の中にあるもの
(登ってると)いつか見えなくなるもの
それは側にある色(課題指示マーカー)
い・つ・も 思い出して〜♪

君の中にあるもの
距離を取って見たルート
壁のしたの貴方の
指のかかり 足の運び
ムーブで超えてゆけ♪


登ってる際の「あれ?次のホールドどれだっけ」は、普通にボルダリングあるあるだと思います。
オブザベしてても普通に忘れるんですよね…笑い泣き



さて、今回は「オブザベって何?」です。

ジムで壁を登らないでじっと見つめている人とか、壁を見ながら手を動かしている人がたまにいますが、
そういう人はまず間違いなくオブザベをやっています。

オブザベ(オブザベーション)とは、壁を登る前に壁を見ながらどうやって登るかをイメージすることです。
端的に言えば、登るためのシミュレーション
かっこよく言えば、登攀計画

まぁ要するに、実際に登る壁(ホールド)を見ながら、「右手を出す?左手を出す?じゃあ足はどこに置く?」みたいなのを考えることです。
アレです、電車とかに乗ってるとき、窓から見える電信柱や屋根の上をぴょんぴょん飛んでいく忍者の妄想、
あれのボルダリング版です。
何を言ってるかよくわからないよ!口笛口笛


ちなみにこれをやらずに登りはじめると、登ってる最中に
「あれ?次のホールドどこ!?」
「ゴールどっち!?」
「あとどのくらい登るの!?」
と、迷ってる分だけずーーっとホールドを掴んでないといけないので、無駄な体力を使うことになります。
そういう意味では、オブザベはボルダリングで一番重要な技術だと言えます。



オブザベのコツとかはいろいろありますが、超初心者の人向けとしては、とりあえず以下だけ覚えておけば間違いないです。

①スタートとゴールの位置
②スタートからゴールまでのホールド数
③スタートの次はどちらの手で取るか
④ホールド間が遠い、同じ方向に進んでいる、持ちにくそう、等の場所(核心)がないか


これ以外にもいろいろありますが(足の置き場所とかムーブのやり方とか)、とりあえずこれだけ気をつけてオブザベしとけば低グレードでは失敗しません。

※足の置き場は重要ですが、それを言い出すと初心者はまず混乱するので次回以降にします。
あと足限定課題(いわゆる足限)は低グレードではほとんどないのでこれも除きます。足限が登れるようになれば超初心者卒業ってことで!
以下は「足自由」課題向けだと思って読んでください。


それじゃあ、一つずつ。

①スタートとゴールの位置
これは肝心。
スタートはともかく、ゴールがどこにあるかわからないと右に行くのか左に行くのかすら分からなくなります。
真上に行くのか?
右上か?左上か?
それとも真横か?
(下の方にゴールがある課題はまずないですが)行く方向がわかれば、どの辺のホールドを使うのかがなんとなくわかります。
あと、ゴールは遠いのか?近いのか?も重要。
ゴールが1メートル上なのか、3メートル上なのかわかるだけでも、心の準備ができます。
落下時の(違)


②スタートからゴールまでのホールド数

これも地味に重要です。
スタートからみて、ゴールが約2メートル先の右上だ!とわかったとしても、
そこに至るまでが3手なのか、10手なのかじゃ大変さが全然違います。
距離に対しホールド数が多すぎるってのはあまりないでしょうが、ホールド数が少なすぎると一手一手が遠くなり、
初心者としては難しい課題となってきます。

ジムによっては、スタートホールドの所にホールド数が書いてあることがあります。
以下はクライミングジムアークさんの例。下の方に「ホールド6個」とあるのがわかると思います。

「ゴールまであと○個!」とわかるとモチベーションも上がりますし、体力配分もだいたいわかるので、
スタートからゴールまでのホールド数は数えておいた方が良いです。


③スタートの次はどちらの手で取るか
スタートホールド(最初に掴むホールド)は、両手で持ってスタートなので悩む必要はないですが、
次のホールドは必ずどちらか片手だけで掴むことになります。
(両手で掴んでる状態で両手を同時に離して別のホールドに捕まるのは難しいため)

とりあえずですが
右にあるホールドは右手、左にあるホールドは左手で掴むようにイメージすると良いです。
右にあるホールドを左手で取ろうとするとまず体をひねるか腕をクロスするか、なんらかの(初心者的には)無茶な体勢になって失敗する率が高くなるので
よほどの捻くれ者じゃないなら、右は右手、左は左手で取りましょう。

じゃあ、その次のホールドは?
同じく、右なら右手、左なら左手なんですが、今、ホールドを掴んでいるのと反対の手じゃないと次のホールドは掴めません。
(右手→右手とかは、やってできないことはないですが、すごい危ないので初心者がやる課題ではまず出てこないでしょう…)

なので、スタートの次のホールドが右手ならその次は左手、左手ならその次は右手、と決まります
だいたいの課題では、ホールドが右上、左上、右上、と交互に出てくるので、それに合わせて右手、左手、右手と登っていくことになります。

つまり、
スタートの次のホールドが右手か左手か決まると、その次のホールドがどちらの手になるか決まる
その次のホールドが右手か左手か決まると、さらにその次のホールドがどちらの手になるか決まる
という事は…
最初さえ決めてしまえば、どちらの手になるのか次々と決まって行くのです。
参考までに、ゴールホールド(又は壁のてっぺん等)は最後両手で持つので、ゴール一歩前が右手ならゴールは左手→右手の順で、左手なら右手→左手の順で掴むことになります。


さてここで次に行く前に練習問題。
ホールド数が5個(スタートゴール含む)の課題があります。
スタートの次のホールドは右側なので右手で取ることにしました。
通常なら、ゴールを最初に取る手はどっち?








正解は……ニヤリニヤリニヤリ








左手!

(スタート→右手→左手→右手→左手(ゴール)となるため)


と、言うことで、オブザベはこの①②③をやるだけでも
「あのホールドは右手で掴むのかー」
「ゴールはスタートから見て右上にあるから、あのハリボテ(凸状になった壁)に足を乗せて進む感じかな?」
「1,2,3…あれ?一個足りない。こことここの間が広いから、この辺に課題ホールドがあるはず…」
と、いろいろわかってきます。
ここまでできたらオブザベ初心者としては充分合格レベル!

…しかし、こう単純に行かない場合もあります。
どういうのかというと…


④ホールド間が遠い、同じ方向に進んでいる、持ちにくそう、等の場所(核心)がないか

ホールド間が離れていたり、同じ方向に進んでいたり、持ちにくそうなホールドが存在していたり、と言った課題中の難所は核心と呼ばれます
少し難しいグレードの課題にはだいたいこういう核心が1箇所以上は含まれていると思っておいた方が良いです。
そのため、核心を事前にオブザベで調べておかないと、登った際に
「アイエエエ!?手が届かない!?手が届かないナンデ!?」
とかなるので、どう登るかは別としても、「核心の有無」はオブザベで事前調査しておきましょう

ちなみに、初心者オブザベで苦手と思われる核心はなんだと思いますか?
ホールド間が遠い、これはまだわかります。
持ちにくそうなホールド、これもまぁわからないことはないです。
初心者にとって多分一番ややこしいのは、
ホールドが右、さらに右、さらに右、と同じ方向に続く場合。
最初のホールドは右手で取るとして、さらに右にある次のホールドはどうする…?

方法はいくつかありますが、結局は左手で掴むか右手で掴むかの二択になります。

左手で掴む場合…右手でホールドを掴んだまま、腕を交差してさらに右側にあるホールドを左手で掴む(これをクロス、と言います)

右手で掴む場合右手で掴んでいるホールドを一度両手で掴み(これをマッチ、と言います)、左手でホールドを持ち替え、右手を離して右側のホールドを掴む

どちらが良いかはその人次第(と、あとホールドの持ちやすさ)ですが、初心者的にはマッチの方がクロスに比べて簡単なのでオススメです。
ただマッチは手数が増えるのでその分体力失ったり、ホールドが両手で持てないときには使えなかったりとデメリットもあるので注意。
こういうのを決めるためにも、オブザベは必要なんですよねグラサン


…と、まぁ、とりあえずオブザベのやり方とか簡単に書いてみました。
初心者の方はぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。

ただ、オブザベばっかりしててもうまくはなれません。
頭で考えるのと、体を動かすのはやはり別です。
イメージでは軽々行ける核心も、イメージ通りに体が動かない!や、腕や脚が疲れていて届かない(あるいは落ちちゃう!)ってのは普通にあります。

なので、初心者の人ほど、ある程度オブザベしたら失敗を恐れずに壁にチャレンジしてしてほしいです。
全然オブザベせずに登るのはちょっと問題ですが、ずっと壁とにらみ合いっこしていても意味ないので…(時間ももったいないですし)

ただまぁ、常連さんや上手い人が壁を登っていると、初心者はやはり尻込みしちゃって、実際に登るより頭の中で登る時間の方が多いんだ…ってのはあるかもしれません。
あと、慣れてくると一撃(初めて登る課題を一発でクリア)を狙ってじっくりゆっくりオブザベしたくなります。
そこを初心者は、恥ずかしがらずに
ダメでもともと!一撃で登れたら儲けもの!
みたいな感じでどんどん登ることができればレベルアップも早くなります、

つまり、
登るは恥だが役に立つ(タイトル回収)ニヤリニヤリニヤリ


れいにーもオブザベは苦手です。初心者同士、一瞬に頑張りましょう!