(江戸文化に詳しい田中優子・法政大学社会学部教授の話)
江戸の人々は富士を眺め、川や海を愛し、
花や庭園を楽しみ、自然を満喫していた。
世界の人口最多都市が自然にあふれていることを、
ヨーロッパ人も感嘆していた。
今や東京は人工物の高さを誇り、
経済力のみを競うドバイのような都市だ。
東武鉄道の「業平橋駅」という、
伊勢物語と水辺の美しさを思い浮かべる駅名が
「とうきょうスカイツリー駅」になったのは残念。
やがて後悔するでしょう。
人工物に人が押し寄せるのは最初だけ。
せめて、
隅田川べりの江戸文化の記憶をたどる動きが出てくれれば。
まだまだ残っている東京の水と自然にこそ、
思いを寄せてほしい。
