⒙
⑴
陽子が沙月に対し、
陽子「お姉ちゃんの晩御飯を用意していたのに…」
陽子「デートが楽しいのは分かるけど、帰ってこないなら、先に電話してね」
沙月「ごめんなさい」
古賀「まあまあ、彼氏が出来て幸せなんやから、朝帰りもええやないか
」
⑵
沙月は新しく働く従業員を連れてきたよう。
沙月「新人を紹介するわね
」
呼ばれて現れたのは、薄青色の作業服を着た紗弥香。
紗弥「社長に相談して、ここで働かせてもらえることになりました」
紗弥「よろしくお願いします」
涼介が驚く。
涼介「ここで働くって、教師の仕事は?」
紗弥「教師は辞めてきた」
涼介「帰れ!
」
紗弥「帰らない!」
♪感動的な音楽が流れる
紗弥「涼介君がもう一度夢を追うまで、支える」
紗弥香は遠くを見て、
紗弥「私ね、諦めの悪い女なのよ!(涙)」
⑶
紗弥香が涼介に対し、
紗弥「もう一回、バスケできるように頑張ろ?」
茂造「頑張らんでも、バスケ、できるよ!(苦笑)」 ![]()
茂造の突っ込みは、何故か皆に届かず、会話が続く。
涼介「無理や…」
茂造「無理ちゃうやん。(苦笑)」 ![]()
古賀も涼介に、
古賀「紗弥香ちゃん、覚悟決めて、教師の仕事を辞めたんやぞ!」
茂造「辞める必要、無かったのに!
」 ![]()
哲郎が涼介に、
哲郎「(高音で)
辛いことから逃げたらあかん!」
茂造「お前は薬に逃げとるやないか
」 ![]()
涼介「俺が情けないの、分かってるよ!」
涼介「こんな俺を、みんな、見捨てずに見守ってくれている」
涼介「俺やって、みんなの気持ちに応えたい。(涙)」
茂造「応えられるやん。(苦笑)」 ![]()
涼介「でも、いつまで経っても、足は動けへん!(泣)」
茂造「動くやん。(苦笑)」 ![]()
茂造「何で、泣けるん!?(苦笑)」 ![]()
全員「諦めるな!」
茂造「(小声で)…俺も一応、言うとかんと」
茂造「諦めるな!」
涼介「みんな、ありがとう」
涼介「でも、俺の足、何の感覚も無い」
茂造「あるやん。(苦笑)」 ![]()
涼介「神経、通ってない」
茂造「通ってるやん。(苦笑)」 ![]()
茂造が涼介の太ももを叩く。
涼介「痛っ!
」 ![]()
茂造が皆に対し、
茂造「今のみんな、見たやろ!?」
皆の目線は涼介とは微妙に別にあるように見える。
茂造「みんな、どこ見てんねん?」
茂造が皆の頭を叩き、顔を押さえ、目線を涼介に向ける。 ![]()
古賀「ええ加減にせえよ!
」
と、茂造を殴る。
茂造「痛っ!」
茂造はその場で360度ターンして、
茂造「こんな感じやった
」 ![]()
古賀「涼介の気持ちも分からんで…!
」
⑷
涼介が立とうとする。
浩太や紗弥香が涼介をサポートする。
茂造「神経通ってないなら、立てんって。(苦笑)」
茂造「皆、おかしいとこ突っ込んでいこう!(苦笑)」 ![]()
哲郎「(高音で)
涼介、踏ん張れえ~っ!」
茂造「薬、かなり効いてきたぞ。(苦笑)」 ![]()
涼介が目を見開き、足を大袈裟に震わせ、立ち上がろうとする。
茂造「何してんの?(苦笑)」
茂造「こいつ、立てんねんで?(苦笑)」 ![]()
茂造「産まれたての仔馬みたいになっとる。(苦笑)」 ![]()
⑸
涼介がついに一人で立つ。
茂造「嘘やん?(苦笑)」 ![]()
紗弥「立った。涼介君が立ったー!(泣)」
茂造「『クララが立ったー!』、みたいになっとるぞ。(苦笑)」 ![]()
涼介「紗弥香ーっ!
」
紗弥「涼介君ーっ!
」
抱き合う、二人。
茂造「何や、これ!?(苦笑)」
哲郎「(高音で)
涼介、やったあ~!」
哲郎「(高音で)
涼介、凄いぞお~!」
茂造「みんな、あいつの喋り、なんで気にならんのや?(苦笑)」 ![]()
⑹
涼介「みんな、ありがとう
」
涼介は走りながら、皆と握手する。
茂造「今、走ってたやん。(苦笑)」 ![]()
茂造「皆、なんで、俺を無視するん?(苦笑)」
茂造以外で会話は進む。
沙月「お祝いしなきゃ」
陽子「私、料理を作るわね」
結衣「ケーキが食べたい」
陽子「それは結衣の食べたいものでしょ
」
皆で「ワッハッハ
」
紗弥「私も料理を手伝います!」
古賀「戴いた大吟醸、開けよう!」
哲郎「(高音で)
イェー イェー イェー!」
哲郎の発言に対して
茂造「なんで、あれ、気にならんの?(苦笑)」
沙月「みんな、飲みたいだけでしょ!
」
皆で「ワッハッハ
」
茂造「…なんや、この空気。(苦笑)」
⑺
不自然に和やかなムードの中、
涼介が前に一歩出て謝る。
涼介「すいません!
」
涼介「ずっと前から、足は動いていました!
」
茂造以外の皆が驚く。
茂造「なっ!
」 ![]()
涼介「足が良くなるうちに…」
涼介「トライアウトに合格できるのか、プロでやっていけるのか、不安になって」
涼介「バスケをするのが怖くなったんです」
涼介「だから、ずっと立てないふりをしていました…(泣)」
話を聞いていた茂造が小声で、
茂造「そうやったんか…
」
涼介が皆に謝る。
涼介「すみませんでした!」
沙月「みんな、知ってたよ
」
涼介「…えっ?」
茂造「…えっ?」
陽子「涼介君が言い出すまで、見守るって決めてたの
」
浩太「バレてましたよ
」
茂造「知らんの、俺だけやったん?
」
沙月「紗弥香さんにも協力してもらったの
」
涼介「教師は?」
紗弥「辞めてないよ」
紗弥「涼介がトライアウトに合格するまで、休養することにしただけ
」
涼介が紗弥香に対し、
涼介「俺がトライアウトに合格したら、結婚してくれませんか?」
茂造が紗弥香に忠告する。
茂造「人を騙してた男やで?
」 ![]()
しかし、紗弥香は涼介のプロポーズを受け入れ、
抱き合う。
茂造「なんじゃ、これ!(苦笑)」
結衣「涼介さん、逆玉や!
」
陽子「結衣、逆玉の意味分かってないでしょ?」
茂造以外の皆が笑う![]()
⑻
茂造が古賀に尋ねる。
茂造「足のこと知ってるんやったら、なんで俺のことを殴ったの?
」
古賀は取り合わず、和やかな皆の輪に加わる。
古賀「涼介の仲人は俺に任せろ
」
茂造「無視か…」
不満そうな茂造![]()
その14に続く