その少年は自分がなぜか人となじめないことを
小さいころから察していた
優しい両親と兄がおり 家庭内では穏やかに暮らしていた
小学校は転勤が多くて友達ができなかった
6年生の冬に
何となく中学受験をしてみたくなって少し勉強したら
なぜか難関中高一貫校に合格していた
しかし入ってみると友達ができなかった
転勤が多すぎて友達の作り方を学べなかったのかもしれない
没頭している趣味があり
それを通じてほんの僅かな友人はできたが
クラスにおける孤独には変わりなかった
趣味に没頭していて受験勉強はしなかったが
受けてみると難関国立と難関私立に合格した
国立のほうが偏差値は高かったが
私立のほうが自分と同じ趣味の人が多そうだと思い
入学した
その趣味のサークルに入ってみたが
なぜか先輩に目の敵にされ
早々に孤立してやめざるを得なかった
しかしそのサークルの同期だけは
自分がサークルを抜けても
同じ趣味を続けることで付き合ってくれた
高校の時の数人と大学の数人だけが
自分の付きあう友人のすべてで
学部での友人はできなかった
就活の時期が来たが
殆どの会社から断られてしまった
自分の趣味のものを扱う小さな会社だけが
自分を採用してくれた
しかし給与は安く休みが取れない状態が続いた
また仕事が終わった後の付き合いが必要だったが
彼は全くその意味がわからず拒否したことにより
また孤独になってしまった
大学から続けている趣味と
それを通じたわずかな知人だけが
自分の世界だった
自分の孤独にだんだん
心がさいなまれていくようになった
しかし自分を理解してくれる人は大変少なく
理解しない人といることは苦痛以外何物でもなかった
結局孤独だった
食事をとることも面倒になり
酒を飲んで紛らわすようになっていった
続く