店を閉めることを靖子達に任せ、

チケットを受け取りに向かおうとする、けんじ。

そこに、交番勤務の警察官・小西(小西武蔵)が現れる。
小「お昼に、この近辺で引ったくりがありまして…」

小「それが大将そっくりらしいんです」
清「それだったら、僕ではないですよ」

小「もう少し、話を聞かせてもらえますか?」
清「今日は急いでるんで、すみません
アセアセ
小「怪しいですね
えー
店を出ようとするけんじの前に、小西が立ち塞がる。

小「今日はどこに居ましたか?
えー
安「大将なら、ずっと、お店に居ましたよ…出前以外は
ニヤリ笑い泣き
清「安尾。お前はっ!タラー
小「怪しいですね
えー
清「とにかく、僕じゃないですから!
アセアセ

清「もう、いいですか?
アセアセ
小「あっ、もう一つ」
小「隣町の銀行に、二人組の強盗が入りまして」
小「逃走中ですので、気をつけてください」
清「分かりました!もう、いいですよね!?
アセアセ
小「…」

次の台詞を忘れたか、少しの間が出来る。

けんじがお店を出ようとするが、小西が体を掴んで止める。
清「止めるな!
アセアセ
小「ちょっと、待ってください!」
清「話が終わったような雰囲気、出してたやん。(苦笑)」
笑い泣き
小「出してません。(苦笑)」

小「お店を探している人が居まして、お連れしました」


小西に呼ばれ、登場したのは、
全身スパンコールでショートパンツ姿の、
昭和のアイドルのような男性・ヒロ(吉田ヒロ)。
赤色の派手なスポーツバッグを持っている。

ヒロは店に入るや否や、
ヒ「きつねにちは!…あっ、こんにちは!
ウインク
清「…」

けんじは、舞台上手に居る安尾の方を見て、
け「目、合わせたら、あかん奴や。(苦笑)」
笑い泣き


ヒロはスポーツバッグを置き、店の中央辺りまで歩む。

すると、『徹子の部屋』のオープニングテーマのメロディーで、
ヒ「♪キームチ キムチ キームチ キムチ」
ヒ「♪ルールールールールー」
ヒ「どうも、黒柳徹子です
口笛
清「…」

けんじは、舞台上手に居る安尾の方を見て、
け「やばい奴が来た。(苦笑)」


けんじは小西に対して、
清「この人、連れ帰ってもらえませんか!」

小「失礼します!
アセアセ
小西は、けんじの声には耳を貸さず、一人で去って行く。

けんじがヒロの姿をまじまじと見て、
清「犯罪起こす奴や。(苦笑)」
清「足、細過ぎる。(苦笑)」 笑い泣き
清「素足でバスケットシューズなんか、見たことない。(苦笑)」 笑い泣き
清「股間の盛り上がりも卑猥やわ。(苦笑)」 笑い泣き

ヒ「韓国から来ましタ」
ヒ「韓国では流行ってるんデス」
清「ほんまー!?」


ヒ「日本、うどん、好き」
ヒ「体験教室、お願いしまス」

と、ヒロが唐突に、
ヒ「♪ナームル ナムル ナームル ナムル」
ヒ「♪ルールールールールー」
ヒ「どうも、黒柳徹子です
口笛

けんじは、舞台上手に居る安尾の方を見て、
け「あいつ、韓国でも嫌われてると思うわ。(苦笑)」
笑い泣き

けんじがヒロに対して、
清「毎週土曜に教室を開いてますんで、土曜に来てもらえますか」
ヒ「…」
ヒ「♪サームゲタン サムゲタン サームゲタン サムゲタン」
ヒ「♪ルールールールールー」
ヒ「どうも、黒柳徹子です。(苦笑)」

清「照れるんやったら、やるな。(苦笑)」
安「あの人が来てから、汗の量が尋常じゃないいです。(苦笑)」
笑い泣き


けんじを挟んで、ヒロと安尾が同時に、
ヒ「♪キームチ キムチ…」
安「さっきから、『キムチ、キムチ』って…」

清「二人同時に喋ったら分からんから、一回黙ろうか。(苦笑)」
笑い泣き 

清「交通整理するから。(苦笑)」


けんじがヒロに対し、
清「忙しいんで、帰ってもらえますか?」
ヒ「♪ナームル ナムル…」
けんじはヒロの声に被せるように、
ヒ「早よ、帰れ!
ムキー
と、ヒロを押すように『蹴り』、強制的に帰らせる。


ヒロはスポーツバッグを置いたまま、帰ってしまった。

清「また、取りに来るやろから」
と、バッグをレジ裏に保管する。

 

 



けんじが店を出ようとすると、
覆面マスクを被り、バッグとナイフを持った小柄な男(松元政唯)が走ってくる。

走ってくる覆面男の後ろから、花子の声が聞こえる。
花「引ったくりよ!捕まえて!
ガーン

覆面男は舞台上手に立ち、ナイフを取り出すが、

真「さっき、話していた引ったくり犯かも!」
真「私、警察官を呼びに、交番に行ってくるわ!
アセアセ
と、真希が店を出て行く。


チケット入手のため急いでいるけんじは、
清「相手、弱そうやし…安尾、後は頼んだから」
安「そんな、無理です
アセアセ
安「大将、何とかしてください!
お願い

清「…もう、しゃあないなあ」
覆面男がナイフを突き出すが、けんじはナイフを避け、あっさりと殴り倒す。
覆面男は、花子から奪ったバッグとナイフを落とす。


安尾は倒れて弱った覆面男を起こして殴り倒し、偉そうにする
ニヤリ
そして、花子を抱きしめる。
清「気色悪いわ
タラー
安尾は更に、花子の肩に手を回し、得意げな顔をする。
清「『無理です』言うとった奴が、何、カッコつけとんねん!
タラー

けんじが安尾と花子に気を取られている隙に、覆面男が逃げる。


ナイフとバッグを拾う、けんじ。

そこに、警察官の小西がやってくる。

小西はナイフとバッグを持つけんじを見て、
小「やっぱり、お前が犯人かーっ!
プンプン

引ったくりの犯人と間違えられたけんじは
小西に背後から押さえられ、連行されていく。
清「安尾、何か言うてーっ!!
アセアセ
安「…仕事、仕事!
口笛笑い泣き
奥の部屋に消える、安尾。

清「安尾ーっ!
アセアセ

暗転。

 
 


けんじ・靖子・安尾・真希・花子、五人。

清「警察官には、何とか誤解は解けたけど…」
清「安尾、なんで、説明してくれんかったの?
えー
安「『仕事せえ!』、言われたから…
口笛笑い泣き
清「さっきは、仕事するタイミングちゃうタラー

清「それより、チケット、急がな!
アセアセ


そこに、借金取り・帯谷が再来する。
帯「花子、用意できたか!?」
花「まだ、用意できてないんです」
帯「ほな、事務所まで来てもらおうか」
帯谷が花子を無理矢理連れて行こうとする。

けんじはその様子を見ながらも、
清「花ちゃん、頑張ってね
ウインクアセアセ
と、チケットの確保を優先し、外出しようとする。
花「薄情もん!助けろや!
えー
真「私からもお願いします!
お願い

清「もう…」


けんじが戻ってきて、帯谷に対し、
清「無いもんはしゃあないでしょ?待ったってくださいよ!」
帯「お前、誰にものぬかしとんねん!
ムキー

帯谷はけんじを殴り倒し、更に足等に蹴りを加える。
け「痛っ!
アセアセ

安尾は両膝に手を当てて、帯谷に痛めつけられるけんじを楽しそうに眺め、
安「ぼっこぼこや!
ニヤリ


帯谷が花子を連れて行こうとする。
花「一週間だけ待ってください!」
花「積み立て貯金が満期になるんです」

帯谷が花子の服から手を離す。
帯「分かった」
帯「一週間だけ待ったるわ」

帯谷が去っていく際に、
帯「ちゃんと用意しとけよ…きつねうどん!
ニヤリ
皆「…」
客「…」
帯「…」
帯「…(小声で→)あかん
アセアセ笑い泣き

帯谷が去った。

清「また、こんな空気にしやがって。(苦笑)」
清「さっきの韓国人で、もう充分や!(苦笑)」
笑い泣き


けんじが花子に怒る。
清「積み立て貯金があるんやったら、先に話を出して!


花「ごめんなさい
ショボーン
花「…ちゃんと返せるように、パチスロ行ってくるわ
口笛笑い泣き

清「その金で返せ!タラー

花子が店から出て行った。
 
 
その6に続く