プロスピAのコンテンツの中で最も注目や関心が高いのは、「リアルタイム対戦」だろう。2018年の4月から段階的に導入されたコンテンツだが、リアルタイム対戦で強くなることは、今やプロスピAプレイヤーの一種のステータスと言える。

 

そんなリアルタイム対戦だが、私よりずっと前からプレイされている方や、私と同じくらいの時期にプレイし始めた方は、現在の環境に戸惑いを感じている方も多いのではないか。私自身は、戸惑いを通り越して、不満を感じているのだが...

 

その理由としては、現在のリアタイの環境が超打高投低であることが挙げられると私は考える。最近プロスピAをはじめた方はよくわからないかもしれないが、現在、上位のプレーヤーは打率5割以上、最上位層は6割超えというのが当たり前の世界になっている。私がプレイし始めた当初は、4割打てれば上位、5割台はほんの一握りの猛者に限られていた。もちろん、リアタイが常設されてから月日が経ち、プレイヤーが慣れてきたということもあるかもしれないが、現在のような環境になるまでには、いくつかの明確な理由があったと私は考えている。今回から数回にわたって、リアタイに関しての個人的な意見をいくつか紹介しようと思う。

 

 

〇なぜ超打高投低の環境になってしまったのか

リアタイ界隈には以前、「スラカット」という言葉があったことをご存じだろうか。長きに渡ってプレイされている方はご存じの方も多いと思うが、リアタイの投手操作でよく用いられていた、スライダーとカットボールの2球種をひたすら使い分ける配球のことを指す。当時、スライダーとカットボールは回転の仕方や回転量が全く同じで、見分けるのが非常に難しかった。つまり、同じ回転の球種で変化量の違いを利用しすることが王道の配球だったのだ。

 

そんな中、最強だったのが今TSで登場している西武の西口投手や、巨人の菅野投手である。そして、基本的に変化量の差が重要だったため、変化量が小さい投手でもスライダーとカットボールさえ持っていれば、それなりに抑えることが出来た。だから、今の環境より投手の選択肢が圧倒的に多かったのだ。(ツーシームも当時から強かった)

 

転機となったのは、約1年前。運営から突如として変化球の回転が変わるということがアナウンスされた。私自身、当時はプロスピAをはじめて半年程しか経っておらず、ようやくスラカットに慣れてきた頃でもあったため、衝撃を受けたことをよく覚えている。この時のアップデートは、横方向の球種のうち、第2球種の回転数が変化し、見分けることが容易になったり、それ以前までツーシームに近い回転をしていたワンシームやシンキングファストが独自の回転となったりして、それまでの環境と比べて明らかに打者が有利になるような内容だった。

 

現在よく行われている「ツーシームスプリット」や「スプリットフォーク」など、いわゆる縦の変化球を中心に攻める配球が主流になったのはこの時からである。繰り返しになるが、ここで重要なのは、単純にスラカットが封じられたということだけでなく、変化球ひとつひとつの回転が独自の色を持つようになり、見分けがしやすくなったことで、ほぼ全ての球種がリアタイにおいては弱体化してしまったという訳だ。

 

現在でも、同方向で変化量が違う球種を持っている選手はよく使用されているが、アップデート以前の環境には全く及ばないと個人的には考えている。このアップデートの1ヶ月後、今度は各球種の回転量が多くなる(正しくは多く見える)仕様が追加されたが大勢に影響はなかった。

 

なぜこのようなアップデートが行われたのか、詳細を伺い知ることはできないが、おそらく元々の仕様が初心者には難しすぎたというのが真相ではないかと個人的には考えている。私はこのゲームにどっぷりハマり込んでしまったので、そのようなことはなかったが、当時のビギナープレイヤーの中には、打撃操作が思うようにできず、なかなか勝てないリアルタイム対戦に嫌気がさして、辞めてしまうプレイヤーが多かったのではないか。このゲームは確かに、ある程度の野球の知識と忍耐力を兼ね備えていなければ真剣にやり込むことは難しい。特に無課金はガチャもなかなか引くことができず、マネジメントをしっかりしていないとエナジーもいい選手も手に入れにくいため、辞めたくなるのも無理はない。

 

事実、この仕様変更以降、具体的には昨年の秋頃から、肌で感じるほどプレイヤーが急増した。私自身の周りでも急にプレイする人が増え、イベントなどでは今までは考えられないような数字が叩き出されたりもした。つまり、打高投低の環境になったことでプレイヤー数が増え、コ〇ミ願ったりかなったりの状況になったわけである。

 

そして最近はリアタイの技術的な面の緩和だけでなく、イベントやキャンペーンも明らかな変化が見て取れる。具体的には、Sランク選手が明らかに手に入りやすくなった。最近ではダルビッシュ投手とのキャンペーンが印象的だが、その他にも、現在開催されているイベント、「バッティングトラベラー」の累計報酬である「TS確率33%Sランク契約書」が、以前は存在していなかったことをご存じだろうか。当時は「Sランク確率30%TS契約書」という契約書で、30%を外せば、Sランク選手は手に入らず、TSのAランクが手に入るという無課金にとっては鬼畜仕様に他ならなかった。

 

このような変化をどのように捉えるかは個人の考え方次第だが、様々なアップデートや仕様変更の裏にはゲーム本来の商業的な側面があるということを考慮しなければいけないだろう。

 

 

【次回、超打高投低をどう評価すべきか】