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宇田川源流

「情報の読み方を知りたい」と思いませんか?
本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の人脈からの「確実な情報」を分析し解説します。
正しい判断をする為に情報を見極めたい方必読です!

「宇田川源流」【日本万歳!】 日本には天皇陛下がいらっしゃるという「正月」の言葉


 今年は私自身が喪中なので新年のご挨拶をしなかったが、今年も「日本万歳!」では、天皇陛下の新年の御挨拶をそのまま掲載したい。今回もNHKからそのお言葉の全文を掲載するが、宮内庁のホームページにも同じ「新年の感想」が掲載されていることを記載しておく。

先に書いておくが、天皇陛下の「新年の感想」に関して私が論評を加えるものではないので、ここに少し文章を書いてから、そのままNHKの記事(全文含む)を掲載し、そのまま終わりにしたい。記事の後ろには文章は書かれていないので、その点ご了解願いたい。

さて、今年のお言葉に関しては、「国民に降りかかった災害」に於いて国民をいたわるお言葉があり、また沖縄復帰50年という節目であることをお話になっている。そのうえで、国際社会に気を配り、そして戦争などの事でお心をお溜まれていることを表明したうえで「人々が、これからもお互いを思いやりながら支え合い、困難な状況を乗り越えていくことができるよう願っています。」とし、「新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩むことのできる年となることを祈ります。」と希望のある言葉を紡いで締めくくっている。

なんといたわり深い、そして、全てに気を配ったお言葉であろうかと思う。

天皇陛下がいらっしゃることに反対をしたり、また、何か過激な行動に出る人がいるようであるが、天皇陛下がいらっしゃることで、日本という国が「その存在を象徴とした国」として、多くの国から尊敬を集めている。世界に対して「平和を祈る存在」というのは、他の国に類を見ない素晴らしいことではないだろうか。

陛下は、1月1日には四方拝として司法の神々に祈りをささげ、世界の平和を祈願する。そのような存在があることを日本人は誇りに思うべきではないか。同時にその存在を皇紀2678年の間守ってきた国民のすばらしさも、自ら誉めて良いのではないかという気がしてならないのである。

以下、記事をお読みいただきたい。

天皇陛下 皇后さまと2023年も各地へ 新年の感想【全文】

 天皇陛下はことしも新型コロナウイルスの感染状況を見ながら、皇后さまとともに各地を訪れ、多くの人とふれあわれる1年になりそうです。

 天皇陛下は、新年にあたって文書で感想をあらわし、コロナ禍で控えていた地方への訪問を去年秋、およそ2年8か月ぶりに再開したことについて「行く先々で多くの方に温かく迎えていただいたことを、うれしく、また有り難く思っています」と振り返られました。

 即位後初めてとなった沖縄県への訪問については「沖縄戦で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、平和の大切さを改めて心に刻みました」とつづられました。

 その上で「新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩むことのできる年となることを祈ります」と述べられました。

 天皇皇后両陛下は今年も感染状況をみながら、毎年出席している行事で岩手県や北海道、鹿児島県、それに石川県に足を運ぶなど、各地で多くの人とふれあわれるとみられます。また、6月には結婚30年の節目を迎えられます。

 皇居では元日、新年祝賀の儀が行われます。また、2日は新年の一般参賀が3年ぶりに実施され、両陛下の長女の愛子さまも初めて参加されることになっています。

    天皇陛下 新年の感想 全文

 天皇陛下が、新年にあたって文書であらわされた感想の全文です。

 昨年も、地震や台風、大雪などの自然災害が各地で発生したほか、新型コロナウイルス感染症が引き続き社会に大きな影響を与えた年になりました。

 また、物価の高騰なども加わり、皆さんには、御苦労も多かったことと思います。

 昨年は、沖縄の本土復帰から50年という年でした。

 皇后と共に沖縄県を訪れ、沖縄戦で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、平和の大切さを改めて心に刻みました。

 現在も世界各地で戦争や紛争が頻繁に起こり、多くの人々の命が失われていることに深い悲しみを覚えます。

 国際社会において、それぞれの立場の違いを乗り越えるべく対話を重ね、協力し合うことの大切さを強く感じます。

 昨秋、ほぼ3年ぶりに地方を訪問することができました。

 行く先々で多くの方に温かく迎えていただいたことを、うれしく、また有り難く思っています。

 大変なことも多いと思いますが、人々が、これからもお互いを思いやりながら支え合い、困難な状況を乗り越えていくことができるよう願っています。

 新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩むことのできる年となることを祈ります。

   宮内庁 天皇ご一家の様子を公開

 新年を迎えるにあたり、宮内庁は12月に撮影した天皇ご一家の新しい映像を公開しました。

 映像では、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまが、テーブルの上に明治22年に制作された絵画の冊子を広げ、ご覧になっています。

 この冊子は、皇居の「三の丸尚蔵館」の収蔵品で、ことしの干支(えと)の「うさぎ」が描かれた絵もあり、天皇陛下が、皇后さまや愛子さまに笑顔で話しかけるなどなごやかに歓談されています。

また、宮内庁は上皇ご夫妻や、秋篠宮ご一家がそれぞれお住まいで歓談される映像も公開しました。

NHK 2023年1月1日 0時03分


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「宇田川源流」【日本万歳!】 スポーツの国際大会になると必ず出てくる日本人のマナーの良さ


 毎週月曜日は「日本万歳!」をお届けしている。日本人のすばらしさや日本人が世界から称賛されているような内容を、この場を借りて皆さんに紹介し、その中で皆さんの中にもある「日本人のすばらしさ」を共有しようということを企画しております。

もちろん、単なる思い込みというようなところもありますし、また、そのような特性があることで、逆に作用してしまうということもあるかもしれません。しかし逆に作用するということがあっても、それは日本人のすばらしさの一つであるということになりますから、そのことをしっかりと認識しなければならないのではないでしょうか。

さて、今回は「日本人のマナー」についてです。

ワールドカップやオリンピックというように「世界大会」がある時は、必ず言われるのが「日本人の観戦マナー」ということではないでしょうか。例えば、サッカーなどでは、ヨーロッパでは「フーリガン」といわれるような人々がいて、その人々が暴力的に観戦をしてしまうことから、安心して観戦を楽しめないということがあります。

この事も、一つは「熱狂的」ということがあり、またそれが宗教的になってしまって、自分の贔屓のチームが負けたり、あるいは馬鹿にされたりということが、そのまま「信仰上の神を馬鹿にされてしまった」かのような反応になってしまうということになります。

もちろん、そこまで熱狂的に応援できる、心理的に入れ込むことができるというのは、とても良いことなのであろうと思いますが、一方で、スポーツなのですから、神が行っていることではなく、当然に失敗もあり、負けがあるから勝ちがより嬉しく感じるなどのこともあるのです。

そのような感じで「冷静に」スポーツを楽しむことができる。もっと言えば、負けた試合に対しても、悔しいということを思いながら「次は勝てる」というように期待をすることで楽しむということができるのではないかという気がするのです。

外国の人々から見れば「冷たい」とか「面白くない」というように考えるかもしれませんが、日本人の場合は「冷静に楽しんでいる」というような感覚になり、同じチームのファンであってもフーリガンのような行動をされると冷めてしまうという特性があります。

これは「スポーツ」という競技を楽しんでいるのであり、その内容をいかに考えてゆくのかということの問題になってゆくのではないでしょうか。


意外と知らないフィギュア観戦ルール 選手たちが驚くのは「日本人のマナーの良さ」

 元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な「17のギモン」に答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。7問目は「意外と知らない観戦マナー」。

 ◇ ◇ ◇

 連日の熱戦で盛り上がるフィギュアスケート。五輪を機に、日本で行われる大会を観に行ってみたいと思う人もいるかもしれない。

 フィギュアスケートには、多くの競技と同様に観戦マナーがある。選手の演技中の私語や飲食、撮影もNG。プログラムの音楽と報道カメラマンのシャッター音だけが響く。応援の国旗やバナーはほかの観客の妨げにならないよう、手持ちサイズで肩から下で掲げることが推奨されている。

 そうしたマナーの下、熱心に応援してくれるファンの存在は選手の力になる。

「今は声を上げての応援はできませんが、コロナ以前は素晴らしい応援が選手を後押ししてくれました。私が小さい頃はマイナー競技だったので、観客席はガラガラ。選手の両親や祖父母、所属するクラブの保護者くらいで、演技前に『友加里ちゃん頑張って!』という声が響く。でも、メジャースポーツに駆け上がるにつれ、その声が消えるくらいのファンの方の熱量で、声援が大きければ大きいほど嬉しくて力になりました」

 選手としてフィギュアスケートを経験し、引退後はフジテレビ記者として他競技を含め取材した中野さんは「フィギュアスケートは凄くマナーが整った観客の方が多い」と日本人ファンの姿勢に驚く。

「競技によっては飛んでしまう野次も全くなく、純粋に選手を応援する空気。演技前に選手の名前がコールされた途端、わーっと声援が上がり、スタート位置につく時には誰一人喋らない。あれは日本ならでは。海外では喋ったり、飲食もしたり、ざわざわしながらスタートすることがあります。選手も音楽を聞き洩らさないようするので、小さな音も聞こえます。日本では咳をしたら響くほどの静けさ。あのマナーは素晴らしいです」

    選手がもらうプレゼント、なかには珍しい物も…

 フィギュア選手とファンの存在でいえば、特徴的なものがプレゼント。客席から花やぬいぐるみを投げ入れる光景は、コロナ禍以前はお馴染みだった。実は、競技会場で選手宛のプレゼントを受け付けていることが多い。

「お花は可能な限り持って帰り、家で母が生けて飾ってくれました。プレゼントは仕分けして食べ物やグッズなど種類を分け、持って帰るのですが、ありがたいことにいろんな物を頂きました。疲れを取ってくださいということでバスグッズや、髪飾りをいただいたり、男子選手は汗をかいて得点発表を待つキスアンドクライで目立つこともあるので、タオルをいただいたりすることが多かったそうです」

 なかには珍しい物もある。

「プログラムに使ってほしい曲や自分で作った曲をCDでいただいたこともあります。素敵だなと思ったのは『シンデレラ』という曲を使ったプログラムでいただいたもの。夜の12時にシンデレラの魔法が解けるストーリーですが、その魔法が解けないように12時の4分前で針が止めてある時計をプレゼントしてもらい、今も家に飾ってあります」

 女性ファンが多いフィギュアスケートだが、応援の想いがこもったプレゼントは男女問わず、選手からするとうれしいもの。「いただけるだけで凄く嬉しかったです。ジュニアのグランプリ(GP)シリーズに出始めた頃に初めてファンレターをいただいたことは今も忘れられません」。フィギュアスケートという競技を作っているのは選手だけじゃない。ファンも、だ。

(THE ANSWER編集部)

2022年2月10日 9時3分 THE ANSWER


 今回の北京オリンピックでも同じように「日本人の観戦マナー」ということが話題になっている。

「競技によっては飛んでしまう野次も全くなく、純粋に選手を応援する空気。演技前に選手の名前がコールされた途端、わーっと声援が上がり、スタート位置につく時には誰一人喋らない。あれは日本ならでは。海外では喋ったり、飲食もしたり、ざわざわしながらスタートすることがあります。選手も音楽を聞き洩らさないようするので、小さな音も聞こえます。日本では咳をしたら響くほどの静けさ。あのマナーは素晴らしいです」<上記より抜粋>

海外でもゴルフの競技などでは、ショットの瞬間にかけて「静かに」という札が出て、ギャラリーに何も話さないようにするのが普通だ。単純に、「他人が集中しているとき」に「自分勝手にその集中を妨げる行為をしない」というのは、日本人であれば当たり前である。基本的には、日本人は「自分勝手」を強く戒める文化がある。「和を以て貴しとなす」というのは、逆に言えば「自分勝手で和を乱す」ということを最も蔑んで見ているという文化であることは間違いがない。

もっと難しい話をすれば、日本人の場合は多神教であり、「スポーツ」という競技にも「スポーツの競技の神」があり、また、勝敗にも神がある。そこで自分勝手な行動をすれば、その次にそれらの神々に見放されてしまうというようなことになる。このように「勝負に神」というと、それは勝利を祈願して神に祈るということは、他の競技でもすべてある。

しかし、それが「勝負」ではなく「競技」であっても勝負に見立てて神に祈るのだ。今ちょうど大河ドラマをやっている源平合戦。屋島の戦いにおいて那須与一が、平家の差し出した扇を射抜く時、やはり「南無八幡大菩薩」と祈ってから弓を射かける。見事扇を射落とすのであるが、それは「戦の中の出来事」でありながらも、実際には戦そのものではなく、たんなる「余興」でしかない。その中でも、自分の名誉を掛けて、神に祈っていることを見れば、競技というものであっても神がいるということがみえてくるのではないか。

その意味で「競技」に神を感じている日本人は、競技の勝敗そのものよりも、神を冒涜するようなことはしないのである。そのことまでわかっていて、スポーツの観戦マナーを書いている記事がないのは少々残念なところではあるが、まあ、そこまで難しい記事の紙面を割くことはなかなかないのかもしれない。

今回のオリンピックは、昨年の東京オリンピックと同様に、一般の観客は入場できない。招待客やスポンサーしか入ることができないとされている。その為に、「観戦マナー」といっても、よほど変な人は入ってこないし一般の内容では異なるというような感じになってしまう。しかし、そのような中でも、この記事のように「日本人のマナー」が話題になるということが、やはり日本人の素晴らしい所ではないか。日本人からすれば、「自然に行っていること」でしかないのかもしれないし、また当然の事なのかもしれない。しかし、その当然のことが、海外に行くと当然のことではなくなってしまう。その日本人の国民性が、このように言われているということが、最も良い話ではないのか。

ラグビーのワールドカップや、そのほかの世界大会でも、日本人は「観戦後にごみを片付けてから帰途に就く」など、称賛されていることは少なくない。そのような日本人の素晴らしい所は、自分たちが世界に広めるというような形で、今後日本のすばらしさを体現してゆくことが良いのではないか。


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日曜小説 No Exist Man 闇の啓蟄

第一章 朝焼け 3


「席は空いているかな」

 京都の柳馬場通り。古く織田信長が朝廷に行くときにここを馬に乗って通ったという伝説からその名がつく通りであ。そのために「柳馬場通り」と呼ばれるのは丸太町通りから五条通りまでの間でしかない。古く平安京では「万里小路」と言われていた通りである。

 京都の遊郭といえば、「島原」といわれている。これは、現在の山陰線丹波口から南のあたりである、観光資源として島原大門が残されている。しかし、島原に遊郭が整備される前、豊臣秀吉の時代には、二条通との交差点付近に『二条柳町』という、京都一、言い換えれば当時日本一の遊廓が設けられた。

これは、このあたりに武家屋敷が多く、戦国時代の前には、古くは紀貫之が、室町幕府の二代将軍足利義詮、三代将軍足利義満、四代将軍足利義持もこの辺りに屋敷を構えていたため、この辺りは高級武士が多く、遊郭に通う武士も少なくなかった。その名残からか、江戸時代には米沢藩の上杉家や秋田班の佐竹家の京屋敷が軒を連ねていた。現在は、そのような面影もなく、通常の住宅街や、個人経営に近い商店、建設会社などが軒を連ねている。

 柳馬場通り五条というと、現在で言えば、地下鉄烏丸五条駅からすぐである。しかし、東御堂信仁の言った「右府」というバーは、万寿寺通りを超えたくらい、正式な住所は五条ではないようである。それも柳馬場通りから少し路地を入った所に入り口がある。

「見ての通りガラガラですわ」

 バーテンなのか、店長なのか、全くわからないがカウンターの中にいる者が不愛想に声を上げた。やせていて神経質そうな黒縁の眼鏡をかけた男である。なんとなくバーテンダーにしては固い雰囲気のある男である。言葉も関西の方言ではある者の、柔らかい感じの京言葉ではなく、関西の武士言葉、摂津の法の方言に近い。

「ここには、国酒はあるのかな」

 嵯峨朝彦は、奥から二番目のカウンター席に座ると、そのバーテンダーに声をかけた。

「日本酒でしたら、いくつか種類がございますが、何かお好みがありますかな」

「御堂という酒はありますかな」

「いや、申し訳ありませんが、御堂という酒はお取り置きございませんが」

「ならば惣花を」

「かしこまりました」

 バーテンダーは、奥に入ると、一合の徳利とぐい飲みを朝彦の前に置いた。ここまでは、東御堂信仁に教えられた通り、バーテンダーとやり取りをしている。

 ぐい飲みを見ると、そのぐい飲みの底に『東御堂』と描かれている。ここも打ち合わせ通りだ。嵯峨朝彦は、そのぐい飲みをその場で伏せた。

「あなたが嵯峨朝彦殿下ですか」

 バーテンダーは、全く嵯峨朝彦のことなど気にかけた封もなく、グラスを磨きながら、つぶやくように言った。

 全くよくできている。東御堂信仁は、この「右府」というバーを中心に京都と東京で情報を収拾する活動を行っている機関があることを、先日夕陽の尚公会の中で嵯峨朝彦に伝えた。そして、その連絡方法を教えたのである。完全に洋風のバーでカウンターに座り、日本酒をオーダーする人は少ない。しかし、それでは全くいないというようにはならないので、それだけでは怪しまれてしまう。そこでまずは架空の「御堂」という酒を言い、その次に実在する「総花」という酒を注文する。その時に、話ができるようであれば、東御堂と書いたぐい飲みを、その時話せないようならば、「総花も品切れで○○日に入荷予定」という暗号が出る。了解すれば「五十鈴川」と注文、そうでなければ、ウイスキーをオーダーして帰るということになる。

 なお、ここで使う「惣花」と「五十鈴川」は、実在する酒の銘柄で、いずれも皇室が宮中儀式の時に使う酒であり、なかなか手に入るものではない。つまり、この二つの銘柄の酒を、メニューも何もなく、さっと言えるのは、皇室ゆかりのものがほとんどである。また、この二銘柄の酒は、ほとんど世の中に出回らないので、その意味でも、バーでこれを注文する人などはいないのである。

 しかし、東御堂信仁はそれでも信用せず、とっくりとぐい飲みで酒を出すということをした。そもそも冷や常温の日本酒を徳利で出すことは少ない。基本的にはマス酒、あるいはマスの上にグラスを置いた「こぼし」という注ぎ方をしてサービスする。熱燗でもないのに徳利を使うことはほとんどないのだ。そして、そのぐい飲みの底、要するに他の客には見えない位置に「東御堂」と記載を付け、それを見ないように伏せるというところまでを暗号にしたのである。

 このバーテンダーは、それでも慎重な人間らしく、全く素知らぬ風でグラスを磨きながら声をかけてきたのである。

「ああ、いかにも」

 バーテンダーは、やっとにっこり笑うと、朝彦が伏せたぐい飲みをもう一度表に返すと、そこに徳利の酒を入れた。

「君は」

「東御堂信仁殿下の被官、平木正夫と申します」

 平木という男は、それでも誰かに見られていてもよいように、酒を注ぐ時を除き、常にグラスを磨き、うつむき加減に話をしていた。

「平木殿」

「ここではマスター、またはヒラマスと読んでください」

「ヒラマス?」

「はい、平木マスターが略されてヒラマスです」

 朝彦は、声には出さなかったが、なるほどと感心した。『ヒラマス』と言われているということは、東御堂信仁の配下には、他にもマスターとかバーテンダーというような場所があり、その人間たちが多くいるということを意味する。他にも「マスター」がいるから「ヒラマス」というように、マスターを区別する言い方があるのだ。この一言だけでも、東御堂信仁の持つ情報網がかなりしっかりしたものであることがうかがえる。

「ではマスター、次に信仁からあなたに聞けといわれたことを聴くことにする。まずは、何故京都なのだ」

 とにかく、まずは何故自分がこのように京都に来させられたのかが知りたかった。いや、何か巨大な危険が皇室に迫っているのであろうことはわかっているし、また、東御堂信仁がそこまで動けないということもなんとなく見えていた。最近弱くなってしまっているし、天皇や皇族の呼び出しも多い東御堂ではなかなか身軽には動けない。そのために、嵯峨家が手伝うことになったのであろう。

 しかし、東御堂信仁からの情報はそれだけなのである。

「そうですか、嵯峨殿下はまだ何も聞かされていないのですね」

「ああ、そのとおりだ。でも信仁の頼みだからとりあえず飛んできたんだ」

 朝彦は、そういうと、注がれた常温の「総花」を飲んだ。毎年儀式のために作る酒であって、それほどおいしいとか深みがあるというような酒ではない。しかし、その酒の味は、皇族である嵯峨朝彦にしてみれば、どこか懐かしい香りが口に中に広がった。

「惣花、決しておいしい酒ではないですが、別な意味で深みがありますよね」

 ヒラマスは、そういうと小さな自身のコップにウイスキーを注いだ。全く嵯峨朝彦の言葉に応えるという物ではない。しかし、『惣花』という酒のことを言いながら、皇室のことを何か言っているのに違いないのである。では、それは何か。

 しかしストレートに聞いても、このヒラマサという男は簡単に話すような性格ではないことも、朝彦は感じ取っていた。

「おい、私にもそれをくれるかね」

「ウイスキーは有料ですが」

「しっかりしてるね」

 嵯峨朝彦は、にっこり笑うと頷いた。


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「宇田川源流」【現代陰謀説】 珍しく日本の政界の裏側が報道された「日本医師会」と「自民党」の関係


 金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現代に生きている「陰謀」を解説し、それに備えたり、物事を多角的に見るということにお手伝いをしているというような感じである。そして、一般に報道されているニュースを見ることによって、そのニュースの中から兄を学び取り、どのように読めば陰謀がわかるのかということを、この場で、その例を実践してみるということをしている。

 もちろん、ここに於いて語られた内容がすべてではないし、また、ここに書いてあることが正解というものでもない。しかし、ある意味で「通常に報道されている内容よりも正解に近い」ということはなんとなくわかるのではないか。

 例えば、何か事件が発生する。このブログでは扱うつもりがないので、実際の事件を上げるが、12月18日に大阪のビルの四階にある心療内科に、その患者と思われる男が放火をし、多くの犠牲が出た。もちろん、これが誰かの陰謀で行われたなどという気は全くない。

ただ、これらの事件というのは、事前に何らかの「信号」があり、その信号が出てきている者を察知すれば未然に防ぐことができたのかもしれないというように思うのである。その「信号」というものは、事前に何らかの形で出てきている。また一つの大きなきっかけになっているものではなく、何らかの形で蓄積されている。これらの事を、事件が発生してから「事件の動機」ということで報道されるのである。しかし、その内容を事前に多くの人が見分けることができるのであれば、多くの人が助かるのではないか。

 これは、今は事件を例に挙げたが、外交や戦争ということに関しても同じである。規模が大きくなれば、またそのような内容の決定が、何人もの多くの人のプロセスによって行われた場合、当然に、その内容が明らかになり、そして情報が出るようになったのである。

 さて、このように何にでも裏がある。日本では政治などの現場で、そのトップを名指しして人格非難をするようなことをマスコミまでも行っているが、一人がすべて行うような政治は、封建制や絶対君主制ではないのであり得ない話である。では、そもそも政治とはどのような構造になっているのかということを考えるべきであり、それが出来なければ、陰謀などはわかるはずがない。


重鎮去った自民「厚労族」、日医に強い風当たり…「今さら助けてと言われても」

 政府が今月決定する2022年度の診療報酬改定を巡り、自民党内での議論の構図が変化している。これまで議論を主導してきた「厚労族」から重鎮議員が去り、新たなキーマンの手腕も未知数なためだ。党の有力支持団体の日本医師会(日医)への風当たりが強まっていることも影響している。

■ 厚労族世代交代 日医へ反発

7連続プラス

 「大幅なプラス改定を目指して頑張っていく」

 14日の党社会保障制度調査会の会合で会長の加藤勝信・元厚生労働相は、診療報酬のうち医師の人件費などに回る「本体」部分の引き上げに意欲を示した。

 だが、国民の医療費負担の増加に慎重な岸田首相の下、財政規律の面からマイナス改定を主張する財務省の圧力は強まっており、プラス改定は困難な見通しだ。

 原則2年に1度の診療報酬改定で、党内議論への影響力を持つのが、厚労族と呼ばれる議員たちだ。厚労相経験者や医師免許を持つ議員らが該当し、引き上げを求める日医や厚生労働省と、財務省とを調整してきた。選挙での協力を期待し、厚労族が日医の顔を立ててプラス改定に導くことも多かった。08年度以来、本体は7回連続でプラスだ。

■ 力学に変化

 もっとも、重鎮の伊吹文明・元衆院議長らが先の衆院選で引退するなどし、力学の変化が起きている。新たなキーマンは加藤氏とされるが、自民党関係者は「これまでの重鎮ほど、財務省ににらみがきくかは不明」と指摘する。田村憲久・前厚労相はこの日の会合で、「医療機関の経営は決して良い状況ではない」と危機感をあらわにした。

 自民党と日医の関係もかつてほど良好ではない。日医の横倉義武・前会長は安倍元首相や麻生副総裁ら政権中枢と蜜月で、過去のプラス改定は安倍内閣時代に財務相だった麻生氏の横倉氏への配慮もあったと指摘される。

 一方、現在の中川俊男会長は、新型コロナウイルス対策などで、政府に批判的な姿勢が目立つ。党内には「今さら助けてくれと言われても応じる気にはなれない」(中堅)と冷淡な声が広がっている。

■ 「メンツ潰れる」

 過去の改定議論では、決着前に首相と日医会長の面会がセットされることが多かった。岸田首相の就任後に中川氏は面会を実現できておらず、厚労族の一人は「このまま面会できなければ日医のメンツが潰れてしまう」と心配する。

 日医の置かれた厳しい現状に、財務省内には「日医が横倉氏に泣きつき、プラス改定に向けて麻生氏を動かす可能性もある」との観測も流れている。

2021/12/15  産経新聞


 そのような意味で日本の政治の裏側がしっかりと書かれた内容が見えてくる新聞記事がある。その内容を見て「陰謀の元」となる「政治の裏側」が書かれたものが出てきたので、その内容を、せっかくの機会なのでその内容をしっかり描いてみたい。

 さて、日本でも中国でも、アメリカでも、その政治のトップの名前はニュースなどで多く目にすることがある。そのために、何か政治に不満があれば、その不満をそのトップにぶつけることが少なくない。まあ、本人はそのことが当然であると思っているし、また、周辺の人もそうであってもおかしくはないと思われる。しかし、ではその状況でトップが変わって何かが変わるかといえば、必ずしもそうではない。革命ということ以外は、劇的に政治状態が変わるということはないのである。

 それはなぜか、

 当然に、それは、政治においてその決定をしているのはトップ一人ではなく、様々な影響勢力があり、また、そのさまざまな影響勢力の意思の集合体が政治として結果になっているということになるのであって、一人が決断するわけではない。

影響団体があり、その影響団体の支援によって政治というのは成り立っているのであるから、その影響団体のうちどの団体の要望を優先するのかということになると、様々な考え方が出てくる。

しかし、もともとが「似たような方向性」を持った人々の政策を中心に政党があり、その考え方を支持する影響団体が集まるのであるから、当然に、同じ政党であれば、トップが変わっても似たような政治になってくるということになる。

 当然に、本来はそれらのことは政党の「綱領」や「党是」に書かれているということになるのであろうが、昔政権を取った民主党の場合は「綱領」も「党是」も無かったのである。

 さて、今回問題になったのは、その「影響団体のの一つ」である医師会と、与党自民党との関係が悪化しているということになる。現在の医師会の会長の中川氏は、コロナウイルス禍の中で、与党の方針に平然と反旗を翻し、また、野党候補の政治集会に参加するなど、影響団体の会長として良い関係を持っていない。もちろん、影響団体が必ず与党を支持しなければならないということではない。しかし、それならば医師会全体でそのような決議を取ればよいのである。

 現在の中川俊男会長は、新型コロナウイルス対策などで、政府に批判的な姿勢が目立つ。党内には「今さら助けてくれと言われても応じる気にはなれない」(中堅)と冷淡な声が広がっている。<上記より抜粋>

 このような状況であって「診療報酬の値上げ」などといっても、そもそも全体の経済状況が悪化し、コロナウイルス禍で多くの人が経済的な問題を抱えている状況の中で、岸田首相はどのように対応するのか。政治とはこのような「支援者との駆け引き」もあって、様々に動いてゆくものであり、そこに、陰謀の「種」があるのではないか。


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日曜小説 No Exist Man 闇の啓蟄

第一章 朝焼け 2


 しばらくの間、大沢がタバコを吸ったまま、無言の時間が流れた。岩田智也は、それほど忍耐強い方ではなく、ずっと松原を睨みつけたままであったが、しかし、大沢や青山がいるので勝手な行動はとれないでいた。

その大沢は、一つには松原との間になんとなく親近感を感じ始めていたことと、そして、この席が陳文敏がセットした席であり、自分が中心に何でも言ってよいというものではないということを感じており、その場で陳や松原が次にどのような行動をとるのかということを黙って待っていた。

 ほんの数分の事、松原がまだ煙草を一本吸い終わらない間に、陳文敏は横に立つウエイターに指示をして、席に飲み物とちょっとしたつまみを用意させた。さすがに何回もこの人々と個別に会食しているだけあって、参加者の飲み物の好みはよく知っている。何も言わないのに、大沢の前には温かいポットの中に入ったプーアール茶が、そして松原の前には、冷たい氷入りのウーロン茶が、そして青山と岩田の前にはタンブラーに入った生ビールがおかれた。

「さあさあ、黙っていても仕方がありません。乾杯という雰囲気ではありませんので、まず、食前酒ということで喉を潤しましょう」

 陳は、そういうと、自ら目の前に置かれたウイスキーの水割りを飲んだ。

「陳さんがそうおっしゃるならば、我々も少し戴きましょう。青山君も岩田君も、頂戴しなさい」

 大沢は、陳がグラスを置くのを見届け、そのグラスの中のウイスキーが減っていることをしっかりと見届けてから、そのようなことを言った。さすがに、この席で自分の飲み物に毒が仕込まれているというようなことは考えもしないし、また、そのようなことを考える相手でもない。

しかし、席の主催者である陳のメンツをつぶさないようにするということだけが、この大沢という男を動かしているような感じであった。

「まあ、戴こうか」

 松原はそういうと、青山や岩田が飲む前に、自分の前のウーロン茶を一口、慎重に口を付けた。こちらは、この席に誰も自分の身内を連れてきていない。何かグラスの中に毒を入れられれば、誰も助けてくれない環境にあるので、その辺は慎重である。


「皆さん、飲んだので、すこし私から話をさせていただきましょう。実は・・・・・・」

 陳は、近くにいるウエーターに前菜などを運ぶように指示すると、目の前にあるザーサイを食べながら言い始めた。

「実は、皆さんにお願いがあって本日はお呼びしたのです。」

「お願い」

「ほう、陳さんからのお願いですか」

 大沢は、彼が今までしてきた中で、ベストスリーに入る笑顔でそう言った。もちろん、この陳は中国人であるが、それを様々な方法で、政治家である大沢に献金をしている。大沢だけではなく、大沢の所属する立憲新生党にも多額の献金をしているのである。それだけでは無く、裏献金とも取れる不明な資金も多く存在している。まさにその不明な資金こそ、大沢の活動資金の根源であり、また大沢の派閥を作るための資金であった。

 大沢には、そのようなことがあり、普段政界では見せない笑顔を陳に向かってすることがある。岩田はそのような愛想笑いをしている大沢が最も嫌いであった。岩田は、大沢の著書を呼んでその政策に感動して政治の道を志した。多額の月謝を払い「大沢三郎政策塾」などにも参加していたのである。政策でカリスマ性を持った大沢が好きであった。それだけに、大沢が愛想笑いをし金を集めている姿は、岩田には耐えられないものでしかない。先ほどの松原の態度といい、そして大沢の愛想笑いといい、岩田はもう感情が爆発するのではないかと思うところであった。

「大沢さん、実は、この日本を平和で住みやすい国にするために、是非力を貸して戴きたいのです」

「ほう、平和で住みやすい国ですか。」

 大沢は、愛想笑いの中で、言った。岩田は、青山にしか聞こえない声で「誰にとってだよ」とつぶやいた。そうだ、陳はわざと主語を抜かして、誰にとって住みやすい国にするのかは全く言っていない。日本人にとってなのか、中国人にとっての事であるのか、全く見えない話なのだ。

「中国人にとって住みやすい国にするのか、それとも共産主義者にとって住みやすい国にするのか」

 その岩田のつぶやきが聞こえたわけではないが、しかし、岩田の思ったことと全く同じことを松原が、タバコの火を消しながら言った。岩田はその松原の言葉に、ハッと目を覚まさせられたような気がした。松原は、何が起きるかを知っているのではないか。そして、陳の考えることを事前に知っているかあるいはかなり精度の高い状態で察知しているのではないか。何も知らないでここに来ているのは自分たちだけではないのか。

「松原さん、そんなに先走ってはいけませんよ。まだ食事はデザートまで長いです」

「そんなにゆっくり時間を取る気はない。」

 松原は、時間がないといいながら、タバコの火を付けた。

「松原さんはいつも短気でいけません。中国のことわざでは・・・・・・」

「陳さん、それはいいよ。結論から話してくれ」

 松原は、不機嫌そうに付けたばかりの煙草をひとふかしすると、そのまままた灰皿に押し付けて火を消した。

「わかりました。大沢さんはもっとゆっくりしていただいてい良いのですが、先に結論を言いましょう。」

 そういうと、さすがの陳も、少し緊張をしているのか、水割りを一気に飲み干した。横のウエイターがすぐに新しい水割りをもって、小走りに陳の後ろに立った。

「日本を転覆させてください。」

「次の選挙で勝てばいいのですかな」

 大沢は、楽観的にそういうと、笑顔を作った。

「大沢さん、何を言っているのですか。日本の政治の根幹は天皇です。内閣総理大臣は天皇が任命しますし、天皇が出てくれば、日本の国民は無条件でその天皇を信奉します。その天皇を殺すのです」

 さすがの大沢も、頬の肉がひきつった。岩田も青山も、声が出なかった。政府を転覆させる、つまり、国会の中の過半数与党である民主自由党を敗北に追い込み、そのうえで自分たちが政権を取って、何かを変えるということであれば、別段何の問題もない。そのうえ、過去に何回か民主自由党を下野させたこともある。その時に何人か死人が出ても何とも思わないというのも、大沢という政治家の特徴であろう。しかし、まさか天皇を殺すとなれば話は別である。

「陳さん、それは本国の命令か。それとも陳さんの思い付きか」

 松原は、もう一度深く椅子に腰かけると、新しい煙草に火をつけた。このタバコが、松原にとっては時間を計る道具でもあり、また、考えるペースを作る道具でもあるのであろう。煙草に火をつけたということは、間違いなく、もう少しここにいて何かを考えるということに他ならない。

「本国の命令です」

 陳文敏は、全く何事もなかったかのように、答えた。そして、新しく持ってこられた水割りに口を付けた。

「面白いじゃねえか」

 松原はそういった。

「でも、そっちの大物政治家先生は、とてもできるもんじゃないだろう」

 松原は、サングラスの奥で、また目を光らせた。同じような思想を持ちながら、やはり何か政治家には腹に一物あるのではないか。

「いや、出来ない話ではない。もちろん、松原先生のように、我々が武器をもって天皇を直接殺すことはできないでしょう。しかし、松原さんや陳さんが何かを実行した後に、世論収め、そして日本を改革するのは、我らの仕事でしょう。そこは、お互い特異なことを行うべきじゃないでしょうか」

「陳さんは何をする」

 松原は、陳文敏にも矛先を向けた。

「私ではない、中国共産党政府です。必要なことは何でもしますよ」

 陳は、食肉用の豚を殺す話をしているかのように、何か笑って話した。

「そうか、ならまずは金を用意しろ。話はそのあとだ」

 松原はそういうと、さっと席を立って部屋を出て行った。

「先生、大丈夫ですか」

 少し青い顔になっている大沢に、青山が声をかけた。

「問題ない。」

 大沢は右手で青山を制した。

「まあ、話が決まったことで、また来月でも集まって具体的な話をしましょう」

 陳は、松原の後を片付けさせると、そのまま食事の準備をさせた。


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「宇田川源流」【土曜日のエロ】 ふるさと納税返礼品で出した「ホタテ水着」が人気という「一般的エロ願望」


 今週も土曜日のエロの日になった。気が付けばいつの間にか12月になっているではないか。今年も前半は緊急事態宣その後オリンピックがあり、また選挙がありという中でありながら、毎週しっかりとエロの話をしてきた。というよりはなんとなく「エロ」の話がしっかりと毎週途切れずに存在したことの方が驚きなのかもしれない。

 さて今週はどんな一週間であったかといえば、そのコロナウイルスにおける「オミクロン株」というような話が出てきて、なんとなく混乱の兆しが見えている。もちろん、「気にしすぎ」というようなこともあるが、日本の場合、政治も国民も問題はないのに、マスコミがから騒ぎをしてしまうのでなんとなく騒々しいということになる。

日本のマスコミは「良いものは良い」というような報道が全くできないモノであり、はっきり言って正常な報道機関であるとは考えられないのであって、その内容があまりにもおかしな話にしかならない状況になっているのである。

 ただ、オミクロン株に関しては、本日ここで話題にしなくてもよいのかもしれない。またそのうちオミクロン株の話ばかりになって飽き飽きしてくることになるであろう。そこで他のニュースはというと、地味に存在していたのが民主党の代表選挙であろうか。

 まあ、そもそもあれだけ「女性が~!」といっていたにも関わらず立候補したのは男性3人と女性1人、まあ、そんなもんか。慌てて党執行役員を半分女性にするといっているが、そもそも、議員の配分が男女半々ではないのに、いまさら何を言っているのであろうか?と思うのは私ばかりではあるまい。単純に「議員の立候補者数を男女半々にする」として立候補者の調整を行ってみてはいかがであろうか。しっかりとしているのであれば国民が選ぶであろう。

 まあ、このようなことを言っているのも「国民のほとんどが立憲民主党の代表選挙に興味がない」ということであり、まあ、何をやっても「ダメなものはだめ」ということでしかないのではないか。そのことがわかっていない時点で、まあ、ダメなんだろうなという気がするのである。国民の意向、それも本音の部分がわかっていないとこの代表選挙に様になってしまうのだなとなんとなく思うのだ。

 さて、では国民の「本音」という意味では「エロの願望」が存在するところをなんとなく見えてきているのではないか。


ふるさと納税返礼品の「ホタテ水着」注文数は予想の2倍以上にも

むつ市のふるさと納税返礼品「ホタテ水着」マジで大人気 注文数は予想の2倍以上...生産者が嬉しい悲鳴

 年末が近くなると、ふるさと納税のことが気になる。それがいつのまにか恒例となってきている。

 ふるさと納税の返礼品、今年は何にしようかな......。高級牛肉、うなぎ、いろいろあるけど、迷うのもまた楽しいものだ。

 さて最近注目を集めたふるさと納税返礼品といえば、やはりこれじゃないか。

 青森県むつ市の「ホタテ水着」だ。あるふるさと納税ポータルサイトの「宝飾品・工芸品」のカテゴリーでは、月間1位を獲得したこともあるという。

 そんな「ホタテ水着」について2021年11月27日、「アヴェマナヴ」というツイッターアカウント(@hotateyasan))から、次のようなツイートを投稿され、いま話題となっている。

 9月にむつ市ふるさと納税返礼品に登録されたホタテ水着ですが、これまでに予想を遥かに上回る230個ご注文を頂いております。今後ともむつ市の事を宜しくお願い致します。https://twitter.com/hotateyasan/status/1464563351225192456


 「アヴェマナヴ」とは、ホタテ水着を生産する阿部商店(青森県むつ市)の阿部学社長のことだ。「9月にむつ市ふるさと納税返礼品に登録されたホタテ水着ですが、これまでに予想を遥かに上回る230個ご注文を頂いております」というコメントが添えられている。このツイートには1万5000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(11月29日現在)。

 ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「人気で草」

「来年の夏は全国の海やプールに230人のホタテ水着が表れるのか、、、」

「意外にも需要があるのですね!」

「バエルでしょうね それ用に需要があると思います」

ツイッター上では異様な盛り上がりを見せているようだ。

 「予想をはるかに上回る注文」をいただいてしまった阿部商店はいったいどうしているのだろうか。Jタウンネット記者は阿部学さんに電話で聞いてみることに......。

 「100個くらい」の予想をはるかに超えた

 ホタテ水着とは、3枚のホタテの貝殻を青いリボンで固定した、いたってシンプルなデザインの水着だ。貝殻の幅は一枚12センチ前後。「大きすぎず小さすぎず、丁度いい貝幅のホタテ貝」だという。寄附金額6000円の返礼品だ。

 ホタテ水着を開発するきっかけは、10年半前に起きた東日本大震災。阿部学さんは、地元特産のホタテの貝殻が、大量に余っているのに気付き、何とか活用できないかと考えた。

 電動ドリルで穴を開け、表面を漂白・研磨して、水着に加工し、ネット販売したところ、年間に平均で100セットほど売れたことも......。

 今回のふるさと納税返礼品も、阿部さんは「100個くらいかな」との予想していたそうだ。ところが、「予想をはるかに超える注文に驚いています」と語る。

 生産の方は大丈夫なのかと聞いてみると、阿部さんと妻が2人で手作りで作っているため、急な増産は難しいが、「年内、精一杯頑張ります」と元気よく答えた。阿部商店の本業は、海産物のオンライン通販だ。

 こちらも年末が稼ぎ時。ふるさと納税返礼品とオンライン通販、ダブルで忙しい年末とは、不景気な昨今、良いことかもしれない。

2021年11月29日 20時0分 Jタウンネット


 私のようなオジサンの世代になると、「ホタテ貝ビキニ」というと武田久美子さんを思い出す。昔の事であるが、武田久美子さんの写真集は表紙がホタテ貝ビキニであったために、なかなか衝撃的であった。何しろ今のようにジェンダーとかセクハラとかそういったことがうるさくはない時代であったから、その水着の写真集の表紙が、本屋の店頭に並んでいたのであるから、なかなか刺激的であったことはよく覚えている。

 もちろん、ホタテ水着そのものは、それで泳ぐというようなことではないだろうし、また、実用的ではない。まあ、隠す部分がホタテ貝の貝殻なのであるから、ある意味で「コスプレ」の域を出ない。

しかし、ちょっとエロい人々が集まる、または親しい間柄の人々が集まったパーティーや、あるいは夫婦間で何か刺激が欲しいときに、ホタテ貝ビキニを付ければ、それは盛り上がるであろう。何も写真集を出せというのはないし、強制的に着させるものでもないと思う。

逆に、その内容が何らかの別な形で盛り上がればよい。ある意味で「ギャグ」の延長線上にあるセクシーな衣装という感じになるのではないか。

 いずれにせよ「エロい」ことは間違いがない。まあ、別にヌードを見せているわけではないが、しかし、ホタテ貝が乗っているだけなのであるから、なかなか興味深いところではある。正直な話「見てみたい」という希望は少なくないのではないか。

 さて、同じように考える人が多いということは間違いがない。

 ホタテ水着を開発するきっかけは、10年半前に起きた東日本大震災。阿部学さんは、地元特産のホタテの貝殻が、大量に余っているのに気付き、何とか活用できないかと考えた。<上記より抜粋>

 正直に言って「再利用」であるので「SDGs」であることは間違いがない。まあ、東日本の震災の時にホタテの貝殻に目がゆくというのは、実際に現場を知っている人にとってはどうかとも思うが、まあ、そのような発想から「地元の刑事アの多になればよい」というような考え方になるのはわからないではない。

ついでにいえば、「ある意味で苦しい非難聖火の中の清涼剤的な(笑)」で考えたということであれば、別段罪があるものでもなかろう。

 それが、今度は「100の予定に対して230も発注がある」という。まあ、全国のどこかで230ものホタテ貝ビキニが見ることができる。まあ、その水着の意味を考える人がいるというのも、なかなか面白い。考えてみれば、ここでしか手に入らないのであるから、まあ面白いし、話題性もある。

 このような「エロ心」に入った経済を考え、それに乗ってやるのは良い話ではないのか。


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「日曜小説」 マンホールの中で 4

第四章 7(最終回)



「司令官、ちょっと」

「ああ、斎藤さん」

 斎藤は時田に聞いて書類の中身を聞いていた。目の前に、武器が効かないゾンビが7体もいて、自衛隊員も被害が多かったのである。

「ああ、老人会の斎藤さん。杉崎善之助先生から話を聞いています」

 前線では苦戦を強いられていても、司令部はまだ後方にあって問題はない、さすがに硬化したとはいえ、壁を突き抜けたり戦車を壊すほどの勢いはない。自衛隊はふもとの壁を焼け跡を前進させ、山頂に近い御前平を囲むように狭めた。ゾンビそのものはそこから逃げられないようにしているのであろう。

「資料によると、あの体の中で、メスが多くの卵を産み、これから幼虫が生まれます。要するに、あの体の中で世代交代が行われるのです。硬化した寄生虫は、そのまま死に至りますが、そのあと、産卵してメスも死にます」

「いったい何を」

「要するにそのタイミングで除虫剤を投与すれば、うまく対処できるはずなんです」

 斎藤は、時田から言われた内容をそのまま司令官に伝えた。

「わかりました。ではまず、ヘリでその除虫剤を取り寄せましょう」

「はい、警察署か市役所、どちらかに事前に善之助さんが届けているはずです」

 自衛隊は、すぐに連絡を取ると、科学学校で大量生産した除虫剤をヘリで輸送した。その間、自衛隊の人口の壁をはさんだ攻防が繰り返され、多くの弾薬が使われていた。大きな網をヘリで上からかけ、そして動きを封じるなど、様々な手段を講じていた。

「しかし、あの硬化した肌の中にどうやって除虫剤をいれる」

 斎藤は、少し悩んだ後、戸田に連絡を取らせてもらうように言った。

「ああ、戸田さん。斎藤ですが」

「斎藤さん、どうですか」

「いや苦戦しています。そこで、建築車両か消防車両の泡に除虫剤を混ぜてはどうかと思うので、その準備をしてください」

「要するに無人車両にそれを入れて、ゾンビにかけるということですね」

「水だと流れてしまうので、泡で」

「それは名案だ。善之助さんに相談してすぐに対処します」

 OBとして部下が多い老人会は、すぐに技術者を組織し、そしてそのような対処を行った。時田はその間に部隊を抜け出し、双眼鏡で次郎吉を探した。一方の警察は、壕の中にいる郷田を見逃さないようにしながら、壕の中でつながっているトンネルに、多くの警察官を配して待ち構え、包囲した。

「網を何重にもかけてあるので、そこに泡をかけてください」

 準備にすっかりと時間がかかったため、すでに夜が明けてきていた。自衛隊は夜通し戦っていたのである。

「はい」

 消防隊は、ホースを伸ばし、また消火用のヘリコプターで上から泡をかけた。ゾンビは声もなくそのまま動かなくなった。

「壁で囲め」

 司令官は、新たな壁を持ち、そのままそこに網にかかったままのゾンビを壁で囲んだ。これで、この町からゾンビがいなくなったのである。その周辺を手作業で石で囲み、壁が破られないようにした。

「よし、次は我々の出番だ」

 壕の中に警察隊が突入した。

 郷田は無事に逮捕され、やっと事件が全て終わったのである。

 最後は何かあっけない終わり方だったが、概してそのようなものかもしれない。

「次郎吉は」

 自衛隊や警察が戻ってきて、報告を行ているときに、椅子に座ったままの善之助は一言いった。「次郎吉・・・・・・ですか」

 斎藤はそういって周囲を見回した。

「そういえば、時田さんもいない」

 小林婆さんはそういって周囲を見回した。

「鼠の国の人々もいないな」

「誰か」

 善之助は心配したように言った。彼らは、町全体が荒らされてしまったので、しばらくは仮設住宅に引っ越すことになった。そもそも、誰が死んでしまい、だれが怪我をしているのか、そして怪我をしている人も、寄生虫が取り付いているのかどうかなど、さまざまな意味で混乱していた。

 国の政府から多くの人がやってきたばかりではなく海外のジャーナリストなども視察に来て、街は大騒ぎであった。

 郷田は脱獄などができないように東京の裁判所に移送され、拘置所内に、入れられた。しかし、それ以外のことを知っているはずの時田や次郎吉は、あの日以来ぱったりと姿を消してしまったのである。

「斎藤さん、あなたはどこにいるか知らないの」

 小林は、一言お礼が言いたいといって出てきたが、どこにいるか全くわからないとしか言えない。目の前にゾンビがいて、それどころではなかったのである。

 善之助の依頼を受けて、大規模な地下、つまりマンホールの中の探索も行われた。しかし、善之助の姿はおろか、鼠の国といわれた地下に広がる街の姿も全く見つけることができなかったのである。それどころか、マンホールの中には、まだ寄生虫に犯された鼠なども多く、とてもマンホールの中で作業をすることができない。まだまだ死体も多く、自衛隊の協力も仰いで、大規模な地下の除染が行われることになった。

「次郎吉はどこに行ってしまったのかなあ」

 街の中の避難所から、仮設住宅に引っ越す日、善之助は街の用意したバスに乗り、一人落ち込んでいた。他の人々に囲まれ、今回の事件の解決を手伝った一人として、市から表彰されたものの、心の中には大きく穴が開いてしまったような感じであった。

「では気を付けて」

 まずは健常者からバスを降りた。そして最後に善之助は小林さんに手を引かれながらバスを降りた。

「爺さん、元気出せよ。また遊びに行くから」

 バスのタラップを降りた時、バスの運転手が善之助に声をかけた。

「次郎吉」

 善之助はバスの運転手の方に振り返ったが、バスはそのまま扉を閉めて走り去ってしまった。

 善之助と小林は、そのバスを全く見えない目で凝視するように、ずっと見送っていた。



・あとがき

これにて「マンホールの中で」を終わります。長い間ありがとうございました。

元々は「真っ暗な中で全く異質な二人があって、そのまま事件が発展したらどうなるか」ということで、もしも「映画にするならばもっとも金のかからないシチュエーションであろう」ということで作ったものです。

まあ、最後はゾンビ映画のようになりましたが、宮崎駿監督の「もののけ姫」でもありますように、何かと何かが対立しているときに、第三者の大きな波に巻き込まれて、その対立が解消し、そして、何か新たなものが生まれるというような、そのようなコンセプトを、ゾンビという非現実的なものに込めてみました。

戦争という物は忌み嫌うものではありますが、しかし、同時に相手に勝つために最も科学やさまざななことが発展するところであり、今我々が生活している中で、戦争によって発展し発明されたものが少なくないのも事実です。そのような「便利」の中に、何か見えない裏があれば面白い、そこに「鼠の国」の発想があったということになります。

まあ、現実にそのようなものがあるかどうか、そして、光の存在である表の世界の人々が来たら消えてしまう。そんな何か「かっこいい」存在の中に、次郎吉がいたことは忘れてはならないのかもしれません。

また気が向いたら次郎吉が出てくるようにしたいと思います。

来週からは、何かまた異なる小説を書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


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「日曜小説」 マンホールの中で 4

第四章 7(最終回)



「司令官、ちょっと」

「ああ、斎藤さん」

 斎藤は時田に聞いて書類の中身を聞いていた。目の前に、武器が効かないゾンビが7体もいて、自衛隊員も被害が多かったのである。

「ああ、老人会の斎藤さん。杉崎善之助先生から話を聞いています」

 前線では苦戦を強いられていても、司令部はまだ後方にあって問題はない、さすがに硬化したとはいえ、壁を突き抜けたり戦車を壊すほどの勢いはない。自衛隊はふもとの壁を焼け跡を前進させ、山頂に近い御前平を囲むように狭めた。ゾンビそのものはそこから逃げられないようにしているのであろう。

「資料によると、あの体の中で、メスが多くの卵を産み、これから幼虫が生まれます。要するに、あの体の中で世代交代が行われるのです。硬化した寄生虫は、そのまま死に至りますが、そのあと、産卵してメスも死にます」

「いったい何を」

「要するにそのタイミングで除虫剤を投与すれば、うまく対処できるはずなんです」

 斎藤は、時田から言われた内容をそのまま司令官に伝えた。

「わかりました。ではまず、ヘリでその除虫剤を取り寄せましょう」

「はい、警察署か市役所、どちらかに事前に善之助さんが届けているはずです」

 自衛隊は、すぐに連絡を取ると、科学学校で大量生産した除虫剤をヘリで輸送した。その間、自衛隊の人口の壁をはさんだ攻防が繰り返され、多くの弾薬が使われていた。大きな網をヘリで上からかけ、そして動きを封じるなど、様々な手段を講じていた。

「しかし、あの硬化した肌の中にどうやって除虫剤をいれる」

 斎藤は、少し悩んだ後、戸田に連絡を取らせてもらうように言った。

「ああ、戸田さん。斎藤ですが」

「斎藤さん、どうですか」

「いや苦戦しています。そこで、建築車両か消防車両の泡に除虫剤を混ぜてはどうかと思うので、その準備をしてください」

「要するに無人車両にそれを入れて、ゾンビにかけるということですね」

「水だと流れてしまうので、泡で」

「それは名案だ。善之助さんに相談してすぐに対処します」

 OBとして部下が多い老人会は、すぐに技術者を組織し、そしてそのような対処を行った。時田はその間に部隊を抜け出し、双眼鏡で次郎吉を探した。一方の警察は、壕の中にいる郷田を見逃さないようにしながら、壕の中でつながっているトンネルに、多くの警察官を配して待ち構え、包囲した。

「網を何重にもかけてあるので、そこに泡をかけてください」

 準備にすっかりと時間がかかったため、すでに夜が明けてきていた。自衛隊は夜通し戦っていたのである。

「はい」

 消防隊は、ホースを伸ばし、また消火用のヘリコプターで上から泡をかけた。ゾンビは声もなくそのまま動かなくなった。

「壁で囲め」

 司令官は、新たな壁を持ち、そのままそこに網にかかったままのゾンビを壁で囲んだ。これで、この町からゾンビがいなくなったのである。その周辺を手作業で石で囲み、壁が破られないようにした。

「よし、次は我々の出番だ」

 壕の中に警察隊が突入した。

 郷田は無事に逮捕され、やっと事件が全て終わったのである。

 最後は何かあっけない終わり方だったが、概してそのようなものかもしれない。

「次郎吉は」

 自衛隊や警察が戻ってきて、報告を行ているときに、椅子に座ったままの善之助は一言いった。「次郎吉・・・・・・ですか」

 斎藤はそういって周囲を見回した。

「そういえば、時田さんもいない」

 小林婆さんはそういって周囲を見回した。

「鼠の国の人々もいないな」

「誰か」

 善之助は心配したように言った。彼らは、町全体が荒らされてしまったので、しばらくは仮設住宅に引っ越すことになった。そもそも、誰が死んでしまい、だれが怪我をしているのか、そして怪我をしている人も、寄生虫が取り付いているのかどうかなど、さまざまな意味で混乱していた。

 国の政府から多くの人がやってきたばかりではなく海外のジャーナリストなども視察に来て、街は大騒ぎであった。

 郷田は脱獄などができないように東京の裁判所に移送され、拘置所内に、入れられた。しかし、それ以外のことを知っているはずの時田や次郎吉は、あの日以来ぱったりと姿を消してしまったのである。

「斎藤さん、あなたはどこにいるか知らないの」

 小林は、一言お礼が言いたいといって出てきたが、どこにいるか全くわからないとしか言えない。目の前にゾンビがいて、それどころではなかったのである。

 善之助の依頼を受けて、大規模な地下、つまりマンホールの中の探索も行われた。しかし、善之助の姿はおろか、鼠の国といわれた地下に広がる街の姿も全く見つけることができなかったのである。それどころか、マンホールの中には、まだ寄生虫に犯された鼠なども多く、とてもマンホールの中で作業をすることができない。まだまだ死体も多く、自衛隊の協力も仰いで、大規模な地下の除染が行われることになった。

「次郎吉はどこに行ってしまったのかなあ」

 街の中の避難所から、仮設住宅に引っ越す日、善之助は街の用意したバスに乗り、一人落ち込んでいた。他の人々に囲まれ、今回の事件の解決を手伝った一人として、市から表彰されたものの、心の中には大きく穴が開いてしまったような感じであった。

「では気を付けて」

 まずは健常者からバスを降りた。そして最後に善之助は小林さんに手を引かれながらバスを降りた。

「爺さん、元気出せよ。また遊びに行くから」

 バスのタラップを降りた時、バスの運転手が善之助に声をかけた。

「次郎吉」

 善之助はバスの運転手の方に振り返ったが、バスはそのまま扉を閉めて走り去ってしまった。

 善之助と小林は、そのバスを全く見えない目で凝視するように、ずっと見送っていた。



・あとがき

これにて「マンホールの中で」を終わります。長い間ありがとうございました。

元々は「真っ暗な中で全く異質な二人があって、そのまま事件が発展したらどうなるか」ということで、もしも「映画にするならばもっとも金のかからないシチュエーションであろう」ということで作ったものです。

まあ、最後はゾンビ映画のようになりましたが、宮崎駿監督の「もののけ姫」でもありますように、何かと何かが対立しているときに、第三者の大きな波に巻き込まれて、その対立が解消し、そして、何か新たなものが生まれるというような、そのようなコンセプトを、ゾンビという非現実的なものに込めてみました。

戦争という物は忌み嫌うものではありますが、しかし、同時に相手に勝つために最も科学やさまざななことが発展するところであり、今我々が生活している中で、戦争によって発展し発明されたものが少なくないのも事実です。そのような「便利」の中に、何か見えない裏があれば面白い、そこに「鼠の国」の発想があったということになります。

まあ、現実にそのようなものがあるかどうか、そして、光の存在である表の世界の人々が来たら消えてしまう。そんな何か「かっこいい」存在の中に、次郎吉がいたことは忘れてはならないのかもしれません。

また気が向いたら次郎吉が出てくるようにしたいと思います。

来週からは、何かまた異なる小説を書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


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「日曜小説」 マンホールの中で 4

第四章 6


「撃て」

 自衛隊は、ふもとの段階で苦戦していた。ピンクのガスは、何も人間だけに作用するわけではない。山に住む多くの生き物に寄生し、そして自衛隊員を襲ってくる。さすがに大きさ的に虫までは関係ないにしても、それでも鳥などは全て敵であるといってよい。要するに山頂に上るまでには生き物をすべて、文字通りの皆殺しにしなければ安心して前に進めないということになるのである。

「これではきりがないな」

 そう言いながらも、戦車隊を前に進め、機銃で掃射しながら普通科連隊、要するに歩兵が前に進む。演習などで見るように、まずは、遠くから高射砲が制圧射撃を行い、その後戦車が馴らし、そして歩兵が前に出るというような形になっている。

「この町の聖地なのに」

 老人会の斎藤は、ため息交じりに行った。確かにそうだ。ここの頂上は「神が降り立った場所」として、そこに神がしばらくいるということから、神がいた御殿があったに違いないということで「御殿平」ということになる。

 戦争末期、標高の高いといっても高低さ300メートぐらいでしかない山の上に最終の陣地を作った。何しろ老人が趣味で登れるくらいだ。その山の山頂に砲台を作り、そして戦車などを隠し持ち、岩の中に穴をあけて壕をつくり、最終の陣地とした。

アメリカ軍が日本本土に上陸し、一億総特攻という名のもとにアメリカ軍に対抗するということを考えた。もちろん勝てると本気で思っていたかどうかはわからない。しかし、印象に残る対抗をして歴史に名を残そうとした、その内容は十分に考えていたに違いない。

 今ピンクのガスといって恐れているのは、その最終兵器といえる寄生虫である。ある意味「生物兵器」であろう。そしてそれをその一億総特攻の時の想定通りに上ってきた郷田たちに次郎吉がまいたのである。しかし、その想定以上の被害が出ている。つまり犬やイノシシ、鳥などにも全て寄生虫が入ってしまっているのである。

「うっ、噛まれた」

「大丈夫か」

「すぐに虫下しを」

 戦車で掃射しながら、歩兵を進めているが、しかし、その歩兵も被害が続出した。自衛隊とともに登っている警察官も防護服を着ているものの、それでもゾンビに噛まれるものが続出しているのである。

「一度引け」

「全軍退避」

 指揮官は全軍を退避させた。

「どうするのですか」

「火をつける」

 自衛隊は、そのまま油を山のふもとに撒いた。

「火刑」

 時田は、頷いた。

 相手が寄生虫とはいえ生き物である場合、当然に「火」には弱い。特に人間とは違う虫や動物などは、火に弱い。また、ある一定の熱に対して恐怖を抱く。つまり、ある一定の場所に火を放てば、そこを寄生虫が出すような感じ無かった。

「この山を燃やすのですか」

 斎藤は、非常に困惑した表情で見ていた。この山には、「神の山」であるとして様々な文化財もあれば、また、様々な遺跡も残っている。自衛隊の決断はそれをすべて燃やしてしまう結果になりかねない。

「それも人間が生きていてこその価値のあるものですから」

 自衛官は、さすがに冷静に答えた。

「それでも」

 斎藤は掴みかからんばかりに言ったが、ランボーがその斎藤の襟首をつかんで引き戻した。それでなければどうにもならない状態だ。逆に、そのようにしている間にも、自衛隊の建てた壁の前に、寄生虫が体内に入ってしまったであろうゾンビたちが集まっていた。それどころか、中には郷田とともにここに登らされ、そしてピンクのガスにさらされた人々も数十寄ってきていたのである。

「斎藤さん、あれをどうするか。それとも我々も仲間入りするか」

「・・・・・・」

 山を大事にする斎藤もその姿を見てしまってはどうにもならなかった。

「ヘリコプター隊による可燃油の散布、その後普通科による着火を命ずる。その間戦車隊は、ゾンビが山から出ないように警護。動く者はすべて射殺せよ」

 司令官は、そのように支持した。斎藤はその横でがっくりと肩を落とした。

「ランボー、スネークに連絡」

「はい」

 これで、上にいる化け物も燃えるのではないか。時田はそのように考えたのである。しかし、それだけではなく、もう一つ心配しなければならないことがある。つまり、火をよけて上にゾンビが向かえば、次郎吉やスネークが犠牲になる可能性がある。それだけではなく、一緒に燃えてしまう可能性もあるのだ。

「ということです」

「あそこに逃げよう」

 次郎吉は、皮膚が硬くなったゾンビの向こう側にある、戦前の洞窟を指さした。

「戦前の洞窟ですか」

「戦前の洞窟ということは、B29の空襲にも耐えられる構造になっているはずだ。当然に、防空壕と同じようになっているはずだからな。火も避けられるし、またゾンビからも守ることができる。」

「しかし、あのゾンビをくぐってどうやって向かう」

 その時、同じことを考えたのか、郷田が壕の方に移動した。

「郷田」

 一瞬、次郎吉は郷田と目が合ったような気がした。以前ここでお宝を漁った時、そして、その前に宝石を盗むとき、そして今回、書類を見るとき、いずれの時も郷田と目を合わせている。お互いによくわかった相手である。

 郷田も、こちらにやっと気付いたようで、一瞬足を止めると、銃を次郎吉の方に向けた。

「郷田のやろう」

 スネークはそれでも落ち着いていた。郷田の持っている銃では、ここまで届くか届かないかぎりぎりの射程だ。いくら郷田が腕がいいとしても、当然に当たる可能性は少ない。また、この位置がばれていたとしても、これからゾンビや下からの攻撃をよける郷田が、こちらまで襲ってくる可能性は少ない。つまり、そのまま見ていても問題はないのである。

 郷田はそのまま撃つ真似をして、穴の中に入っていった。

「郷田に取られてしまったな」

 次郎吉は困ったように言った。壕に逃げることができないということは、まずは目の前にいるゾンビ、それも銃弾が全く効かない特別な奴が数体、そしてその後そいつらも焼き焦がすかもしれない業火に襲われることを意味する。

「とりあえず山を登るか」

 スネークは山を登るしかなかった。山頂とはいえ、もう少し上がある。御殿平という山の中の平らなところにいるのであり、まだもう少し上がある。

「何かよけられるものがあるといいですね」

「ああ」

 二人はゾンビに見つからないように、なるべく音を立てないようにしながら、山を登った。


「戦車隊前へ」

 自衛隊は火が付くと一気に攻勢をかけた。郷田の残した人員の中には、半分寄生虫に襲われながらも、そのあと郷田が撒いたもので半分正気に戻っているものもいたが、そのようなことは関係なく、全て自衛隊は燃やし尽くしたのである。そしてそれでも残っているものを、全て銃殺していった。

「さあ、少し先に上がるぞ」

 時田は歩兵隊とともに頂上を目指した。

「なんだあれは」

 その時、やっと自衛隊は何か特殊なゾンビがいることに気づいたのである。

「射撃許可」

「撃て」

 和人など、肌が硬化したゾンビに対して、歩兵隊は普通に射撃を行った。しかし、全く歯が立たない。

「火も、銃も歯が立たないのか」

 そのゾンビが自衛隊の前に立ちはだかった。


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「日曜小説」 マンホールの中で 4

第四章 6


「撃て」

 自衛隊は、ふもとの段階で苦戦していた。ピンクのガスは、何も人間だけに作用するわけではない。山に住む多くの生き物に寄生し、そして自衛隊員を襲ってくる。さすがに大きさ的に虫までは関係ないにしても、それでも鳥などは全て敵であるといってよい。要するに山頂に上るまでには生き物をすべて、文字通りの皆殺しにしなければ安心して前に進めないということになるのである。

「これではきりがないな」

 そう言いながらも、戦車隊を前に進め、機銃で掃射しながら普通科連隊、要するに歩兵が前に進む。演習などで見るように、まずは、遠くから高射砲が制圧射撃を行い、その後戦車が馴らし、そして歩兵が前に出るというような形になっている。

「この町の聖地なのに」

 老人会の斎藤は、ため息交じりに行った。確かにそうだ。ここの頂上は「神が降り立った場所」として、そこに神がしばらくいるということから、神がいた御殿があったに違いないということで「御殿平」ということになる。

 戦争末期、標高の高いといっても高低さ300メートぐらいでしかない山の上に最終の陣地を作った。何しろ老人が趣味で登れるくらいだ。その山の山頂に砲台を作り、そして戦車などを隠し持ち、岩の中に穴をあけて壕をつくり、最終の陣地とした。

アメリカ軍が日本本土に上陸し、一億総特攻という名のもとにアメリカ軍に対抗するということを考えた。もちろん勝てると本気で思っていたかどうかはわからない。しかし、印象に残る対抗をして歴史に名を残そうとした、その内容は十分に考えていたに違いない。

 今ピンクのガスといって恐れているのは、その最終兵器といえる寄生虫である。ある意味「生物兵器」であろう。そしてそれをその一億総特攻の時の想定通りに上ってきた郷田たちに次郎吉がまいたのである。しかし、その想定以上の被害が出ている。つまり犬やイノシシ、鳥などにも全て寄生虫が入ってしまっているのである。

「うっ、噛まれた」

「大丈夫か」

「すぐに虫下しを」

 戦車で掃射しながら、歩兵を進めているが、しかし、その歩兵も被害が続出した。自衛隊とともに登っている警察官も防護服を着ているものの、それでもゾンビに噛まれるものが続出しているのである。

「一度引け」

「全軍退避」

 指揮官は全軍を退避させた。

「どうするのですか」

「火をつける」

 自衛隊は、そのまま油を山のふもとに撒いた。

「火刑」

 時田は、頷いた。

 相手が寄生虫とはいえ生き物である場合、当然に「火」には弱い。特に人間とは違う虫や動物などは、火に弱い。また、ある一定の熱に対して恐怖を抱く。つまり、ある一定の場所に火を放てば、そこを寄生虫が出すような感じ無かった。

「この山を燃やすのですか」

 斎藤は、非常に困惑した表情で見ていた。この山には、「神の山」であるとして様々な文化財もあれば、また、様々な遺跡も残っている。自衛隊の決断はそれをすべて燃やしてしまう結果になりかねない。

「それも人間が生きていてこその価値のあるものですから」

 自衛官は、さすがに冷静に答えた。

「それでも」

 斎藤は掴みかからんばかりに言ったが、ランボーがその斎藤の襟首をつかんで引き戻した。それでなければどうにもならない状態だ。逆に、そのようにしている間にも、自衛隊の建てた壁の前に、寄生虫が体内に入ってしまったであろうゾンビたちが集まっていた。それどころか、中には郷田とともにここに登らされ、そしてピンクのガスにさらされた人々も数十寄ってきていたのである。

「斎藤さん、あれをどうするか。それとも我々も仲間入りするか」

「・・・・・・」

 山を大事にする斎藤もその姿を見てしまってはどうにもならなかった。

「ヘリコプター隊による可燃油の散布、その後普通科による着火を命ずる。その間戦車隊は、ゾンビが山から出ないように警護。動く者はすべて射殺せよ」

 司令官は、そのように支持した。斎藤はその横でがっくりと肩を落とした。

「ランボー、スネークに連絡」

「はい」

 これで、上にいる化け物も燃えるのではないか。時田はそのように考えたのである。しかし、それだけではなく、もう一つ心配しなければならないことがある。つまり、火をよけて上にゾンビが向かえば、次郎吉やスネークが犠牲になる可能性がある。それだけではなく、一緒に燃えてしまう可能性もあるのだ。

「ということです」

「あそこに逃げよう」

 次郎吉は、皮膚が硬くなったゾンビの向こう側にある、戦前の洞窟を指さした。

「戦前の洞窟ですか」

「戦前の洞窟ということは、B29の空襲にも耐えられる構造になっているはずだ。当然に、防空壕と同じようになっているはずだからな。火も避けられるし、またゾンビからも守ることができる。」

「しかし、あのゾンビをくぐってどうやって向かう」

 その時、同じことを考えたのか、郷田が壕の方に移動した。

「郷田」

 一瞬、次郎吉は郷田と目が合ったような気がした。以前ここでお宝を漁った時、そして、その前に宝石を盗むとき、そして今回、書類を見るとき、いずれの時も郷田と目を合わせている。お互いによくわかった相手である。

 郷田も、こちらにやっと気付いたようで、一瞬足を止めると、銃を次郎吉の方に向けた。

「郷田のやろう」

 スネークはそれでも落ち着いていた。郷田の持っている銃では、ここまで届くか届かないかぎりぎりの射程だ。いくら郷田が腕がいいとしても、当然に当たる可能性は少ない。また、この位置がばれていたとしても、これからゾンビや下からの攻撃をよける郷田が、こちらまで襲ってくる可能性は少ない。つまり、そのまま見ていても問題はないのである。

 郷田はそのまま撃つ真似をして、穴の中に入っていった。

「郷田に取られてしまったな」

 次郎吉は困ったように言った。壕に逃げることができないということは、まずは目の前にいるゾンビ、それも銃弾が全く効かない特別な奴が数体、そしてその後そいつらも焼き焦がすかもしれない業火に襲われることを意味する。

「とりあえず山を登るか」

 スネークは山を登るしかなかった。山頂とはいえ、もう少し上がある。御殿平という山の中の平らなところにいるのであり、まだもう少し上がある。

「何かよけられるものがあるといいですね」

「ああ」

 二人はゾンビに見つからないように、なるべく音を立てないようにしながら、山を登った。


「戦車隊前へ」

 自衛隊は火が付くと一気に攻勢をかけた。郷田の残した人員の中には、半分寄生虫に襲われながらも、そのあと郷田が撒いたもので半分正気に戻っているものもいたが、そのようなことは関係なく、全て自衛隊は燃やし尽くしたのである。そしてそれでも残っているものを、全て銃殺していった。

「さあ、少し先に上がるぞ」

 時田は歩兵隊とともに頂上を目指した。

「なんだあれは」

 その時、やっと自衛隊は何か特殊なゾンビがいることに気づいたのである。

「射撃許可」

「撃て」

 和人など、肌が硬化したゾンビに対して、歩兵隊は普通に射撃を行った。しかし、全く歯が立たない。

「火も、銃も歯が立たないのか」

 そのゾンビが自衛隊の前に立ちはだかった。


via 宇田川源流
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