誰も居ない、旅館ロビー。

客室に向かう通路から、信濃とアキが現れる。
信「まさか、一泊するとはな」

健一と珠代が舞台上手奥から現れる。

健一は信濃とアキを見て、
中「旅館の方はどうでしたか?」
信「お風呂、良かったです」


健一が信濃にお願いする。
中「烏滸がましいですが、旅館も風水占いしていただけないでしょうか?」
信「私もプロですから、そんなに簡単に占うわけにはいきません
アセアセ
中「宿泊費を無料にしますので」
ア「やります!
ウインク

信濃がアキの方に行き、健一に聞こえないように小声で、
信「何で、要らんこと言うんや!
タラー
ア「タダになるんやったら、占うくらい安いもんす!」
ア「適当に言えばいいんすよ
ニヤリ
信「…そやな」


信濃が風水占いを始める。
信「旅館の入り口は旅館の顔です」
信「入り口の壁にこの絵画を飾ると、運気が上がると思いますよ
ウインク
と、盗んだ絵画をバッグから取り出す。
信「プレゼントします」

アキが信濃に小声で、
ア「え?いいんですか?
キョロキョロアセアセ
信「今だけや!後で盗み直すから」


珠代が信濃に尋ねる。
珠「私にも、運気が上がるアイテムはありませんか?」

信濃は赤色のシルクのスカーフを珠代に渡す。
珠「うわー、いい手触りね」

珠「お父ちゃんもスカーフ巻いてみて」
珠代は赤色のスカーフを健一に巻き付ける。

健一はみるみる弱る。
中「色があかん。アレルギー症状が出た
ガーン
健一の体は、緑色しか受け付けないよう。
笑い泣き

 
 


信濃が風水占いをしていると、
警察官のヒロ(吉田ヒロ)と木下(木下鮎美)がやってくる。
ヒ「本日付けで駅前交番に配属されたヒロや!
ニヤリ
ヒ「よろしゅう!」

中「随分、ガラの悪い警察官ですね。(苦笑)」
中「金髪って…」
ヒ「金髪にしてるから、署内でも有名でな」
ヒ「みんなにあだ名で呼ばれとるわ」
ヒ「『金髪あかんやろ』って
ニヤリ
中「注意されてるだけですよ。(苦笑)」
笑い泣き


木下も自己紹介する。
木「駅前のPolice Station
キラキラから来ました木下です」
中「何故、英語が混じってるんですか?」
木「私、日本の警察官になる前は、FBIに居たので」
中「FBI!」
木「はい、風呂が(F) ボロい(B) 家に(I)」

『チーン』
スベったと判断したアキがフロントのベルを鳴らす。
笑い泣き

木「何ですか!?」
信「誤作動です。(苦笑)」
笑い泣き


木下が用件を伝える。
木「この近辺に詐欺の常習犯が潜伏していますので、ご注意ください」

ヒ「手配書が出来たら、また持ってくるわ」
ヒ「怪しい人物を見かけたら…」
ヒロが拳銃を取り出し、
ヒ「これで撃ち殺して
ニヤリ

スベったと判断したアキが鍵を落とす。
ヒ「何やねん!(苦笑)」
信「誤作動です。(苦笑)」
笑い泣き


補足。
この場面、別公演のアキさんに注目していると、
劇中のトボけた役とは思えないくらい真剣な表情で、
鍵を落とすか、判断していました。

別公演では笑いが起きたため、鍵を落とす手を止めました。


ヒロと木下が去って行った。
 
 


健一と珠代が現れる。
中「雅斗さんとの結婚資金の300万円、使わずにちゃんと持っているか?」
珠「通帳・印鑑、肌身離さずに持っているわ」
と、ケースを見せる、珠代。


『ピロリン!』
スマホの大きな音がする。
珠「雅斗さんからのLINE」
珠「…駅で待ってる?」

珠代が駅に向かった。

健一は料理の仕込みのため、奥に消える。


アキが信濃に対し、
ア「兄貴!聞きました!?」
信「ああ、聞いた!」
ア「LINEの音、めっちゃ音でかかった!」
笑い泣き
信「そっちかい!(苦笑)」
信「確かに大きかったけど!…300万の方な」

ア「300万、盗みましょ!」
信「そうやな!」
信「そう言えば、あの女将の彼氏…思い出したんやけど、有名な詐欺師の桜井や」


信濃達は隠れて様子を見守ることにする。

信濃が隠れる場所を探していると、アキが先に二階に向かう。
信「先々、行くなって!」
ア「俺、二階好きっしょ!?」
ア「バスも二階が好き」
ア「タワーマンションも二階が好き
口笛笑い泣き
信「タワーマンションはもうちょっと上でええやん。(苦笑)」

信濃も二階に向かう。


珠代と駅で待ち合わせたはずの雅斗が一人で現れる。
雅「…こんにちは?」
雅「誰も居てないな」

雅斗がどこかに電話を掛ける。
雅「もしもし、俺や
ニヤリ

雅「作戦通り、頼むぞ
ニヤリ
雅「俺と珠代が居る時や」
雅「お前らが借金取りに扮して、俺に借金返済を迫る」
雅「俺が払えんとなったら、珠代が払うはずや」

雅「仲間の調達はできたか?」
雅「…そうか
ニヤリ

雅「これ以上、ここで話すんは不味いな」
雅「今、どこにおる?」
雅「…喫茶メルヘン?
ニヤリ」←キザっぽい言い方
雅「分かった、行くわ」

雅斗が外に出て行った。


補足。
泥棒二人が、雅斗が詐欺師である確証を得るための場面ですが、
物語として見ると、
(雅斗は珠代を駅前に呼び出し、また、仲間の居る喫茶店に直ぐに向かうため)
何故、雅斗がこのタイミングで一人で旅館に来る必要があったのか、
詳細は語られていないように思います。


雅斗の話を二階のから聞いていた、信濃とアキ。

ア「兄貴!聞きました!?」
信「ああ、聞いた!」
ア「喫茶メルヘンの言い方、めっちゃ気持ち悪かった」
笑い泣き
ア「喫茶メル(ン)ヘンッニヤリ笑い泣き
信「どうでもええ!(苦笑)」

信「俺が言う通り、詐欺師やったな!」

信濃は一階に下りるが、アキは二階に居るまま。
信「何してんの!?付いて来いよ!」
ア「俺、二階好きっしょ!?」
ア「百貨店も二階が好き。買い物は、全部、二階で済ませるっす
口笛笑い泣き
信「なんぼなんでも、それは無理やろ。(苦笑)」




喫茶メルヘンでの打ち合わせは一瞬で終わったのか、
雅斗が、駅前に向かった珠代を連れ、旅館に戻ってくる。

信濃とアキは階段上に隠れて、様子を見守る。

珠「雅斗さん、話って、何?」
雅「俺、珠代さんと結婚できへんかもしれん」
雅「恐ろしい借金取りに追われていて…
アセアセ


そこに、借金取り姿?の祐代(祐代朗功)、永田(永田良輔)、松元(松元政唯)が
現れる。
永田はシャツをヘソの上で括り、腹とヘソを出している。

舞台下手から、松元→永田→祐代の順に立ち、
舞台上手の雅斗・珠代と対峙する。

祐「桜井、探したぞ!
プンプン


信濃とアキが三人を評する。

祐代について、
信「一番前若かりし頃のMr.オクレみたい。(苦笑)」
笑い泣き

永田について.
信「真ん中、社交ダンスの先生みたいや。(苦笑)」
笑い泣き
信「オネエちゃうの?(苦笑)」
ア「おへそ、風邪、引くよ
口笛笑い泣き

松元について、
信「一番後ろのやつ、ヒゲ濃すぎるやろ!(苦笑)」
ア「砂鉄みたい。(苦笑)」
笑い泣き


雅斗が祐代に対して、小声で、
雅「後ろの二人、なんやねん!」
雅「もうちょっとマシな奴、用意できんかったんか!?」
祐「大丈夫ですから、任せてください!」

信「芝居、バレバレやん。(苦笑)」


祐代か雅斗を抑揚無く恫喝する(フリをする)。
祐「さっさとかねはらわんかい」
信「全然、怖ない。(苦笑)

祐代が永田に命令する。
祐「なめられたもんやな。ビビらせたれ!」

永田が雅斗の前に行き、
永「今すぐ払いなさいよ
おねがい
永「叩くよ!
おねがい
と、お母さんが子供にするような、女性っぽい手の振り上げ方をする。
信「やっぱりやん。(苦笑)」
笑い泣き

松元が永田に対し、
松「下がっとれ!俺がやる!
プンプン
信「おっ!今度は、ちょっと、まともそうな奴やな」

松元が雅斗に対し、
松「俺を怒らせたら、怖いぞ!」
松「俺の呼び名を知っとるか?」 
雅「何て言うんですか?」
松「カミソリの松元や!
ニヤリ

松「お前を切り刻んでやるぞ!」
と、電動式の髭剃りを取り出し、自分のヒゲを剃る。

松元はヒゲを剃り終え、
松「良し!」
と、舞台下手に戻っていく。
永田が松元に声を掛ける。
永「あんた、スキンケアしいや
おねがい

唖然としている、信濃とアキ。
ア「…文化祭やん。(苦笑)」
笑い泣き
信「にしても、酷すぎる。(苦笑)」


祐「借金の300万、払うてもらおうか!」
雅「無理です」
祐「何やと!」
祐代・永田・松元が雅斗に一斉に掴みかかり、
四人とも倒れる。

信「グダグダやん。(苦笑)」

しかし、珠代は泣きながら、
珠「雅斗さんをこれ以上、傷付けないで!(泣)」
珠「私が払います!(泣)」
信「嘘やろ?(苦笑)」


珠代が祐代に尋ねる。
珠「お金、どこに持っていけば良いですか?」

祐「えっ?
キョロキョロ
祐代が高い永田に尋ねる。
祐「どこ?
キョロキョロ
永田が松元に尋ねる。
永「どこ?
キョロキョロ
松元が雅斗に尋ねる。
松「どこ?
キョロキョロ

雅斗が珠代に聞こえないよう、小声で松元に対し、
雅「四条大橋の下や!
プンプン

松元→永田→祐代へと伝言ゲーム。

珠「どこに持っていけば?」
『四条大橋の下』のはずが、
祐「頻尿暴発したぞ!
プンプン笑い泣き

珠「お金を下ろしに行ってきます!」

信「行くんかい!
タラー

暗転。

 

 
その6に続く