借金取りとのやりとりを見ていた由美が立腹している。
末「問題のある家のお嬢さんと雅斗を結婚させるわけには行きません
プンプン
末「雅斗、帰りますよ
プンプン

雅「ちょっと、待ってください!
アセアセ

雅斗は由美を説得すると言い、(舞台下手の)休憩室に向かう。

幸恵も一旦部屋に戻る。


立腹する和久。
和「親父の奴、皆に迷惑掛けやがって!
プンプン
和「絶対に許さん!
プンプン


そこに、和久と幸恵の父・昌雄が帰ってくる。
平「すまん…
ショボーン
和「親父!」

和久より前に荒木が昌雄の前に行き、
ア「『すまん』で済むかーっ!
プンプン
ア「駆け落ち、絶対に許しませんからねーっ!」
平「すいません」
ア「いぃよぉ~」

辻「許す許さんは和久君の気持ちや!
タラー
辻「下がっとけ!」
ア「下がります!」


辻本が和久に対し、
辻「和久君、お父さんが借金した理由を聞かな」

辻本は昌雄に対し、
辻「一先ず、椅子に座ってください」
しかし、昌雄の前にある椅子に座ったのは、荒木。

辻「なんで、お前が座るんや!
タラー
ア「…えっ?
キョロキョロ
辻「勤務中や!立て!」


辻本が昌雄に尋ねる。
辻「借金って、一体、何があったんですか?」

平「駆け落ちした女性とは別れました」
平「金の切れ目が縁の切れ目で…」
和「だから、金目当てやと反対したのに!
プンプン

平「今更…」
その時、(劇場外の)救急車のサイレンが鳴り響き、黙ってしまう、昌雄。
辻「救急車の音に負けるな!(苦笑)」
笑い泣き

平「今更…ホテルに、帰るに帰…アセアセ
想定外の出来事に動揺し、台詞を詰まらせる、昌雄。
辻『今更、ホテルに帰るに帰られへん。生活のために借金した』
辻「…そういうことやな?
ニヤリ笑い泣き
平「…」
平「どうすることも出来ずに…」
辻「マイペースに進める奴やな。(苦笑)」
笑い泣き

平「どうすることも出来ずに、帰って来たんや」
話を聞いていた荒木が昌雄に対し、
ア「だからって、死ななくていい!
ショボーン笑い泣き
辻「ちょっと待て!誰も死ぬ話、してないぞ!タラー
辻「お前の妄想や!
タラー

 
 


昌雄が和久に懇願する。
平「一千万、何とかならんやろうか
ショボーン
ア「何とか出来るわけ、ないでしょ!
プンプン

辻「和久君との問題やから、黙ろうか
タラー

和「お前のせいで、幸恵の結婚が破談になりかけてるんやぞ!
プンプン
和「ここにあんたの居場所は無い」
和「今すぐ、出て行け!」


平「…和久、聞いてくれ
ショボーン
平「結婚したい人がおるんや」

ア「はぁ~!?
ムキー
ア「何考えてんの!」
ア「ホテル捨てて、借金作って、その借金を払ってくれ?」
ア「その上、結婚!?」
ア「…パーティしましょ
口笛

辻「なんでそうなんねん!?
タラー
辻「この状況では誰も行かんぞ!」
辻「下がっとけ!」
ア「下がります!」


昌雄は結婚を考えている女性を連れてきているという。

辻本が昌雄に対し、
辻「呼んでいただけますか?」
すると、荒木が玄関に向けて、
ア「カモ~ン!
口笛
辻「お前に頼んでない!
タラー


昌雄の恋人のサキ(五十嵐サキ)が現れる。

サキのお腹を見た荒木は、妊娠していると思い込み、
サキのお腹に掌を優しく当てる。
ア「…蹴った
びっくり笑い泣き
サ「…」
サ「…自腹です
タラー笑い泣き
ア「えっ?炭水化物?…今の、炭水化物が蹴ったの?口笛笑い泣き

昌雄とサキが和久に土下座する。
平「助けてくれ!」


そこに、立腹する由美と、由美を追いかける雅斗が奥から現れる。

由美は土下座する二人を見て、
末「何、やってるの!」

荒木が土下座する二人を見ながら、由美に対し、
ア「こちらがホテルを捨て、ホステスの女性と駆け落ちし、別れ…」
ア「借金し、恋人を作り、借金の肩代わりをお願いしている、和久くんのお父様」
ア「…と、お父様の恋人です」
ア「ご紹介させていただきました
ニヤリ笑い泣き


末「情け無い!…帰らせていただきます!
プンプン

ホテルを出ようとする由美を止める、荒木。
ア「ちょっと、待ってください!」
ア「事情は分かりませんが…」
笑い泣き
辻「お前が要らんこと、言うからや!タラー

末「帰ります!」
ア「では、お帰りください
ニヤリ
辻「荒木!」

由美と雅斗が帰ってしまった。
辻「荒木、お前が連れ戻してこい!」
ア「わっかりましたー
口笛

荒木もホテルを出て行った。
辻「あいつは、ほんまに…」


和久は昌雄に対し、
和「今更、帰ってきやがって!」
和「二度と顔を見たくない!
プンプン
と言い、奥の部屋に去ってしまう。
 
 


辻本・松浦・昌雄・サキ、4人の場面。

幸恵が奥から現れる。
幸「お父さん
びっくり
昌「…幸恵
ショボーン

幸「私は、お父さんとお兄ちゃんに仲直りしてほしい!」

辻「幸恵ちゃん、どんだけええ子なんや
照れ


親子を仲直りさせ、幸恵を結婚させるため、辻本が作戦を練る。

それは、
①松浦が和久を呼ぶ
②誰か(=A)が「温泉水に髪の毛が入ってるやないか!」と和久に因縁を付ける
③和久がAに謝る
④Aは「謝って済むなら、警察は要らん!」と和久の胸ぐらを掴む
⑤昌雄がAに「殴るなら、俺を殴れ!」
⑥Aは昌雄に「お前、誰や?」
⑦昌雄は「父親です」
⑧Aは「息子を愛する父親の愛に免じて許す」
⑨その姿を見た和久が昌雄を許し、借金を肩代わりする
⑩借金が無くなれば、由美も雅斗と幸恵の結婚を認める
というもの。


辻「問題は因縁を付ける役やな」

そこに、客の玉置(玉置洋行)とゆう(小林ゆう)がやってくる。
玉「予約していた、玉置です!
ニコニコ

皆が玉置を見て、
皆「おったー!
びっくり

玉置は話を聞いていたようで、
玉「嫌ですよ?、因縁を付ける役なんて」

平「お願いします!」

ゆ「お父さん。困っている人は助けないと
ウインク
玉「それもそうやな」
玉「分かりました。やりましょう!」


玉置がテーブルに座り、温泉水を置く。

髪の毛が必要なため、辻本が松浦にお願いする。
辻「すまんけど、一本だけかまわん?」
松「分かりました」
松浦が自分の髪を掴むと、掌からはみ出る程の髪が抜ける。

驚く、辻本。
辻「えーっ!?
びっくり
辻「景子ちゃん、悩んでんの!?病気!?一緒に病院、行こ!」

松浦は何も言わず、和久を呼んでしまう。
辻「呼んでもうた!
アセアセ

急いで、髪の毛の束をグラスに入れる。


和久が現れる。

本番スタート。

玉置が和久に因縁を付ける。
玉『温泉水に髪の毛が入ってるやないか!』
和久は髪の毛の量を見て、
和「こんなに髪の毛入るわけないやろ!
プンプン
玉『謝って済むなら、警察は要らん!』
和久の胸ぐらを掴む、玉置。

辻本が小声で、
辻「謝ってないぞ
タラー


そこに、由美と雅斗を連れ返してきた荒木が戻ってくる。

荒木は胸ぐらを掴んでいる玉置を見て、止めに入る。
ア「和久さんに、何やってんの!
びっくり

ここで、昌雄が出てきて玉置に言うはずが、間に居る荒木に対し、
平『殴るなら、俺を殴れ!』
言われた通り、荒木が昌雄を殴る。


荒木は玉置に対し、
ア「警察に突き出しますよ!
プンプン
玉「警察は勘弁してください!親子を仲直りさせる芝居を頼まれたんです!
アセアセ
ア「誰に?」
玉「そこの平山さんに
アセアセ

和「芝居やと!?絶対にゆるさんからな!
ムキー
和久が昌雄を殴る。

由美は呆れ、雅斗を連れて帰る。

ア「何でこうなったんや?
ショボーン
辻「お前や!
タラー

暗転。
 
 
その5に続く