⒔
⑴
太一郎一人の場面。
太「計画は決まった」
太「このオモチャのピストルを撃ったら…」
太「二人が現れる」
太「皆、驚くやろな」
太「その後、俺のプロポーズや!」
⑵
けん婆ちゃんや旅館スタッフが現れる。
けん婆ちゃんが太一郎に対し、
け「佐藤さん、驚きましたよ…」
太「もう?」
け「そんなことしたら、幸恵が泣くよ?」
太「そうですよね!」
け「そんなことして、嬉しい?」
太「嬉しいですよ!」
⑶
そこに、チンピラの岳夫・啓之が再訪。
岳夫はピストルを持っている。
啓之は耕一にターゲットを決めたようで、睨んでいる
けん婆ちゃんがチンピラに対して、
け「全部ばれている。白状しなさい」
信「マジか…どうしますか、裕の兄貴?」
け「えっ?」
⑷
由美が外出から戻ってきた。
チンピラ達は、咄嗟に由美を人質に取り、ナイフを向ける。
け「花ちゃん、どういうこと?太一郎とグルちゃうの?」
花「さあ…?」
⑸
け「裕君、これはどういうことや?」
裕「幸恵と結婚して、花月旅館を乗っ取るつもりやった」
幸「私のこと、好きじゃなかったの?」
裕「お前なんか、好きなわけないやろ!」
緊迫した状況にもかかわらず、
真希はけん婆ちゃんに対し、
真「見る目がないのは、お母さんの方だったみたいね」
⑹
けん婆ちゃんが太一郎に対し、
け「じゃあ、あなたが企んでいたという話は…」
太「僕がオモチャのピストルを撃ったら、サプライズで両親が現れて踊る」
太「その後、幸恵さんに告白する作戦でした」
け「はっ?」
⑺
裕「うっさいわ!」
皆を、黙らせようとピストルを上に撃つ。
すると、舞台が薄青くライトアップされ、
客室に繫がる扉が大きくライトアップされる。
(太一郎との打ち合わせどおり)
扉から、金色服のピコ太郎に扮した友見とチャーリーが登場。
PPAPの音楽が流れ、
友「♪I have a 指輪」
友「♪I have a 婚姻届」
(ふたつをくっ付けて)
友「♪結婚して下さい」
チ「♪まんま食って ぽっぽー」
⑻
け「終わりや、終わり!」
けん婆ちゃんが、音楽を止める。
け「ほんで、チャーリー。歌うならちゃんと、PPAPに乗せて歌え」
け「何て歌うてた?」
チ「♪まんま食って ぽっぽー」
け「意味がわからん」
チ「『ご飯を食べたら、オナラが出るよ』ってこと」
け「…何やねん!(苦笑)」
⑼
けん婆ちゃんは太一郎に対し、
け「こんなサプライズ、誰が喜ぶの?」
け「大体、お前の胡散臭さが全ての原因や!」
太「はっ?」
け「はっ?」
太「真似すんな!」
太「止めろ!」
すち子の役割を、けん婆ちゃんが担当。
太一郎は、真希・耕一・花子にも振り、真似させる。
幸恵に対しても、大袈裟に
太「幸恵さんからも、何とか言うてください!」
幸「ゆひねなんならの、なんのかゆうねくなさに!」
幸恵に真似させていおいて、
太「幸恵さんのこんなん(太一郎の大袈裟な真似)、見たない!」
けん婆ちゃんがぼそっと
け「…疲れた」
太「『疲れた』とか、言うな!」
⑽
見ていた裕
裕「皆、ほんまに疲れとるやないか!(苦笑)」
裕「ワシら放ったらかしで、何やっとんねん」
裕「たまりませんわーっ!」
⒕
⑴
岳夫が前に出て、けん婆ちゃん達を威嚇する。
岳「オレのこのナイフ」
岳「オレの根性…見せてやる」
け「何や、『オレの、オレの』って」
け「オレのこのナイフ」
け「オレの根性」
け「オレの新喜劇」←信濃さんの5/26のイベントタイトル
岳「それは言うてない!」
け「あんたの事じゃないけどね」
け「私の知り合いの清水けんじの知り合いの信濃岳夫…」
け「こいつが、来月、イベントをするらしい」
け「…タイトルが気に入らん」
け「何が『オレの新喜劇』や!」
客席に掌を向け
け「みんなの新喜劇じゃ!」
客席から大きな拍手
け「お前なんか、新喜劇の長い歴史で何にも残してない」
け「これからもな」
け「30年後、お前の写真を見た後輩にこう言われる…『この人、誰ですかね?』」
⑵
け「イベントの席を埋めるために、あちこち連絡して」
け「普段、交流が無い、よう知らん人にまで」
け「評判、悪いぞ!」
け「さっき言うた、知り合いの『清水けんじ』いう人な」
け「信濃岳夫と共通の知り合いがいるようで…」
け「その知り合いから、苦情の連絡があったらしいわ」
け「『チケット売りつけるの、なんとか止めさせてもらえませんか?』って」
け「信濃岳夫と『佐藤太一郎』は、方々に迷惑かけとる」
太「俺!?」
耕「俺の知り合いの『烏川耕一』にも、苦情の連絡が来てる」
耕「あっ、俺は太一郎の方だけやけど」
太「今は、俺のコーナーちゃうから」
け「太一郎に関しては、フェイスブックを通じても、チケット売りで迷惑を掛けとる」
岳「今は、俺が弄られる番。俺のターン!」
⑶
け「ついでに言うたるわ」
け「信濃岳夫は、楽屋でAV女優のツイートばかり見とる」
け「ツイート自体は別にええんや」
け「ツイート見て、エロいこと妄想している岳夫に吐き気がする」
岳「お前も喜んどったやないか!」
岳夫の反撃。
岳「清水けんじは何を見ても、『可愛い』と言ってて、気持ち悪いし、おかしい」
岳「まだ、お店とかやったら、ええよ」
岳「この坂、可愛い」
岳「終いには、『谷町六丁目が可愛い』って言い出してる」
け「おっ、考えてきたんか?」
拍手を始める、けん婆ちゃん
観客も釣られるように拍手
⑷
けん婆ちゃんは、裕の先月のイベント(『吉田裕の新喜劇』)にも食って掛かる。
け「お笑いのイベントで、長渕4曲って…」
け「何の笑いもない!」
け「次、客減るわ!」
裕「フェイスブックで客増やすよ」
け「言いたいこと、言えた」
⒖
⑴
人質の由美がけん婆ちゃんの前まで歩いてきて、
口を開く。
由「いつまで、言うとんや」
由美が再び人質になり、芝居再開。
⑵
裕「逃走用の車、用意せえ!」
裕「さもなっ、いと、人質がど、うなっても知らんぞ!」
耕「ちゃんと喋れ!」
裕「詰まることもあるやろ」
耕一が由美を救いに行くが、裕に殴られ、
上手に逃げてくる。
「もう無理です」とばかりに、顔を震わせる耕一
真希が、殴られた耕一の体を心配そうにしている。
⑶
その時、『プー プー』とオナラの音が鳴り始める。
けん婆ちゃんがチャーリーの方を見て
け「こんな時に…まだ、オナラ、止まらんの?」
チャーリーは自分じゃないという素ぶりをする。
客室に向かう扉が開き、オクレが現れる。
オクレがオナラな主だった。
け「おっさん、隠れて食うたんか!」
真希がオクレを見て、
真「一郎!」
け「一郎!?」
け「20歳やろ?…どんだけストレス掛かったんや!」
⑷
一郎が、裕やチンピラに向け、
一際大きなオナラをする。
『プー!!』
倒れる裕達。
けん婆ちゃんは、裕達を懲らしめようとするが、
一郎の頭を見て、
け「ちょっと待て。今は犯人より、こっち(頭)や!」
け「何で、頭に黒のテープ貼っとんねん!(苦笑)」
け「…後で、じっくり聞くわ」
⑸
警官・藍が登場し、裕達を連行する。
啓之は裕の言いつけを守り、
(舞台から捌ける)最後まで耕一を睨み続けていた。
その7に続く