⒍
⑴
翌日。
親泊が旅館にやってくる。
親「おはようございます!
」
親「…また、誰もおらん
」
親「おしみさん、ちゃんとやってんのかな?
」
⑵
おしみさんの声が舞台下手袖から聞こえてくる。
清「1・2、1・2
」
サングラスを掛け、ピコピコハンマーを持った鬼教官風のおしみさんに続き、
勝徳、亜依、ライラが行進しながらやってくる。
清「ぜんたーい(=全体)、止まれ!
」
まるで軍隊のよう。
⑶
おしみさんが子供三人に対し、
清「頑張んなさいよ!」
子供三人は挙手の敬礼しながら、
カ・亜・ラ「イェッサー!」
清「言うこと、聞きなさいよ!」
カ・亜・ラ「イェッサー!」
清「DA PUMPのボーカルは!?」
カ・亜・ラ「イッサー!」
清「坂本九の名曲は!?」
カ・亜・ラ「明日があるさー!」
清「恋人が一つの傘に入ることは!?」
カ・亜・ラ「相合傘ー!」
三人が前から、ライラ→亜依→カバの順にならび、
息ぴったりにラップを歌い出す。
カ・亜・ラ「♪仕事の意気込み やる気まんまん!」
亜・ラ「♪こいつの体は 肥っ満!」
『肥満』のタイミングでライラと亜依が体を左右に動かし、奥の勝徳を目立たせる。
⑷
旅館に電話が掛かってくる。
おしみさんが勝徳に対し、
清「ビリケン、電話に出なさい!
」 ![]()
親「名前で呼んであげて!
」
勝徳が電話に出て、たどたどしく喋る。
カ「よやく、ですか?
」
カ「くうしつのかくにんを…
」
その様子を見ていた、おしみさんが、
清「鈍臭い!私に代わりなさい!![]()
」
清「ちゃんと見てなさいよ!
」
おしみさんが電話に出る。
今までのおしみさんのトーンとは一変し、
電話に出る時によく見られる異様に高い(女性風)トーンで、
清「
はい、もしもしー!
」 ![]()
清「料理の内容ですか?
」
清「えー…![]()
」
少し考える表情をする、おしみさん。
そのまま電話を勢いよく切ってしまう。
親泊がおしみさんに、
親「女将さんに怒られますよ!
」
清「料理のこと知らないから、どうして良いか分からなくて…
」
⑸
おしみさんは、料理の話から用事を思い出す。
清「料理長から買い出しを頼まれてたわ」
おしみさんは子供三人を指差し、
清「玉ねぎ三つ、買うてこい!
」
カ・亜・ラ「イェッサー!」
子供三人が買い物に向かった。
⑹
親泊がおしみさんに対し、
親「子供達を良く仕込みましたね」
清「あんなの、チョロいもんです
」
⑴
真希と忠志が現れる。
ロビーには子供達が見当たらず、
真「子供達は?」
清「買い物に行ってもらいました」
真「子供達だけで!?
真「無責任じゃないですか!何かあったら…
忠志が真希に、
忠「言い過ぎじゃないか?」
真「あなたに何が分かるのよ!
真「だいたい、父親が何も言わないから、娘が言うことを聞かないようになったのよ!」
忠「なんやとーっ!
忠志が真希を平手打ちする。
真「…っ!」
親「手、出したらあかん!
親泊が仲裁に入ると、忠志と真希に蹴られ、四つん這い状態になる。
更に、おしみさんも加わり、皆で親泊を蹴る。
親「ちょっと!僕です!
清「分かっとるわいっ!
⑵
そこに、久美子と健二が現れる。
親泊が真希と忠志に、
親「秋田さん夫婦の仲の良さを見習ってください」
久「あの…、私達、実は夫婦じゃないんです」
親「えっ?」
久「勝徳の父親は2年前に交通事故で亡くなりました」
久「取引先の伊賀さんに話を聞いてもらううちに親しくなって…」
健二が久美子に対し、
健「勝徳君、僕に懐いていない
健「もう、会わない方が良いのでは…」
⑶
おしみさんが健二に話し掛ける。
清「お名前、のぞみさんとおっしゃいましたね?
健「いえ」
清「ひかりさん?
健「伊賀健二です
健二が一歩前に出ると、
清「ファーン
健「新幹線、ちゃいます
清「良かれと思って…(苦笑)」
⑷
清「とにかく、『もう会わない』とか言っちゃダメです!
清「そのうち、懐きますって!
ここから、健二を振り回し、引き摺り回す、いつものくだりに。
仰向けに倒れた伊賀に、電気アンマも喰らわせる。
おしみさんは久美子を見て、
清「秋田さんも何とか言って!
久「別れた方が…」
清「何言ってんのっ!
おしみさんはスカート姿の久美子を転がし、足を持ち、引き摺り回そうとする。
清「すみません、更年期障害で…
清「『命の母』が効いてきて、落ちつきました
⑸
旅館に電話が掛かってくる。
おしみさんが電話に出る。
清「
この場面は、電話相手の男性(もりすけ)の声が観客に聞こえる。
男「子供達を誘拐した
男「300万円、用意しろ!」
男「金を用意せんかったら、子供達を殺…」
男が受け渡し場所等を言い切る前に、
親「なんで切んねん!
暗転。
その5に続く