[エピローグ]
(カーテン状の黒幕が閉まり、黒幕の前部分の舞台を使う)


暗闇の中、荘厳な音楽が流れる。

花道と舞台の境の奈落から、
ピカピカと光る二個の花火(のブラジャーを着けた森田)がせり上がってくる。 笑い泣き

花火の辺りがライトで照らされると、
森田が目を瞑り、俯いていることが分かる。


森田が目を覚ます。
森「なんや、ここ?
キョロキョロ

森「あれ?撃たれたのに、痛ないアセアセ
森「俺、生きてる!
爆  笑
嬉しそうな表情の森田。

森田は目の前に広がる暗闇を見て、
森「ここ、どこや?
キョロキョロ

天使「ここは隠世です」
中央に居る天使に光が当たる。


森田が天使に近づく。
森田「お前、誰や!?」
天使「私は天使です」
森田「えっ?
キョロキョロアセアセ

森田「隠世って、何や!?」
天使「現世とあの世の狭間です」

天使「あなたは既に死んでいます」
森田「はーっ!?
びっくり

幾度と無く、個性的なブラジャーとともに死線を潜り抜けてきた森田は、
天使の話を信じられない様子。


森田が、天使に尋ねる。
森田「俺、死んだの!?
アセアセ
天使「はい」
森田「『はい』やないがな!アセアセ

 

森田が、一歩、天使に近付き、

森田「嘘やろ!?アセアセ
天使「本当です」

森田が、また一歩、天使に近付き、
森田「嘘やろ!?
アセアセ
天使「本当です」

森田が、また一歩、天使に近付き、近距離で、
森田「嘘やろ!?
アセアセ
天使「ほんまや言うてるやろ!この、てっぺんはげっ!!」
笑い泣き

『てっぺんはげっ!!』
『てっぺんはげっ!!』
『てっぺんはげっ!!』
言葉が反響する。

天使に強く言われ、現実を受け入れる、森田。
森田「ブラジャーを着けてたのに、俺、死んだー!
ガーンえーん笑い泣き

両膝に手を当て、項垂れ、頭頂部を見せる、森田。

まさに『河童の川流れ』である。


森山直太朗『生きとし生ける物へ』が流れる。

項垂れた森田にのみ、光が当たる。

『♪生きとし生ける全てのものへ 注ぐ光と陰』

の部分で光は小さくなり、次第に頭頂部にのみ当たり、
そして、消える。

先程まですすり泣きが聞こえた客席から、大爆笑が起こる。
笑い泣き笑い泣き笑い泣き


『♪花は枯れ大地はひび割れる そこに雨は降るのだろう』

ここで曲は終わる。

(観客の大きな拍手拍手拍手拍手)


森田の現世への強い未練とは、一体、何だったのだろうか?

ブラジャーのオチを言わせてもらえなかったことだろうか?
ならば、何としても、現世に戻らなければならない。

それとも、大爆笑を取れなかったことだろうか?
ならば、たった今、未練は無くなり、成仏できるだろう。
 
 
 
[合唱]

再び、照明が灯る。


辻本さんが真ん中に、辻本さんの両脇に子役の二人が並び、
演者全員が二列に並んでいる(前列が役者さん中心、後列が新喜劇座員さん中心)。

キャラメルパッキングが制作した曲『ひみつ』を演者全員で歌う。

 

皆が全力で歌う、感動的で、非常に気持ちの良い場面。

 
『ひみつ』

(コーラス)
ひみつを今 胸に抱(かか)え
変わらない 夢を抱(だ)いて
助け合い 諦めないで
ずーっと 前へ 前へー!


観客が手拍子で盛り上げる
拍手

(Aメロ)
特別な事など 何も要らなくて
大切な心を 信じていこう
(Bメロ)
溢した涙のわけが 笑顔に変わる日まで
離さず 忘れずに


(コーラス)
守りたい ものを見つめ
終わらない 想い乗せて
支え合い 背を向けない
もーっと 笑って 笑ってー

(Aメロ)
比べたりしないで 誤魔化さないで
明日は来るから 逃げ出さないで

(Bメロ)
いつでも仲間の声が 笑顔を届けてくれた
絆を ありがとう

歌唱中、辻本さんが子役の頭を掌でポンポンとしたり、
皆に優しい目線を向ける。
『絆を~』の部分では、辻本さんが自分の胸に拳を当てる。


コーラスの前に、後列の演者が一歩前に寄る。
ここからは、演者の半分がバックコーラスとなり、
ワンテンポ遅れて歌うことで歌が厚みを増す。

(コーラス…カッコ内はバックコーラス)
ひみつを今 胸に抱え (前を見て)
変わらない 夢を抱いて (進み出す)
助け合い 諦めないで (過去は 振り返らず)
ずーっと 前へ 前へー (前を見て)

守りたい ものを見つめ (前を見て)
終わらない 想い乗せて (進み出す)
支え合い 背を向けない (何度 傷付いても)
もーっと 笑って 笑ってー (前を見て)

ずーっと! 前へ! 前へー!!


辻本さんが、遥か先を見据え、
未来を指し示すように、観客席に人差し指を突き出す。


閉幕。

 

 

その18に続く