≪伊賀健二の新幹線コント≫

[作]
(敬称略)
徳田博丸

[キャスト]
(順不同)
映画の登場人物…伊賀健二
映画の登場人物…岡田直子
映画の登場人物…タックルながい。
映画の登場人物…前園健太
映画の登場人物…青野敏行

観客…桜井雅斗


[コント概要]


暇を持て余している様子の雅斗(桜井雅斗)。

時間潰しに映画でも見ようかと、ふらりと映画館に立ち寄る。

 

この映画館では、
日中合作映画『超特急危機一髪 ~あなたは三回涙する~』を

現在、上映しているよう。

(舞台上手端の)席に座るが、観客は雅斗一人。
雅「俺だけ?この映画、人気ないんかな?」


映画が始まると、中国語が聞こえてくる。
字幕も無く、
雅「えーっ!?中国語?」
雅「最悪や!タラー
雅「中国語、知らんし…動きだけで分かるかなあ?
アセアセ
 
 


雅斗は、中国語の映画を動きから以下のように解釈する。

直子(岡田直子)が
マフィアのタックル(タックルながい。)と前園(前園健太)から逃げている。

 

皆、中国語で言葉は理解できないが、タックルだけは

タ「イーガーコーテル」

タ「ウーリューチーパー」

タ「テンハン、チャーシューメン」

と馴染みのある言葉を喋る。

 

雅「一人、王将の店員、おるやん!タラー笑い泣き



そこに白と青で決めたヒーロー・伊賀(伊賀健二)が現れ、
直子に手を差し伸べる。

タックル・前園と対峙する、伊賀。

 

ネクタイを緩め、戦闘モードに入る。

 
果敢に戦う伊賀だが、タックルに足を引っ掛けられ、転げる。
一進一退の攻防が続く。

 


タックル・前園に呼ばれ、マフィアのボス、青野(青野敏行)も現れる。

青野だけは、なぜか、ハングル語を喋っている

 

雅「一人だけ、ハングル語ちゃう!?タラー

いずれにしても、その内容は理解できていない。

 

マフィアたちに対し、服から取り出した手榴弾で牽制・対抗する伊賀。

ピンを口にくわえるが、抜くことはしない。

 
青野が伊賀に銃を向け、発射する。
伊賀を庇った直子が撃たれてしまう。
 
伊賀が直子の傍で中国語で泣き叫ぶ。
 
激昂した伊賀が覚醒し、青野たちを倒す。
 
泣き悲しむ、伊賀。
その時、直子が起き上がる。

 

ネックレスに銃弾が当たり、助かったよう。

 

こうして、ハッピーエンドを迎えた。


(舞台後方の)モニターに『fin』の文字が現れ、映画は終了。
 
 
雅「もう、終わり?キョロキョロ
雅「設定もよく分からんし…タラー
雅斗が映画館を出ようとすると、場内アナウンスが聞こえてくる。

「ただいまより、日本語吹替版を上映いたします」

 

雅「よう分からんかったし、せっかくやから、もう一回観よか」
雅斗が再び着席する。

 
 


日本語吹替版が始まると、映画の印象が変わる。

直「すみません。チケット、買ってもらえませんか?」
直子は、漫才劇場で活動する売れない若手女芸人。
一枚500円のチケットを手売りしている。

タックルと前園が現れる。
タ「可愛い姉ちゃん!俺らと遊ばんか?」

タックルと前園はマフィアではなく、
女芸人・直子にナンパ目的で近付いた、一般人。
直子は、「生活が大変で、チケットの手売りで忙しい」と力説し、
タックルたちを追い払おうとする。
 
雅「こんなシーンやったの?タラー


そこに現れたのは、伊賀。
しかし、直子の力説が続くため、
急いで舞台袖に戻り、直子の話が終わるのを待つ。 笑い泣き

 

日本語吹替版では、伊賀は、観客の雅斗を意識していて、

『自分が映画の場面に登場してよいか?』、身振り手振りで雅斗に確認する。 笑い泣き

雅「なんで、映画やのに、俺に確認してんの?(苦笑)」

 

伊賀が現れる。

 

伊賀は直子に対し、

伊「切符を拝見します」

伊賀はヒーローではなく、車掌だった。

 

直子は、漫才劇場近くのYes Theaterの前ではなく、

どういうわけか、新幹線の車内で手売りしていたよう。



直子は新幹線の切符が見つからないようで、
キセルの疑いで駅長室に連れて行かれそうになる。
伊賀は直子に手を差し伸べたのではなく、連行しようとしていたのだった。
笑い泣き

雅「キセルで捕まってるやん
タラー

 


タックルと前園は、先ほどの直子の力説で、直子の頑張りを知り、

切符の件を許すよう、車掌の伊賀に頼む。
タ「若手芸人は生活が大変なんやぞ!」
前「腕を離してやれよ!」

応じない伊賀にタックルや前園が殴り掛かる…かと思いきや、
(直子まで加わり)「コーッ!」、「ビールにお茶~」、「黄色い線まで~」等、
新幹線弄りが始まる。 笑い泣き
 
雅「アクションシーン、ちゃうかったの?タラー

 

執拗に連結弄りされるため、

皆の手から逃れようと、本気モードになる。

 

中国語版のようにネクタイを外すだけでなく、

スーツやYシャツまで脱ぐ。

すると、0系新幹線の絵がプリントされたTシャツが現れる。 笑い泣き

雅「自分で『新幹線』って認めてますやん!(苦笑)」

雅「ほんで、さっきはこんなシーン無かったぞタラー

 

『今の場面は泣けたんじゃないか?』と

身振り手振りで雅斗に確認する、伊賀。
雅「どこで泣くの!?泣ける場面、ひとつも無いやん!(苦笑)」



新幹線弄りの中で、タックルが伊賀に足を引っ掛け、転ばせる。

タ・前「脱線、脱線!口笛笑い泣き

 

タックルは自ら転ばせておいて、
タ「この中にお医者様は居ませんか?」
と呼び、青野が登場する。

青野はマフィアのボスではなく、新幹線に乗り合わせた医者だった。
笑い泣き

 

車掌の伊賀は新幹線弄りをやめさせようと、

手榴弾を服のポケットから出そうとするが、忘れたよう。

急遽、舞台袖から『豚まん』を用意し、手に取り、口にする。

日本語吹替版になり、手榴弾は肉まんに変わってしまった。 笑い泣き

 

青「新幹線で豚まんを食べたら、臭いやないか!」
青「責任者を出せ!
ムキー
伊賀は周りを見渡す。
雅「あんたが車掌でしょ?(苦笑)」

伊賀が雅斗を責任者役として、映画の中に引き摺り込む。
笑い泣き

雅「えっ?どういうこと?キョロキョロアセアセ

 
流れで、怒る青野に応対する、雅斗。
 
青野の怒りは収まらず、拳銃を取り出す。
青「社員の教育、どうなっとんねん!プンプン
青「列車内で豚まんを食べたり、キセルの犯罪を見逃したり…」
雅「拳銃も犯罪ですよ!タラー
青「何をーっ!ムキー
青野が雅斗に向けて、銃を撃つ。
 
伊賀が咄嗟に、雅斗を椅子に座らせ、シートを倒す。
弾は雅斗の先に居る、直子に当たる。
 
倒れた直子に伊賀が駆け寄り、
伊「切符さえ買ってくれてたら、こんなことにならずに済んだのにーっ!」 笑い泣き
雅「泣き叫んでる場面、そんなこと言ってたん?(苦笑)」


直子が起き上がる。
 
ネックレス状の小銭入れに弾が当たって助かったよう。
雅「小銭入れ、首にする?タラー笑い泣き
 
小銭入れの中から新幹線の切符を見つけ、キセルの疑いが晴れる。
 
こうして、ハッピーエンドを迎えた。

モニターに映る文字は、
『fin』ではなく、『faaaan!』
笑い泣き
 
雅「何じゃ、これ!タラー
 
 
⒌ 終
雅斗は映画の世界に一人取り残される。
雅「どうやって映画から出たらええのーっ!?
ガーンアセアセ
 
終。
 
 
 
[新幹線コント 雑感]
日本語吹替版になることで、内容が変わる劇。
言葉の意味だけでなく、小道具や場面そのものまで変更・追加される、
という点が面白かったです。
 
昔の香港映画等は、
公開される国に合わせ、内容の異なる複数のバージョンが存在したようですね。
 
 
 
18/05/08
【新喜劇グランド花月】 完