2022/5/2

 

JASRAC(日本音楽著作権協会)と大手の音楽教室の著作物使用料徴収を巡る対決という、実話を元に、書かれたお話です。

 

この著作権問題で、音楽教室がざわざわし始めた頃、当時小学生だったうちの息子も、ピアノ教室に通っていました。

 

その問題に関するチラシが配られたり、著名活動が行われていたことを、うっすらとですが、覚えています。

 

武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……

【著者略歴】
安壇 美緒 (あだん・みお)
1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。

 

 

この本を読みながら、以前、ブログでご紹介した小説「BAR追分」に出てくる、温かいコミュニティの人たちを思い出しました。

 

この本もまた、人と信頼関係を築くことの大切さを、教えてくれます。

 

読み終わった後は、

 

人の声に一番違いと言われている弦楽器、“チェロ”の音色に触れたくなったり、

 

楽器を習いたくなったりするかもしれません。

 

最初から最後まで、面白かったです。