⒊
⑴
まみが客室から戻ってくる。
まみ・新名・森田の三人に。
森「…しかし、心配やな、まみのこと」
森「まみの周りで、不審な事故が起こっている」
森「自転車のブレーキが効かなくなったり、車に轢かれそうになったり」
森「それもまみの親戚が来た時ばかり…」
ま「おばさん達を疑うのは良くないわ
」
⑵
新名もまみのことを心配しており、
探偵を雇ったという。
新「内場さんは、元警視庁の敏腕刑事なんです」
森「その人は、いつ頃、来られるんですか?」
その時、探偵(内場勝則)の声がする。
内「私なら、もう来ていますよ!」
♪ドラマ『相棒』のテーマが流れ、
舞台の照明が全体としては薄暗くなり、部分部分に強い光が当たる。
しかし、探偵は登場することなく、テーマ曲が終わる。
新「出てけへえんのかい!
」
森「曲、聴いてただけやん!(苦笑)」
⑶
また、探偵(内場勝則)の声がする。
内「私なら、もう来ていますよ!
」
♪ドラマ『相棒』のテーマが流れ、
舞台の照明が薄暗くなる。
新「だから、どこにおんねん!
」
花道と舞台の境にある奈落がライトアップされ、
探偵姿の内場が奈落からせり上がってくる。
内場は、音楽の終わりで、アホボンのような決めポーズを取る。 ![]()
⑷
内場がロビーに足を進める。
新名が内場に対し、
新「うちは普通のホテルなんですけど、どこから出てくるんですか?
」
内「あまり装置を使ってないようで、」
内「『錆びたらいかんから使ってくれ』とスタッフに頼まれてね
」 ![]()
⑸
新「あなたが元警視庁の探偵さんですか?」
内「いかにも」
内「企業のデータ改ざん事件等、様々な『経理』を扱ってきました
」
新「経理!?敏腕刑事ですよね?」
内「敏腕経理です。簿記1級、持ってます
」 ![]()
内場は誇らしそうに、
内「警視庁の経理を辞め、探偵事務所を開きました
」
森「何、胸張って言うとんねん!
」
森「開くとしたら、会計事務所でしょ!?」 ![]()
森「こんなん、あかんわ」
内「大丈夫です
」
内「私が解決した事件は、非常に範囲が広い
」
内「幼稚園児の喧嘩から小学生の喧嘩まで
」 ![]()
森「範囲、狭すぎるやろ!(苦笑)」
⑹
内場は、皆を納得させるため、推理力を見せようとする。
内「まみさん、あなたの年齢は?」
ま「…28です」
内「後ろを向いてもらえますか?」
まみが内場に背中を見せる。
内「分かりました
」
まみが内場の方を見る。
内「まみさん。あなたは二年前…26歳でしたね
」 ![]()
得意げな表情を見せる、内場。
森「誰でも分かるし、後ろ向く必要ないやん!(苦笑)」
⑺
内場が再び、まみに尋ねる。
内「まみさん。箸はどちらの手で?」
ま「…右です」
内「右利きですね
」
ま「えっ!
」
『どうして知っているの!?』、とでも言いたげな表情のまみ。
森「なんで、驚いてんの!(苦笑)」
森「こんな人で大丈夫!?」
内「損はさせません!
」 ![]()
⑻
内「改めまして、探偵の内場勝則です」
まみ達も自己紹介する。
ま「オーナーのまみです」
新「主任の新名です」
森「まみのフィアンセで、来月結婚する、森田です」
⒋
⑴
内場の行動が犯人に怪しまれることがないよう、
まみの親族や他の従業員には探偵であることを隠し、
ホテル従業員として活動することを提案する、新名。
内場は、探偵服から従業員の服に着替えるため、
中央奥の通路の方に向かう。
森田の横を通った際に、
内「あなた、森田さんですね
」
内「似てますね…」
そのまま、通路に消えていった。
森「誰に!?」
ホテルの電話が鳴る。
新名が受話器を取ると、内場の声が聞こえてくる。
内「フランシスコ・ザビエル
」 ![]()
森「電話で言わんでええ!
」
森「ほんで、ザビエルちゃうから!」
今度は、『ピンポンパンポン』と館内放送のチャイムが鳴る。
内「はい、了解
」 ![]()
森「なんやねん、あの人!
」
⑵
内場がホテルの制服に着替え、現れる。
内場が森田に対し、
内「これでいかがでしょうか、ミスタードーナツ!
」 ![]()
森「違うから!
」
内「奈落?
」 ![]()
森「頭部が奈落って、どういうことや!(苦笑)」
内「あっ、その髪型、流行りですか?
」 ![]()
新「ふざけるのは大概にしてください
」
その4に続く