健「お部屋に案内しますんで」
信「それなら、僕ら二人だけで行きますんで」

信「ところで、従業員は二人だけなんですか?」
と、旅館の状況を探る、信濃。
中「もう一人居たんですが、この三月に辞めましてね」


ア「何で辞めたんですか?ニヤリ笑い泣き
中「えっ?…『何で』?アセアセ
信「皆を追い込むな。(苦笑)」

どこかの座長イズムが継承されているかのような、アキの無茶ぶり。


中「でも、珠代の彼氏が婿に入って、旅館を手伝ってくれるみたいなんです」
信「彼氏!?」
珠「だから、あなたとは付き合えんねん
ニヤリ
信「彼氏が居て、よう俺に色々できたな!(苦笑)」
笑い泣き

信「どんな彼氏ですか?」
珠「お客さんだけど、言っちゃおうかなあ?
チュー
珠「雅斗さんっていうの」
珠「私のこと、好きで好きで仕方ないみたいで…仕方なく付き合ってあげたの
ニヤリ

信「まさかの、上から?(苦笑)」


そこに、雅斗(桜井雅斗)が現れる。
雅「こんにちは」

雅斗は舞台上手に居る珠代のもとまで行き、二人で、
珠・雅「イ〝ャオ
口笛
珠・雅「イ〝ャオ
口笛
珠・雅「イ〝ャオ
口笛
珠・雅「イ〝ャ~オ ワオ ワオ
口笛
と体を動かしながら、ネタをする。

雅「近くまで仕事に、来って、たんや
アセアセ
ア「出てきて1分で噛んだ
ニヤリ笑い泣き
ア「緊張してんやねニヤリ
信「お前は黙れ!(苦笑)」

雅「近くまで仕事に来てたんや」
雅「どうしても珠代さんに会いたくて…」
珠「今夜も激しく愛し合いましょ
ラブ

ア「オェッ
ガーン
舞台下手で見ていたアキが吐き気を催す。
笑い泣き

雅「失礼じゃないですか!プンプン
アキは自分を指しながら、
ア「失礼でしょ?
プンプン
雅「自分に言うてんの?
タラー
ア「自分に言うてます
プンプン
ア「人の恋愛を見てゲー吐くって失礼でしょ?
プンプン笑い泣き

信「お前は黙れ!」
ア「私、言うてることは間違ってません
プンプン
信「言うてることは間違ってないけど、やってることが間違ってる
タラー笑い泣き
ア「難し~口笛


珠代が雅斗に提案する。
珠「お客さんとはいえ、この雰囲気、なんか嫌
えー
珠「外でランチしましょ?」
雅「分かった」

珠代は、変顔をし、奇妙なダンスをしながら、舞台下手袖に捌ける。
珠「♪雅人と 珠代は ラブラブや~
口笛
珠「♪雅人と 珠代は ラブラブや~」
口笛

珠代が掃けた後、
信「どこであんなん思い付くんや?(苦笑)」
ア「一人っ子政策っすよ
ニヤリ笑い泣き
ア「自分で遊ぶしかないからニヤリ


一呼吸置き、
雅斗も、変顔をし、奇妙なダンスをしながら、舞台下手袖に捌ける。
珠「♪雅人と 珠代は ラブラブや~
口笛
珠「♪雅人と 珠代は ラブラブや~
口笛

雅斗も捌ける。

アキが入り口の方に向かって、
ア「無理しなくて、いいよーっ!
ニヤリ笑い泣き

信濃に雅斗の表情を教える、アキ。
ア「顔が引きつっていた。(苦笑)」 
ア「目が泳いでた
ニヤリ
ア「自分からやってない
ニヤリ
ア「あれは仕事でやってる
ニヤリ笑い泣き

信「『仕事』とか言わない約束、守りなさい!(苦笑)」 笑い泣き


珠代がスマホを忘れたようで、中條が追いかけていった。

信「この旅館、二人しかおらんのに、頻繁に誰もおらんようになるな。(苦笑)」
笑い泣き

信濃は雅斗の顔をどこかで見たことがあるよう。
信「見たことある気がするけど…誰やったかな?
キョロキョロ

 
 


信濃が仕事に取り掛かる。
信「アキ、誰か来たら、『来たっ!』って言うてくれ!」

信濃が、物色しようとフロントに向かう。

アキが突然、大声で、
ア「来たーーーっ!!!
びっくり
信「えーっ!?」
ア「…って言えば、ええんですね?
ウインク笑い泣き
信「…タラー

ア「…どうでした?」
信「びっくりしたよ!」
信「来たら、言うてくれ!」
ア「申し訳ない!
お願い

人差し指でアキを指差しながら怒る、信濃。
アキはその指を追いながら、匂いを嗅ぐ。
笑い泣き
ア「人差し指、お風呂に入ってます?ニヤリ
信「人差し指だけ入らん奴、おる?(苦笑)」
アキは、人差し指を上に向けて
上差し、お風呂に入る真似をする。 笑い泣き
信「そんな奴、おらんて。(苦笑)」


アキが入り口を見張る。
ア「来るのか!?来ないのか!?
プンプン
ア「来いぞ!来いぞ!
プンプン笑い泣き

信「『来いぞ!』って、何やねん!タラー
ア「人生で初めて言いました!」
信「人生で初めて聞いたわ!(苦笑)」
ア「『来い』の最上級です!
口笛
信「もうええから、黙って!」
ア「黙っす!
口笛
ア「来いぞ、黙っす!
口笛
信「言うな!」
ア「申し訳ない!
お願い
信「黙って、見とけ!」


信濃が物色していると、健一が帰ってくる。

しかし、アキは何も言わず、入り口を見ている。
健一がロビー中央まで来た時点で、ようやく、
ア「来たーっ!」

信濃が振り向き、健一が中央に居るのを見て驚く。
信濃がアキに対し、
信「言うんが遅いわ!
タラー
ア「『黙って見とけ』って言われたから、言うてええんかな?って…
口笛


健一がフロントに居る信濃に尋ねる。
中「あんた、何してんの?」
信「あの~…パンフレットを探していました
アセアセ
中「嘘付くな!泥棒やな!?
プンプン

健一はフロントの裏から防犯用のマキザッパを取り出し、
信濃を中央に正座させ、叩く。
健一はアキに対し、
中「お前もや!(=お前も座れ!)」

アキは座らずに、フロントからの裏から防犯用マキザッパを取り出し、
信濃のお尻を叩く。
ア「来いぞーっ!
プンプン笑い泣き
信「来いぞ?(苦笑)」
と言いながら、叩かれるたびにお尻を突き出す、信濃。
笑い泣き
アキは、時々、反時計回りにターンしながら叩く。
信「なんで、お前が俺を叩くねん!」
ア「『お前もや!』って言われたから…
口笛
中「意味が違うわ!お前も叩いてやるって意味や!
タラー


健「警察、呼ばな!」

そこに、客のケイイチ・ほたる・ゆうが客室から現れる。
三人は信濃を見て、
ケ「まさか、お会いできるとは!
びっくり
ほ「風水のパコ先生ですよね?
おねがい
ゆ「青シャツに黄ネクタイ、赤ジャケット…間違いなく、Dr.パコ先生よ!
おねがい

信「…えっ?」
信「…あっ、バレましたか!
アセアセ
信「私が風水師のDr.パコです!
アセアセ

信濃がアキを紹介する。
信「弟子のペコです!
アセアセ
ア「ペコです」

中「えっ?さっき言うてた、先生?
キョロキョロ


中「怪しいなあ」

健一は信濃のカバンをチェックする。
絵画を取り出し、
中「これは?」
ア「壁に掛けると運気が上がるアイテムです」
ケ「おおっ!」

シルクのスカーフを取り出し、
中「これは?」
中「シルクです。シルクでこんにちは!
ニヤリ
信「…はい?(苦笑)」
ア「…(苦笑)
アセアセ
信「お前、ええ加減にせえよ!(苦笑)」
信「何も考えんと適当に喋るの、やめろ!(苦笑)」
笑い泣き

『シルクでこんにちは!』は咄嗟のアドリブのよう。

ア「えーっと、巻いたら、運気が上がるんです(苦笑)」
ア「シルクでこんにちは!
ニヤリ


健一は、アキのスポーツバッグも調べる。
ボーリング玉を取り出し、
中「…ボーリング玉?」
ア「水晶玉です」

中「穴が空いてるし、ボーリング玉ですよね?」
ア「水晶玉です。風水占いの仕事で使う」

中「ほな、『7』って数字、何なん?」
ア「子供用の…
口笛
信「あっ、いえ、水晶玉を掘り起こした場所を彫り込んでいるんです
アセアセ
信「場所が大事でして」
中「…?どこで掘り起こしました?」
ア「セブンイレブンです
口笛
中「…セブンイレブン!?」
信「あっ、セブ…セブ島です!
アセアセ
ア「セブ島でこんにちは!
ニヤリ


健一が激怒する。
中「ええ加減にせえよっ!
ムキー
中「グダグダ抜かしやがって!」
中「情けない!」
中「…お客様を泥棒扱いするなんて。(涙)」

健一は自分の接客姿勢に立腹していたよう。

中「すいません!」
ア「いぃよぉ~
照れ

信「言わんでええ!(苦笑)」

風水師パコとその弟子ペコに間違えられ、
事なきを得た、泥棒の信濃とアキ。

暗転。
 
 
その5に続く