⒎
⑴
それから、一週間
啓之と安世は結ばれるどころか、
安世は真べえと交際を始めてしまう。
二人のデートを見送る、啓之。
⑵
啓之と大介、二人になる。
啓「ほんまに安世ちゃんと結婚できるんか?」
諸「大丈夫ですよ!ちゃんと僕、居てましゅから」
その時、大介の体に異変が見え始める。
諸「未来が消えかかってましゅ!」
諸「舌が消え始めて、なんだか、喋り難いでしゅ!」
啓「元からやないか!(苦笑)」
⒏
⑴
大介は「このままでは不味い」と、
真べえを別の女性に惚れさせ、安世と別れさせる案を提案する。
諸「一万円で真べえさんを誘惑してくれる女性、おらんかなあ?」
啓「そんなん、おるわけないやろ!(苦笑)」
そこに、スナック店員の直子が顔を出す。
今「やりましょ!」
直子は話を聞いていたよう。
大介が直子の外見に対して、
諸「こんなんじゃ、誘惑出来るわけない」
今「なんでやねーん!」
⑵
デートに向かったはずの真べえが戻ってくる。
真「すみません、大阪に不慣れで…」
真「オススメのデートスポット、知りませんか?」
今「それなら、私とデートしましょうよ」
今「いいところ、沢山教えてあげるから」
真「行きません」
寄ってくる直子を払いのけようとして、直子の胸に微妙に指が当たる。
今「ピュッ」
真「…?」
ピュッピュッルッピュッドンで終わるが、客席は微妙な反応。
今「乳首触るんやったら、ちゃんとやりなさいよ!」
真べえが直子から逃げ去っていった。
⑶
大介が直子に尋ねる。
諸「『ピュッ』って、何ですか?」
諸「全然、盛り上がってなかった」
今「あの…次は大丈夫です」
今「真べえがダメ」
今「慣れてないから、緊張感が伝わる」
諸「人のせいにしない」
⒐
⑴
安世と真べえがデートから戻ってくる。
そこに、チンピラ・タグが再来する。
タ「この前はようやってくれたなあ!」
タグがピストルを取り出し、安世を人質に取る。
タ「ショバ代、払わんかい!」
⑵
大介がタグの前に出る。
諸「その人を放せ!」
タ「兄ちゃん、やるっちゅうんかい!」
諸「なめんなよ!」
諸「俺は空手を20年やっとんや」
諸「来る日も来る日も左拳を鍛え続けて、鉄の拳が出来上がった」
諸「骨が折れても知らんぞ!」
と、野球のグローブにボールを入れるように、
右手の掌に左拳を叩きつける。
その瞬間、大介が痛そうな顔をし、
諸「右手、折れました」
そのまま後ろに下がる、大介。
⑶
啓之がタグに対し、
啓「その子を放してくれ!」
啓之が安世を助けに行き、揉み合いになったところ、
拳銃が発射され、啓之のお腹に命中してしまう。
啓之は倒れる。
拳銃を発射するつもりはなかったようで、
驚き、逃げる、タグ
⒑
倒れた啓之が起き上がる。
啓「全然、痛くないんやけど…?」
なんと、服のポケットに締まっていた『未来の洗濯機』が弾丸を防いでいた。
諸「あの湯呑み!」
啓「洗濯機、ちゃうんかい!」
諸「(何を言っているのという感じで)洗濯機!?」
啓「ポケモンGO、出来る言うてたやん!」
諸「(何を言っているのという感じで)ポケモンGO!?」
⒒
⑴
安世が啓之に感謝の言葉を述べる。
安「啓之さん、私のために…無事で良かったです」
安「ありがとうございます」
⑵
大介が安世の目を見て、サインを感じ取る。
啓之を呼び寄せ、
諸「告白しゅるなら、今でしゅ!」
諸「行けましゅよ!」
啓「まじで!?」
啓之が安世に告白する。
啓「安世さん、僕とお付き合いしてもらえませんか?」
安「啓之さん…」
安「ごめんなさい!」
啓「えっ!?何で?」
安「『何で?』って、真べえさんとお付き合いしているから…」
諸「何で告白したん!?」
啓「お前に言われたからや!」
⑶
その時、真べえが啓之と安世に対し、
真「拳銃が怖くて、僕は動けなかった」
真「啓之さんの方が安世ちゃんの彼氏に相応しいです」
真べえが安世から身を引いた。
⑷
諸「告白しゅるなら、今でしゅ!」
諸「行けましゅよ!」
啓「ほんまに!?」
啓之が安世に告白する。
啓「安世さん、僕とお付き合いしてもらえませんか?」
安「啓之さん…」
安「ごめんなさい!」
諸「学習しろよ~!」
⑸
啓之が安世に尋ねる。
啓「僕ではダメですか…」
安「そうしゃなくて、私から言わせてほしいんです」
安「啓之さん、僕 私とお付き合いしてもらえませんか?」
啓「喜んで!」
啓之と安世は、めでたく結ばれた。
⒓ 終
⑴
啓之と安世に仲良くするよう忠告し、未来に帰ろうとする大介。
啓之が手を出し、大介に握手を求める。
しかし、大介は握手に応じようとしない。
諸「握手したら、別れるのが辛くなるから」
啓「…そうか」
諸「…ごめん。本当は汚しょうだから、握手したくない」
啓「おいっ!未来の親父やぞ!」
⑵
直子は啓之・安世・大介の親子をうらやましそうに見ながら、
今「私も結婚出来るかな?」
諸「直子しゃんも未来でちゃんと結婚してましゅよ」
諸「友達が直子しゃんの子で」
諸「そういえば、友達も直子しゃんに会いに行くって言ってましたよ?」
⑶
「ドッカーン!」
店先から衝撃音がする。
皆が店先の方を注視していると、
直子と同じおかっぱ頭をした、全身銀色服の男性(ダブルアート・タグ)が現れる。
タ「お母さん♪」
今「嫌~!」
終。
[雑感]
息子が現在にやって来た時点では、両親は恋愛関係ですらなく、
来る時代から、息子の行動はズレていました。
不仲を忠告するなら、もう少し先でしたね(苦笑)。
18/03/17、18
【よしもと漫才ライブ・極新喜劇】 完