先に店を出ていった。
瀧見はタックルと筒井を取り押さえた状態で、
店内の入り口付近で待機する。
※
補足
「署に連絡」は本来なら無線機で済む場面で、
実質的には、チャーリーさんを先に退場させ、楽屋で休んでもらうためのセリフでしょうか。