⒉
⑴
信濃(信濃岳夫)とアキ(アキ)が旅館にやってくる。
信濃は、青シャツに黄ネクタイ、赤ジャケット、黒パンツという、ルパンのような服装。
黒色の大きな手さげバッグを持っている。
アキは、上半身は黒目の迷彩服、ジーンズ姿。
スポーツバッグのような物を持っている。
⑵
信「どうも、こんにちは」
ア「誰も居ませんね」
ア「不用心な旅館ですね」
ア「こんなん、簡単に金を盗めますよ
」
と、フロントの奥に行く。
信「まだや!」
信濃がアキを呼び戻す。
ア「兄貴、慎重っすね。派手な格好しているのに。」
信「こんな派手な格好している奴が泥棒とは思わんやろ?
」
ア「凄いっす、兄貴!」
信「ちゃんと計算してるんや
」
ア「凄いっす!感動したっす!兄貴」
信「言い過ぎたら、嘘っぽく聞こえるぞ。(苦笑)」
信「盗みは、慎重かつ丁寧に行うんや」
信濃とアキは泥棒のよう。
⑶
信濃は手さげバッグから財布を三つ取り出し、アキに見せる。
信「さっき、駅で人にぶつかったやろ?」
信「あの時、盗んだんや」
ア「凄えっす!俺、パンを見ていました!」 ![]()
ア「パンを見ている間に財布を三つも盗むなんて、兄貴、凄えっ…ゴホゴホ!」 ![]()
咳き込む、アキ。
信「痰が絡んでるやん!(苦笑)」
ア「財布を三つ見たら、痰が絡むもんです!」 ![]()
信「…しかし、よう喋るな。(苦笑)」
ア「一人っ子っすから!自分と喋ってたんで」 ![]()
ア「中国の一人っ子政策っす!」
信「お前、中国生まれなん?」
ア「違います!」
信「ほな、なんの話なん?(苦笑)」
ア「中国っす!」
ア「今日はこのワードが気に入りました!…2、3分で飽きると思うけど」
計算なのか、思い付きなのか、脈略のない話が続く。
アキは信濃を指差しながら、客席を見て、
ア「財布を三つも盗むなんて、兄貴、凄えっす!
」 ![]()
信「誰に話し掛けてんの?」
信「この先(舞台の先)、壁やぞ!(苦笑)」
ア「壁の向こうの世間っす!」 ![]()
⑷
信濃は、次に赤色のスカーフを取り出し、
信「超高級のシルクのスカーフ
」
信「展覧会に行ったんや」
ア「…一緒に行きましたね」
信「一緒に展覧会に行ったやろ?(苦笑)
」
信「あの時に盗んだ」
ア「凄えっす!ずっとパンを見ていました」
信「展覧会でパン、気になる?(苦笑)」
ア「そりゃ、気になりますよ。展覧会にパンがあったらおかしいでしょ?」 ![]()
ア「とにかく、パンを見ている時に、盗んでる兄貴、凄えっす!」
⑸
信「まだ、あるんや
」
ア「他にも盗んでるんですか!?兄貴、凄えっす!
」
今度は絵画を取り出し見せる。
アキは無表情になり、
ア「凄いっす
」
信「そこでテンション下げるん、やめて。(苦笑)」
ア「出される前に、テンションがMAXになってしまったもんで…」
ア「赤外線凄かったっすけど、どうやって潜り抜けたんすか?
」
信「…えっ?
」
信「あの~…なんで、要らんこと聞いてくるの?(苦笑)」 ![]()
ア「気になったんで
」
信「それは、その…パパパッとや!(苦笑)」 ![]()
⑹
ア「俺も兄貴に気に入られようと、水晶玉を盗んできました」
信「水晶玉!
」
しかし、アキがスポーツバッグから取り出したのは、7ポンドのボーリングの玉。
信「ボーリングの玉やないか!(苦笑)」
ア「えっ?
」
信「どこで盗んで来た!?」
ア「ボーリング場で
」
信「だから、ボーリングの玉や!(苦笑)」
信「『7』って書かれてるし、指を入れる穴も空いてるし。(苦笑)」
アキが客席に向かい、ボーリングの玉を投げる真似をする![]()
信「投げるな!
」
ア「壁にぶつけてやろうかと…浅間山荘事件みたいに
」
信「何歳?(苦笑)」
ア「20歳…の設定。(苦笑)」 ![]()
信「設定とか、そういうことは言わない約束やろ!(苦笑)」
信「捨ててきて!」
ア「ボーリングの玉って、何曜日に捨てたらいいか分からない」
信「えーっと…燃えないゴミの日でええわ。(苦笑)」
ア「じゃあ、木曜っすね
」
信「そんなん、地域によって変わるやん。(苦笑)」
ア「三回引っ越しして、三回とも木曜でした」
ア「木曜っす!
」
信「『すっす』言い過ぎて、よだれが垂れてるやん。(苦笑)」 ![]()
ア「生きてる証拠っす!(苦笑)」
信「分かったから、捨ててこい!
」
アキは、一先ず、ボーリングの玉をスポーツバッグにしまう。
⑴
ケイイチ達の接客を終えた健一と珠代がロビーに戻ってくる。
健一が、話している信濃とアキを見て、
中「お客様ですか?」
ア「泥棒っす!
中「泥棒!?」
信「あっ、いえ、『道路でボーッ』としていました
中「…『道路でボーッと』?旅館と関係ないし、意味がわからん」
信「僕ら、泊まりに来たんです」
信「予約してないんですけど、二人宿泊できますか?」
珠「ガラガラです。(苦笑)」
⑵
信濃は『田中一郎』という偽名で記帳する。
珠代は部屋の鍵を渡す際、
珠「好き~!
珠「二人っきりね!」
信「どこがや!(苦笑)」
アキが舞台下手に、健一が舞台上手に捌ける。
珠「あなたみたいな中途半端な男前、いいよ
珠「もうちょっとって所がいい
ここから、一連のネタが披露され、
珠「以上、珠代のウェルカムショータイムでしたー!
⑶
アキと健一が現れ、
ア「終わりました?」
信「二人にすなよ!(苦笑)」
ア「でも、白い歯が出て、楽しそうでしたよ?
信「歯は見えたかもしれんけど、それは苦笑いや!(苦笑)」
⑷
アキが珠代に怒る。
ア「おいっ、顔面ハプニング!
ア「兄貴に要らんことして、絶対許さんからなーっ!」
珠「すいませんっ!」
ア「いぃよぉ~
信「何やそれ?」
ア「『すいませんっ!』て言われたら、『いぃよぉ~』って言っちゃうでしょ?」
信「ええかどうかは、俺が決める!(苦笑)」