⒐
⑴
裕と安尾は、何とか覆面三人を捕まえたようで、
三人を連れてロビーに戻ってくる。
安尾はマキザッパを持ち、怒る。
安「顔を見せろ!
」
裕が一人目の覆面を剥ぐと、早苗が現れる。
裕「運送会社の…!
」
裕が二人目の覆面を剥ぐと、安世が現れる。
裕「お前も!
」
⑵
安「美人、美人と来たら、三人目が期待できますね!
」
裕「何の期待や!
」
美人が現れる期待感なのか、お笑い的な期待感なのか…
裕が三人目の覆面を剥ぐと、眼鏡をしていない直子が現れる。
裕「どっかでみたような…
」
直子が眼鏡を掛ける。
裕「あーっ!
」
裕が次の発言をする前に、安尾が、
安「ブサイクやないか!
」 ![]()
裕「直子ちゃんやないか!
」
⑶
裕が直子に尋ねる。
裕「いつから、二人と知り合いになったの?」
直「お姉ちゃんなの…私達、三姉妹
」
裕「どういうことや!?」
安「それは、一人だけブサイクって意味?
」 ![]()
裕「そういう意味ちゃう!」
⑷
安世が裕に絵画『馬と少女』のことを話す。
井「私達は、父の絵を返してほしいだけなんです!」
裕「…父の絵?」
♪悲しげな音楽が流れる。
早「私達、この『馬と少女』を描いた吉本太郎の娘なんです」
早「私が長女の早苗で、(二人を見ながら→)次女の安世と三女の直子」
井「この絵の少女のモデルは、早苗姉さんなんです」
井「売るつもりはなかったんです」
井「でも、ここの秘書の佐藤がこの絵に目をつけて、絵を奪ったんです!
」
裕には、三姉妹の話は信じられず、
裕「佐藤さんがそんなことするわけないでしょ!?」
直「佐藤は最低な奴なんです!
」
井「佐藤の悪事を暴きたいんです!
」
直子が最近、屋敷の仕事に就いたのは、
絵画を取り戻し、佐藤の悪事を暴くためだった。
※
補足。
観覧回では、佐藤と吉本太郎の関係性については語られていませんでした。
絵をどう奪ったかについても触れられませんでした。
佐藤は、直子が吉本太郎の娘であることに気づいていないため、
佐藤と直子には直接の接点はないものと思われますが…
⑸
安尾も三姉妹の話を信用していない様子。
安「逃げるために嘘をついているんじゃないか!?
」
早苗が安尾の手を握り、
早「信じてください!
」
安「信じます
」 ![]()
安世も安尾の手を握り、
井「信じてください!
」
安「信じます
」 ![]()
直子も安尾の手を握ろうとするが、安尾が後退りしながら、
安「近づくな!![]()
」 ![]()
⑹
裕が警察に通報しようとすると、
早「待ってください!」
早「私が盗む計画を言い出したんです!」
早「逮捕するなら、私だけにしてください!」
井「いや、私が!」
直「私が!」
三姉妹が庇い合う。
裕は三姉妹の姿を見て、心が動いたのか、
裕「…分かりました」
裕「あなた達の話を鵜呑みにはできませんが、今回は見逃しましょう」
安尾がマキザッパで直子を指差し、
安「せめて、こいつだけでも突き出しましょう
」
裕は安尾の発言は無視して、話を進める。
⑺
裕が三姉妹に対し、
裕「泥棒は犯罪ですよ!次は無いですからね!
」
裕「…幸い、屋敷には誰も居ません」
裕「裏口から逃げてください」
三姉妹が中央奥通路から裏口に向かう。
裕と安尾も三姉妹を裏口に誘導するため、通路に消える。
⑴
誰も居ない、ロビー。
伊賀・佐藤・幸恵が戻ってくる。
伊「私は仕事に戻るよ」
伊賀は舞台上手奥の通路に消える。
⑵
幸恵と佐藤、二人。
(舞台中央で、幸恵→←佐藤、という立ち位置で)
佐藤が幸恵に話し掛ける。
佐「幸恵さん、僕のことが嫌いですか!?」
佐「僕はあなたのことがずっと好きでした!」
佐「こんなに愛しているのに、どうして壁を作るんですか!?(涙)」
と、佐藤はパントマイムで壁を触ったり、ドンドンと叩く仕草をする。
幸恵は佐藤の横をあっさりと通り抜ける。
佐「あっ、そこ、壁が無かった
⑶
幸恵が舞台上手袖通路に向かおうとすると、佐藤が追いかける。
佐「待ってください!
佐藤はランニングマイムを披露し、一旦幸恵に近付くも、
その姿勢のまま後退し、自分から離れていく。
佐「あなたのもとに行きますからー!
幸恵が舞台上手袖通路に消える。
舞台下手まで後退した佐藤は、
佐「幸恵さん、何て足が速いんだ!
⑷
佐「こうなったら、電車に乗るしかない!
と、電車に乗り、揺られるパントマイムを披露する。
佐「…歩いた方が早いわ
突然テンションを下げ、歩いて通路に消える。
⑸
裕と安尾が中央奥通路から現れる。
二人はこっそり見ていたようで、
裕「あの人、パントマイムしたいだけでしょ?(苦笑)」
安尾が壁のパントマイムを真似ようとする。
安「吉田さん、こんなところに壁が!
裕「せんでええから!」
⑴
裕と安尾が二人でいるところに、
圭吾(もじゃ吉田)とジャボリ(ジャボリ ジェフ)が現れる。
も「こんちには
裕「どちら様でしょうか?」
圭吾がもじゃもじゃの髪の毛の中から名刺を出し、裕に渡す。
も「こういう者です」
裕「どっから出すんですか!
裕が名刺を見て、
裕「…バイヤーの吉田圭吾さん」
裕「今日、取引されるという方はあなたでしたか」
裕が圭吾に髪の毛のことを尋ね、
もじゃもじゃのカツラを取ると同じもじゃもじゃの髪が現れるくだりに。
※
補足。
吉田裕さんともじゃ吉田さん。
混同を避けるため、吉田裕さんの役を『裕』と、
もじゃ吉田さんの役を『圭吾』と記しています。
⑵
ジャボリが圭吾の客で、『馬と少女』の購入者のよう。
ジ「Hello. My name is Jabori Jeff
」
圭「こんにちは。ジャボリジェフです」
圭吾が通訳する。
ジ「I came from Los Angeles
」
圭「ロサンゼルスから来ました」
ジ「I'm collecting art objects of all over the world
」
圭「世界中の美術品を集めているんです」
裕が圭吾に尋ねる。
裕「英語ができるんですか?」
圭「アメリカで一年間暮らしていました
」
ジ「I lived in the United States for 1 year
」 ![]()
圭「日常会話はできます
」
ジ「I can make a basic conversation in English
」 ![]()
裕がジャボリに対し、
裕「英語に訳さんでいいですから!
」 ![]()
裕「ほんで、通訳できるってことは、日本語喋れるんちゃいます?
」
ジ「喋れるよ~
」 ![]()
ジ「通訳、要らんで
」 ![]()
裕「めっちゃ、関西弁やん!(苦笑)」 ![]()
⑶
裕が奥に呼び掛けると、伊賀と佐藤が現れる。
伊賀達と圭吾達がお互いに自己紹介し合う。
佐藤が絵画を指し示し、
佐「こちらが『馬と少女』です」
圭「この絵ですか!
」
佐藤がジャボリに尋ねる。
佐「いかがですか?」
興奮したジャボリが英語で高速で長時間、捲し立てる。
裕が圭吾に尋ねる。
裕「全然、言うてることが分かりませんけど、何て言うてるんですか?
」
圭「…」
圭「買います
」 ![]()
裕「尺が合わんでしょ!(苦笑)」 ![]()
圭「ずっと、『買います』って言ってました
」 ![]()
裕「ほんまですか?(苦笑)」
⑷
商談が成立する見込みになり、
伊賀・佐藤・圭吾・ジャボリがお酒を飲みに奥に向かった。