⒍
⑴
便・新名・記央・拓、四人。
便「今別府社長、怒って部屋に戻っていった」
拓「どうしたら…」
拓の携帯に電話が掛かり、拓が話す。
拓「分かりました。待ってますね!」
便「電話の相…」
そこに、電車の大きな音が被さり、便の台詞が止まる。
便「なんの音ですか…(苦笑)」
花月ホテル周辺の音に詳しい新名が説明する。
新「最初は皆、弄ってたけど、慣れたわ」
便「…頑張ってるんやな」
⑵
便が言い直す。
便「電話の相手は?」
拓「熊本県観光課で、くまモンが応援に来てくれるみたいです」
拓が入り口の方を見て、
拓「くまモンじゃないですか?」
現れたのは、黒スーツを着た、藍(酒井藍)。
便「嬉しい。久しぶりにくまモンに会った」
藍「そう、そう、そう…」
藍「熊本で鮭取ろう」
一回後ろを向いて、客席を振り返り、
藍「くまもとサプライズ!」
藍「…」
藍「私、人間ですねん」
と、便を突き飛ばす。
藍「なんなんですか!」
便「そんなに怒らんでもいいじゃないですか!」
と、藍の肩を軽く突く。
藍「何、突いてくれとんねん!」
藍は便の額をグーで突き飛ばす。
便「痛っ!久しぶりにグーで殴られた!」
藍「久しぶりですね」
と、リアルを交えた会話になる。
⑶
藍は熊本県観光課の職員のよう。
入り口に呼び掛けると、『本物の』くまモンが現れる。
くまモンが短時間だけ動き、少し喋ったよう。
新名が通訳を兼ねる藍に尋ねる。
新「何て喋ったんですか?」
藍『熊本県民が困っていたら、どこにでも飛んでいって応援する』
藍『安井まさじさんの凱旋公演なら、飛んで行かないわけにはいかない』
藍「…と喋りました」
新「そんな、尺長ない!(苦笑)」
くまモンは、今度は長々と動き、かなり喋ったよう。
くまモンの話を聞いていた藍が「えーっ!!」と驚く。
新「何て喋ったんですか?」
藍「『頑張れ』って」
新「それだけ?(苦笑)」
⑷
藍がくまモンに対し、
藍「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
新「応援しにきてくれたんじゃ…」
藍「今、『頑張れ』言うたやん」
藍「くまモンは忙しいんで」
藍「これから、トランプ大統領とトランプするんです」
藍「ズコーッ!!」
藍の声に合わせて、くまモンと藍が派手にコケる。
⑸
くまモンと藍が立ち上がり、去っていく。
しかし、くまモンは入り口に引っかかり、帰ることが出来ない。
藍「ズコーッ!!」
藍の声に合わせて、くまモンと藍が派手にコケる。
新「いつまでやっとんねん!(苦笑)」
くまモンが入り口に対して横になり、なんとか帰っていった。
⑴
便・新名・記央・拓の四人。
便「何とか、今別府社長を説得しないと」
客室から、今別府と秘書・智が現れる。
便「今別府社長!」
智「社長はこれから奥様とお嬢様とお食事されます」
智「あなた達と話す時間はありません」
便「唇がプルプル震えていますけど、大丈夫ですか?(苦笑)」
智「…(台詞)合ってますよね?」
便「『合ってますよね?』?(苦笑)」
⑵
智「あっ、奥様とお嬢様が来られました!」
入り口から、今別府の妻・珠代(島田珠代)と安世(井上安世)が現れる。
今「待っていたよ」
便が今別府と珠代を見てから、安世に対し、
便「娘さんですか?」
安世が頷く。
便「よく、これとこれから産まれましたね」
珠「旦那に失礼よ!」
便「あなたも足を引っ張ってます」
珠「今、何て言った!?」
珠「可愛い、可愛い、パンダちゃんが怒っちゃうぞ」
便「ブサイクですねー。(苦笑)」
今別府が大笑いする
珠「笑うとこじゃない!」
と、珠代が今別府を平手打ちする。
今別府は神妙になり、
今「めちゃめちゃ可愛いです」
今別府は珠代に頭が上がらないよう。
便「どう見ても、ブサイクじゃないですか!」
珠代は便に近付きながら
珠「聞こえてるわよ、もう~…好きー!」
と、夫の前で、便に寄りかかる。
珠「二人っきりね!」
便「どこがですか!」
今別府も含めた、全員が舞台袖に捌ける。
⑶
ここから、珠代のショータイム。
珠「意外にカッコいいね」
と始まるものの、便のツッコミが緩く、
珠「ちゃんとしてよ!」
珠「ストレスが溜まるーっ!」
珠「(吉本新喜劇に)居たんだから、だいたい分かるでしょ!」
しかし、ツッコミは弱いままで、
珠「分かった。あなた、ボケの人でしょ?」
便「熊本から追いかけてきてくれた人もいるかから、カッコいいとこ見せないと!」
珠「あなたはできる人よ!」
しかし、ツッコミが冴えることはなく、
珠「この時間、やだよー!」
珠「汗の量が怖いの!」
珠「安定感をください!」
⑷
珠「もう、壁に当たります!」
と、金色の壁を呼ぶ。
便「今、こんなことになってんの!?」
時の流れを感じる、便。
便が珠代を投げ、珠代が壁にぶつかり、
珠「男なんてシャボン玉~!」
ここで終わるかと、思いきや、
珠「あれ?あれ?あれれれ?」
と言い、仰向けに倒れこみ、気絶してしまう。
⑸
今別府を含めた、皆が現れる。
今別府は仰向けの珠代を見て、驚く。
今「珠代、大丈夫かーっ!」
便「気絶したみたいです!」
新「氷とおしぼりが突き当たりの左の部屋にあります!」
新「持ってきてもらえますか!」
記央・今別府・智が急いで奥に向かう。
その5に続く