前回、どれほどリアルさを求めるのかによってリアタイの評価は変わるという趣旨で締めくくったが、今回はそのことについて詳しく解説しよう。

 

現在のリアタイが超打高投低の環境にあることは、先に述べた通りだが、もしも野球のリアルさを追求するのであれば現在の環境は決して良いものだとは言えない。このゲームの最大の魅力は、選手のフォームや球場など、細かい部分まで忠実に再現されているリアルさであると考えている。リアルさが売りであれば、今挙げた外見的なリアルさだけでなく、内容的なリアルさも再現してほしいというのが私の個人的な意見である。

 

私が思う内容的なリアルさというのは、大まかに言えば「試合展開」のことである。そもそも、現実の野球で1イニングに4、5点取る試合が続くことは滅多にない。そしてそれに簡単に追いつき、あわよくば逆転という展開もなかなか起こるものではない。また、以前より打撃操作が相対的に簡単になっているという事実は盗塁やヒットエンドラン、バントなど機動力を絡めた野球をする必要がなくなってしまっている。(この点は前環境から続く問題)

 

さらに問題なのは、オーダー入りする投手の選択肢が、非常に狭くなってしまっている点だ。前環境ではスライダーとカットボールさえ持っていれば、ある程度通用したことから、投手の選択肢が今よりもたくさんあったという点が現環境との大きな違いだろう。(スライダーとカットボールは変化球の中でも基本中の基本であり、多くの投手が持ち球にしている。その球種が強力だったことが、現環境との違いを生んでいる理由だ。)

 

現状、多種多様の投手が排出され、フォームが再現されている投手も多数いるにも関わらず、限られて選手ばかりが使われていることは、リアル野球ゲームの本質から逸脱しているように感じる。ゲーム上で様々な選手が活躍すれば、野球そのものはもちろん、選手それぞれの認知度を上げることができ、野球界にとってもゲームにとってもプラスになるはずだからだ。

 

また、前環境の菅野投手や西口投手の様に、「この投手が投げれば猛者とも対等に渡り合える」という投手は現環境では存在しない。現在は、高い能力と多彩で強力な球種を持ち合わせている投手でも、ひとたびランカーに当たれば、大量失点や乱打戦は日常茶飯事である。彼らに通用する配球というものは基本的にないため、相手が打ち損じることを祈るしかない。この環境においては相手打線を抑えるという概念自体存在しないような状態なのだ。今、投手操作に必要なのは高度な配球術などではない。結局は"運"に頼るしかないのだ。

 

一方で、「ゲームなんだから、どんな形であれ試合になればいいだろう」と主張する方もいるだろう。そもそも目と指を使えばできるゲームに本物の野球の要素を求めることは無理があると言える。また、2イニング+1イニングの特別延長というシステムで行われる試合に試合展開までリアルさを求めるのはお門違いのような気もするので、ゲームとしての楽しさを主張するのも一理あるだろう。

 

スラカット時代から鍛錬に鍛錬を重ね、当時から打率4割を超えていた方々は、今の環境では5割越えをすることなど余裕であり、勝率もうなぎのぼりになっているはずだ。そのような方々にとってはこの環境はいいのかもしれないと、我々弱者は思うが、冷静に考えれば、猛者に環境など関係ないのかもしれない。

 

私は圧倒的にリアルさを追求する方の人間なので、今の環境には不満を持っている。ただ、私のような無課金のプレイヤーでも楽しめるゲームであることは間違いないので、文句を言ったり、クレームをつけるようなことはしたくない。個人的には、前回の球種のアップデートからは1年が経過したため、そろそろ仕様変更があるのではないかと期待している。

 

次回は、具体的にどのような点を改善すればさらにリアルさを演出できるのかを考える。