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⑴
スタッフリーダーの佐藤・幽霊のまりこ、二人。
佐「まさか、ほんまに幽霊やったとは…」
佐「まりこさん、誰に会いたいの?」
ま「20年前、ここで働いていた人…」
ま「あの、手を下ろしていいですか?」
まりこは、登場時から幽霊の雰囲気作りのため、
ずっと両手を胸の前で垂らしていた。
佐「勝手にどうぞ」
ま「しんどかったんで」
⑵
真也と景子が舞台上手から現れる。
真也は佐藤に聞こえないように、小声で景子に対し、
真「リーダー、さっきからおかしいな。一人でぶつぶつ言うてる」
⑶
舞台下手袖から、亜依が走ってやってくる。
亜「真也さん、助けてっ!」
まりこは亜依を見て、
ま「亜依なの!?」
ま「亜依!」
ま「亜依!」
と、亜依の周囲で一々派手にポージングしながら、驚きを表現する。
ま「確かに、亜依だわ!」
まりこと亜依はなんらかの関係がある様子。
しかし、亜依も幽霊であるまりこを見ることができず、まりこの声も聞こえていない。
⑷
亜依が真也に対し、
亜「お見合いを断ったのに、相手がしつこいの!」
そこに、お見合い相手の姉で、
NGKレジャー開発社長のひで子(服部ひで子)が現れる。
ひで子が亜依に、
ひ「亜依さん、逃げないでくださる?」
ひ「私達も糞遠い、糞田舎の、糞山奥まで来たんだから」
景「…感じ悪い」
景子の言葉がひで子に聞こえたようで、
ひ「今の、誰!?」
景子が佐藤に、
景「佐藤さん、言っちゃだめでしょ!」
佐「お前や!」
⑸
真也が自己紹介し、亜依の彼氏であることをアピールする。
すると、ひで子が
ひ「亜依さんとあなたでは、月とスッポンしゃない!」
景子がひで子に怒る。
景「言い過ぎでしょ!」
景「せめて、幼女と誘拐犯って言ってください!」
佐「お前の方が酷い!」
⑹
真也がひで子に対し、
真「亜依さんは、僕が幸せにします!」
ひ「そんなこと言って、お金が欲しいだけなんでしょ?」
ひ「弟と亜依さんが結婚すれば、」
ひ「我が社も加わり、キャンプ場を共同経営するつもりです」
ひ「その時は、給料を倍にしましょう」
景子が一歩前に出て、
景「お願いします」
佐「何、言うとんや!」
真也がひで子に対し、
真「お金ではありません」
⑴
ひで子の弟で、亜依の縁談相手、令(レイチェル)が現れる。
蝶ネクタイを着け、いかにも『金持ちの坊ちゃん』という雰囲気を出している。
令が佐藤に近づき、
令「どうも、おじゃましマウスtoマウス!」
と、佐藤にキスするふりをする、令。
佐「何、するんですか!」
令「おかげで5人の女の子に告られました」
佐「えっ、告白されたんですか?」
令「告訴です」
佐「あかんやん!」
令「冗談で言うたのに、『あかんやん!』」
令「冗談で言うたのに、『あかんやん!』」
令「ハッハッハッハ…」
令が佐藤に寄りかかり、
令「楽しい~!」
ひで子が令を叱る。
ひ「令、何してるのよ!」
ひで子が佐藤に近づき、
ひ「弟が失礼しマウスtoマウス!」
と、佐藤にキスするふりをする、ひで子。
佐「何、するんですか!」
ひ「ハッハッハッハ…」
ひで子が「楽しい~!」を言う前に、
景子が一歩前に出て、
景「楽しい~!」
自分の決め台詞を奪われ、景子を睨む、ひで子
⑵
ひで子が令を皆に紹介する。
ひ「NGKレジャー開発副社長の令です」
令「どうやら、そうらしいです」
⑶
令が亜依に対し、
令「亜依さん、遊ぼうよ~!」
令「公園、行こ?…ジャングルジム」
亜依以上に子供っぽい、令。
令「新しい遊びもしよ?」
令「野菜生活、野菜生活。…あっ、かごめかごめ」
令「その後、10回ゲーム」
佐藤が令に対し、
佐「亜依さんはそんなことしません!」
令「さては、やりたいのか?できないから言ってるのか?」
佐「そんなんちゃう!」
令「なら、証明してみろよ!」
令「『ピザ』って、10回言ってみろ」
佐「…」
佐「ピザ、ピザ、ピザ…ピザ、ピザ」
佐藤が10回言い終わると、
令「今日はその気分じゃないんで」
佐「なんなん!」
⑷
令は亜依のために、歌を作ってきたという。
バラードを歌い出す、令。
令「♪あなたのために送りたい 気持ち この歌に乗せて~」
令「♪心 伝えたい」
令「♪心 伝えたい」
令「はい!」
と、佐藤に続きを歌わせようとする。
佐「そんな歌、知らん!」
すると、真也が歌い出す。
真「♪俺も 気持ち 伝えたい」
真「♪君に 伝えたい」
真「♪ずっと 伝えたい」
令「♪No No No」
令「♪俺が 伝えたい」
真「♪No No No」
真「♪俺が 伝えたい」
令「♪ノーノー ノーノーノ」
令「♪俺が 伝えたい」
次第に熱唱に変わっていく。
真「じゃあ、二人で」
真・令「♪気持ち 伝えようーおおおおおーいぇー!」
真也と令が肩を組む。
令「どうも、ありがとうございましたー!」
真也と令が客席に手を振りながら、舞台袖に去っていく。
佐「帰ってこいっ!」
⑸
真也は我に戻り、令に対し、
真「帰れっ!」
⑹
そこに、勝徳が現れる。
カ「亜依!…やっぱり、ここに居たか」
勝徳を見た、まりこが、
ま「あなた!」
勝徳も幽霊のまりこを見ることが出来ず、声も聞こえていない様子。
まりこが触ろうとしても、勝徳をすり抜ける(ように見せる)。
佐「…『あなた』?」
ま「私の旦那です」
亜依が幼い頃に亡くなった母・勝徳の妻がまりこで、
まりこは勝徳に会いに来たことが分かる。
⑺
ひで子が勝徳に怒る。
ひ「亜依さんに彼氏が居たなんて、聞いてませんよ!」
ひ「今日は帰らせてもらいます!」
ひで子が先に去る。
令は真也に対し、
令「やーい!やーい!」
令「♪お前のかーちゃん できるだけ」
令「♪長生きすること 願ってます」
『お前のかーちゃん 出べそ!』と自分の恋敵を煽るのかと思いきや、
途中から自作の歌に変え、場を和ませて、帰っていった。
⑻
勝徳が亜依を無理矢理連れて帰る。
真也が二人を追う。
景「私、心配なんで、見てきます」
景子も真也を追っていった。
その6に続く