17/02/28 【闘う男 第2部】

 

『I'm Only Sleeping ~赤垣源蔵本人による特別解説付き』

 

[概要]

古典に忠実に、 忠臣蔵の赤垣源蔵が切腹するまでを

幽霊の赤垣が回顧する話。

 

表面的には、落語的な見せ方。

出囃子に金屏風に高座。

扇子を剣に小刀に見立て。

ただし、座って話すというわけではなく、

普段は幽霊、高座に居る時は生前の赤垣源蔵、という設定。

 

30分。

 

 

[脚本]

桂正樹子

 

[演出]

大塚雅史

 

[出演]

佐藤太一郎

 

 

[物語]

(有名な、『徳利の別れ』→仇討ち→切腹の話のため、源蔵の心情を中心に)

 

この時代、

『仇討ち』は、結果に関わらず、待つのは死。

 

兄に会えない源蔵は、眠れない日が続く。

その先に見えるのは、

自分の人生を振り返り、自分は何者だったのか、自問自答する姿。

 

切腹に向かう前日。

 

源蔵は相変わらず眠れない。

「これから、いやというほど眠れるさ」

 

「生きたい」

笑顔で呟く、源蔵。

 

「 …生きたい ……生きたい………生きたい」

10回以上、同じ言葉を繰り返す内、

笑顔から、生を切望する涙の顔に変わる。

 

「どんなことがあっても、俺は生きたい!」

 

切腹の時間が迫る。

 

「忠臣蔵では、こんな俺すらも美しく描かれる」

「美しいものは、永遠に美しくなければならない」

 

The Beatles『I'm Only Sleeping』に合わせた、切腹シーン。

 

悔し涙で「生きたい」と叫んだ源蔵が、

切腹の直前、微笑みを浮かべる。

そして、桜が舞い散る中、切腹。

 

暗転。

 

 

閉幕。

 

 

 

[備考]

 『I'm Only Sleeping』。

 

The Beatlesの名盤、 『Revolver』の収録曲です。

 

一枚のアルバムとして、非常に優れている作品で、

その中でも、個人的に、特に印象的な収録曲が『Tomorrow Never Knows』です。

 

50年以上前に製作された、未来を行く楽曲。

と同時に、作品が残り続けるために最も重要な『普遍性』を備えている楽曲でもあります。

 

名作は時代を越える。

永遠に美しく。

 

 

The Beatles - I'm Only Sleeping

 

The Beatles - Tomorrow Never Knows

 

 

 

17/02/28

【闘う男】 完