エルビスだぜ!ROCKだぜ!
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作成日付 2005/9/11(日) 午後 10:31 | 書庫 映画、音楽、読書 | カテゴリ その他趣味

 音楽。。。エルビス死去のニュースは津波のように世界中を呑込み、大阪の我が家にも、仕事帰りの親父が「俺の青春だった…」と涙を潤ませて、この追悼ベストアルバムを買って来たことで伝わった。その後、エルビスは親父に2度と聞かれる事なく、ピカピカの舞台衣装に埃をまとった。
 その当時我が家の客間には、大して音楽に興味も無いくせに、親父が見栄で購入し、使用を禁止されていた、大袈裟なほどでかいステレオがあった。
 誰もいない夏の日、ちょっとした好奇心でステレオをいじった。小学生の私にはまるでSFの世界。だって、playだってstopだって読めるはずが無い。そんな中、レコードだけは親父がボタン一つで動かすのを一度だけ見ていたので知っていた。なんだか分からないけど、度派手な青いスーツを着たモミアゲオッサンのレコードをジャケットから慎重に取り出し、レコード盤の上に。ドキドキしながらstartボタンをON!
 私の耳にピカピカ閃光を放つロックンロールと、恋も愛もわからぬハナッタレにドキドキするような、大人のバラードが立て続けに流れた。何故か心臓がドキドキした。 音楽に関心を持ったのは、あの暑い夏の日だ。
クラスメートの殆どが、アイドルやアニメの音楽に夢中になっている頃に、何も取りえのないチビの私が、洋楽を聞いている。それだけでも、何か背伸びをしているような自慢だったのかもしれない。
でたらめな「love me tender」を口ずさみながら学校から帰るハナッタレ。今、思うと気持ち悪い…
とにかく洋楽との出会いはその頃だ。
洋楽を聴くようになってから、音楽に対する興味範囲が広がった。そして、その矛先は洋画の映画音楽に。ロック、ポップ、ジャズ、ブルース…映画音楽は幅が広い。親に内緒で、枕の下にポータブルラジオを隠して、FMを深夜まで聞いた。親が部屋の近くに来るとラジオのスイッチをOFFにする。とても、ドキドキしながら、枕の下のラジオのせいで耳が痛くなったけど。幸せな時間だった。
ラジオ局にハガキでリクエストする。何度か願いが叶い、中学ではたまたま聴いていたクラスメートから声を掛けられ鼻高々。
初めてリクエストで流してもらったのも、当然、エルビス!今じゃ滅多にエルビスは聴かなくなったけど、洋楽はチビで何も取りえのない私に、新しい世界と喜びを教えてくれたような気がする。心臓が爆発するようなロックを知って、適当なステップを踏んでいたあの頃。甘辛も知らないのに、バラードで胸を締め付けられてたあの頃が懐かしい。
 音楽って奴は、凄いもんですよ!