前々回はベストグループにのめり込んだ経緯、前回はベストグループへの信仰が薄れていった経緯を書いた。今回は、ベストグループの教えから解放された経緯を書いてこうと思う。
うつ病の診断
入社以来私はバリバリ働いた。残業もそこそこした。ずっとやりたかった仕事に就けて嬉しかった。私の頑張る場所はここだと思って精一杯働いた。そんな中、社会人2年目の冬のはじめごろ、仕事中ぼーっとすることが増えてきた。仕事が、手につかない。デスクに座って文字を読もうとしても文字を目が追っているだけで頭に入ってこない。家に帰ると何もできない。そういえば高校3年の秋もそんなことがあった。勉強が手につかなかった。一世一代の受験だったのに。勉強しなきゃしなきゃと思うほど手につかなかった。しかし高校の時は受験が終われば勉強量も大きく減り、楽しい大学生活が始まったのでなんとかなったが、仕事はあと30年以上続いていく。これは、やばいと思った。うつ病だった母親が頭をよぎった。
もしやと思ってネットで症状を調べた。どうやら私の症状はうつ病に近いもので、精神科に行った方がいいらしい。私は急いで精神科の予約をした。
診察を受けると案の定、うつ病だと診断された。この症状に病名がついて安心した。仕事に手がつかないこと、家に帰ると疲れ果てて何もできないことは病気のせいであって私のせいじゃないと分かったからだ。
そこから薬物投与とカウンセリングによるうつ病の治療が始まったが、仕事のやる気はまだまだあった私はあろうことか上司に「うつ病と診断されたが仕事量は減らして欲しくないです」と言ってしまった。今考えると私は治療を一番にすべきだし上司は部下にそれを言われても強制的に仕事を剥奪して欲しかったが、そこまで精神病に詳しくない上司だったんだろう、仕方がない。うつ病なのに普通の人と同じ量の仕事をしていたある日、私は突然会社に行けなくなった。ベッドから全く動けなくなった。無断で3日休み、そのまま休職することになった。
リワークセンター
元々休職は数ヶ月だけのつもりだったが、一ヶ月増えまた一ヶ月増えとずるずる伸びていくうちにもうすぐ休職して1年というところまできた。休職は最大1年半だ。そろそろ復職しないと、と思っていたが、なかなか病状が改善しない。そんな折、医師にリワークセンターを勧められた。なんでもいいから改善するきっかけが欲しくて二つ返事で通うことに決めた。リワークセンターとは
リワークセンターとは、うつ病などのメンタル不調で休職している人が、職場復帰に向けて準備をするための支援機関のことだ。職場復帰だけでなく再休職を防止するためにもあり、生活リズムの回復、自己理解、再発防止策、職場でのコミュニケーションスキルなどを学ぶことができる。
私が通っていたリワークセンターは通院している病院が運営していたので安心して通うことができた。
リワークセンターでの学び
私が通っていたリワークセンターでは上記にある通り講義やプログラムがあるほか、好きな作業をできる時間とスタッフの方と面談できる時間があった。好きな作業をできる時間ではいつも読書をしていた。読書はメンタルに関する本を選んでいた。
リワークでのプログラムや読書で学んだ内容と、ベストグループの教えの内容が相反することに気がついた。
例えば、白黒思考をしないというものがあるが、 ベストグループでは大先生を選ぶか選ばないかと教えられてきた。何をするにしても何を考えるにしてもそれは大先生を一番にしている行動なのか思考なのか。
例えば、厳しい環境や苦労から逃げることは甘えではないと学んだ。しかし大先生は苦労は買ってでもしなさいと言った。
おかしい、正しいはずのベストグループが医学に矛盾している。胸がざわついた。
ベストグループが医学に矛盾するなんてそんなわけないと思う反面、その違和感を皮切りに様々な違和感に気づき始めた。
大先生はゲイやレズビアンを気持ち悪いと言った。人間は男女の組み合わせが正しいと。本当にそうなのか?
大先生の一日研修は一人一万円程度であり、そのお金は「研修の会場設備費やベストグループの運営、寄付に役立てています」と言っているが本当なのか?そんなにお金がかかるものなのか?(ベストグループの研修で使われている会場の費用と集金した合計金額はまた別記事に記載したいと思う)
なぜ大先生の息子が経営する会社がベストグループで販売している商品を作っているのか?
大先生がサイババから認められたという証拠は?
幼い頃から曲がりなりにもベストグループに参加して大先生を信じていた私のうつ病を大先生はどうして気づいて、止められなかった?
本当に大先生が神なら、全知全能の神なら、私のうつ病の種のようなものに気がつく筈だ。そしてそれを治してくれるんじゃないのか。私は本当にベストグループや大先生に救われていたのか?大先生は本当に、神なのか?
もし、神じゃないとしたら。
生まれて初めて考えたことだった。大先生を疑うことは悪だと教えられてきたから。悪魔側の考えだと教えられてきたから。心が汚れてる証拠だと教えられてきたから。
もし、神じゃないとしたら、全てに説明がついてしまった。
大先生が私の病気に気が付かなかったのも普通の老人だから。
サイババから認められたという事実もなかった。
大先生の家族が儲けるために商品を作っていた。
信じていたものが足元から崩れる音がした。私は混乱で涙と嗚咽をあげた。
私の人生は何だったんだろう。
ずっと信じてきた。20年以上信じてきた。私の世界の基盤だった。大先生を信じることが全てだった。
だが同時に安心もした。ベストグループでは心が汚れた人がうつ病になると教えられてきた。私は心が汚れていないんだ。ベストグループ以外の人は悪魔側と呼ばれるがそんなものないんだ。来世が石ころになるなんてこともない。ベストグループで植え付けられた恐怖は消し去っていいんだ。
こうして私はベストグループの洗脳が解けた。ベストグループの教えも影響しうつ病になったが、うつ病になったおかげでベストグループがカルトだということに気がついた。初めてうつ病になって良かったと思った。
ここまで、ベストグループとの出会いから洗脳が解けるまで読んでくれた方、本当にありがとう。
次に書きたいテーマとしては「ベストグループのどんな教えが精神的不調へ繋がったのか」「ベストグループのお金周りのこと」など。また読んでいただければこの上なく嬉しい。