チー「失礼します!」
(峰不二子のような)黒の全身ラバースーツ姿の女性・チー(Chee)と
灰色~銀色っぽいスーツ姿の西山(入木将志)がやってくる。

チー「こちらの代表の方は?」
沙月「私ですが…」

チー「こういう者です」
と、沙月に名刺を渡す。
沙月「…アーツブレインカンパニー、営業部長?」

沙月「どうぞ、お座りください」
チーがテーブル下手側の椅子に座る。



チー「西山」
西山「お近付きのしるしに…つまらない物ですが」
と、テーブルに贈り物を置く。
源造「つまらない物には、キーック!
ニヤリ

贈り物を踏み潰す、源造。

 

源造はやりきったという感じで、

源造「キック!ニヤリ

和也「源造さん、何をしとるんや!
タラー
源造「『つまらない物』って言われたから…
口笛
源造が西山に尋ねる。
源造「中身、なんや?」
西山「…ラ・フランス」
源造「潰れてぐちゃぐちゃになったから、もう『用無し(=洋梨)』や
ニヤリ

源造「陽子。ジュースにしなさい
ニヤリ
古賀「偉そうに…お前が決めるな!
タラー


源造の無礼な応対について、沙月がチーに謝る。
沙月「申し訳ございません
アセアセ

沙月「私が代表の原田沙月です」
和也「専務の伊藤和也です」

 

工場の仲間はロビー上手寄りで見守る。


沙月「どういったご用件で?」

チーが沙月に用件を述べる。
チー「今日は、恩赦が保有するこの土地をお売りいただきたく、ご相談に参りました」
チー「私達は土地売買の仲介をしている者でして…」
チー「詳しくは西山から」

西山「この一帯に最終処分場を建設する予定がありまして…」
西山「ですから、土地を売っていただきたいのです」
和也「申し訳ございませんが、その話をお受けすることはできません」

チー「ご安心ください」
チー「別の土地で営業を継続できるように考えております」
チー「移転費用を含め、相場以上の金額で買い取らせていただくつもりです」

和也「そういう問題ではございません」
和也「弊社の繊維製品の製造には、この山の湧き水が不可欠なのです」
沙月「父が苦労して探し当て、私達に残してくれた土地なんです」

沙月「幾らお金を積まれても、この土地を売る気はございません」

和也「それに、最終処分場を建設すると、土壌が台無しになってしまいます」


チー「お言葉ですが、」

チー「この土地は、工業排水で既に環境汚染されているじゃありませんか」

 

和也「はっきり、申し上げます」
和也「私達は、水の扱いには細心の注意を払っております」


和也「荒い浮遊物をバースクリーンで取り除き…」
和也「沈渣池を通して沈殿させ、沈殿池を通して濾過し…」

和也「水を中和した後、工業用水として再利用しております」

和也「排水は最小限に留めております」

和也「環境汚染とおっしゃいますが…」
和也「事実を正確に調べた上で、お話していただきたい!」

古賀「土地は売らんぞ!」
皆が「売らん!」、「そうや、そうや!」、「帰れ!」と続く。


西山「じゃかましんじゃい!横から、ぐちゃぐちゃと!
ムキー
西山が古賀に襲い掛かり、胸ぐらを掴む。

 

哲郎が間に入り、西山の手を解く。
西山の攻撃をするするとかわし、
西山の首を片手で掴み、そのまま押し倒す。

 

西山「このボケ、なめやがって!ムキーアセアセ
激昂した西山がドスを取り出す。


アーツブレインカンパニーは普通の会社ではないよう。

西山がドスを構えると、和也が両手を広げ、皆を守ろうとする。
和也「やめろ!従業員には手を出すな!
プンプン
西山「なんやと!
ムキー

チー「西山!」
チーは西山のドスを下ろさせる。
ドスを仕舞う、西山。

チーは和也らに対して、
チー「一旦、引き上げます」
チー「でも、私達も諦めるわけにはいかないの」

チーが西山に対して、
チー「行くわよ!」
西山「…へい!」

チーが去る。

西山も和也を睨みつけながら、去っていった。


二人が去り、両膝の力が抜け床に付ける、和也。
結衣「お父さん、大丈夫?」
和也「大丈夫や
アセアセ
結衣「お父さん、カッコよかった!
おねがい
和也「ただただ、必死やっただけや。(苦笑)」

哲郎が和也を椅子に座らせる。
父親の和也に寄り添い、安心している、結衣。

 
 


騒がしい声を聞いた大島が二階から下りてくる。
大島「何か、あったんですか?」
古賀「『土地を売れ』言うて、断ったら、暴れた奴がいてな」
古賀「専務と哲ちゃんが守ってくれたわ」
古賀「お前の方は大丈夫か?」
大島「お母さん、『別れなさい』の一点張りで…
ショボーン
古賀「そうか…」
古賀「結婚を許してもらう、ええ方法がないかなあ」

源造「辻本源造、役に立つ時が来ました!
ウインク

源造「工場に来て、皆の絆とチームワークに気付きました」
源造「皆で一芝居、打ちましょう!」
浩太「一芝居?」

源造「友梨ちゃんが強盗に人質に取られ、大島君が助ける」
源造「命懸けで助ける姿を見たお母さんは、二人の結婚を許すはずです」


皆が源造の案に乗る。


陽子「でも、強盗の役は?」
源造「どこかに、ええ人おらんかなあ?」

そこに、借用書を持った森田が現れる。

森田「大島!借用書、持ってきたぞ」
皆で「おったー!」


森田「…強盗役、やらんからなえー
大島「何で、知ってるんですか?」
森田「そこまで、丸聞こえやった」

大島「強盗役、お願いします!」

森田「やらん!」
源造「今すぐ大爆笑取るか、手伝うか、どっちや」
森田「…手伝う
アセアセ

森田の顔はサキに知られているため、顔を隠す方法を考える。
源造「それやったら、これがあるわ」
と、ポケットから怪しげな蝶マスクを取り出す。


大島「何で、そんなもん、持ってるの?」
源造「源造の夜の顔や
ニヤリ
大島「一体、何の仕事をしてるんや!」
源造が蝶マスクを目に当て、
源造「それは…ひみつの源造
キラキラ

森田に蝶マスクを着けさせる。

浩太「緑のスーツもインパクトがあるから、気付かれるかも」
と、上半身を脱がせる。
すると、光る『花火のブラジャー』が現れる。
秘密を知られ、目を閉じ、頭を横に傾け落ち込む、森田。
笑い泣き

大島「何で、そんなブラ、着けてんの?」
源造「さっき、結衣ちゃんにぼろ負けやったからな
ニヤリ
源造「男として子供には負けられんから、頑張ったんやな
ニヤリ
源造「よっぽど面白い理由があるんやろう
ニヤリ
源造「大島君、理由、聞いたってくれ」

大島「何で、そんなブラを着けてるんですか?」
森田「…」
森田「今日、ちょっと寒かったんです…」
全員「…
タラー

結衣が森田の前に来て、
結衣「やっぱり、お笑い向いてない
ニコニコ
森田「…(苦笑)」
意気消沈したように、花火のブラジャーのライトが消える。
笑い泣き

古賀も森田を遇らう。
古賀「はい、はい
ニヤリ
古賀「台詞を付けていくから、あんたは下がって。(苦笑)」
森田「冷た過ぎない?」

ブラジャーのオチを言わせてもらえない、森田。


古賀が台詞を付ける。

簡単には、
①皆で「強盗やーっ!」と叫び、友梨やサキを呼ぶ
②強盗役の森田が包丁を持ち、友梨を人質に取り、金を要求
③大島が森田と対峙し、友梨を助ける
④源造「やり直すんや!」「生まれ変わるんや!」と、森田を改心させる
⑤森田が去る
⑥サキが大島と友梨の結婚を許す
というプラン。

途中、大島にナイフを奪われ、森田が逆に襲われる場面も用意され、
『悲鳴で大爆笑』を要求される。
森田「悲鳴で大爆笑って、どういうことや?(苦笑)」

森田の悲鳴(『恐ロシア×3』、『Oh! No!×3』、『怖がってる×3』、『母上様~×3』等)は、

不発に終わる。

 
練習が終わり、手を叩く、森田。
森田「OK!
口笛拍手
源造「何が『OK!』や!」
源造「何や、あの悲鳴!?」
源造「本番で言うたら、杖の先で喉元を叩くからな!
ムキー
森田「二度と言わんわ!
タラー

森田「ところで、友梨ってどんな女や?」
源造「出てきたら、分かる。アザラシか、友梨や
ニヤリ笑い泣き


本番スタート。

皆で「強盗やーっ!」と叫び、サキ・友梨・手島が二階から下りてくる。

森田が友梨を人質に取り、舞台上手に立つ。
大島が森田と対峙する前に、サキが森田の前に行く。
サキ「私の娘に何をしてるのよ!
プンプン
サキは異様に強く、一瞬で森田の腕を捻り、森田は包丁を落とす。

サキ「警察に電話を!
プンプン
森田「ちょっ、ちょっと待ってください!
アセアセ
森田「頼まれてやっただけなんです!
アセアセ
サキ「…頼まれた?誰に?」
森田「大島です!
アセアセ
サキ「本当なの!?」
源造「その通りなんや!
口笛

サキ「大島ーっ!
ムキー
サキが床の包丁を取り、(舞台下手に居る)大島に襲い掛かる。

勢い余って転び、包丁を落とす、サキ。
源造「やり直すんや!
口笛
と、源造がサキに落ちた包丁を渡す。
古賀「何しとんや!
タラー

舞台上手に逃げる、大島。
ナイフを持ったサキが大島に襲い掛かろうとする。

その時、騒ぎを聞いた、警官・岡田が現れ、
サキに銃を構える。

岡田が銃を発射する瞬間、サキが転び、
銃弾はサキの前に居る、森田に当たってしまう。

森田は仰向けに倒れる。
皆が駆け寄る。
大島「息してない!死んでるーっ!!
ガーン

源造「生まれ変わるんや!
口笛笑い泣き

古賀「言うてる場合かー!」

暗転。

♪トランペット主体の、コミカルな曲か流れる

(カーテン状の黒幕が閉まる)
 
 
その6に続く