「まぁ、簡単に言えば4重人格だと思って貰えれば良いんだけどな。
 性格には4つの心が1つの身体に入ってしまっているって事なんだけどな。
 まぁ、それは良いや。
 それで、あることってのが、【ファニー・ムーン】による変身なんだわ。
 【俺】は【ファニー・ムーン】を見る事によって変身する体質なんだ」
「え?
 それは、本当に?」
「まぁ、信じられないわな。
 じゃあ、変身すっから見ててくれるか?」
「え……
 あ、はい……」
「それじゃあ、まぁ……」
 と言って上空の月を見る。
 上空の月は普通の月だ。
 【ファニー・ムーン】ではない。
 だが、普通の月とは別に、【シュウト】の意思で、【ファニー・ムーン】を呼び出す事が出来た。
 【シュウト】は、
「むん……」
 とつぶやく。
 すると、上空にもう一つ、月が現れた。
 もう一つの月は、紫色の怪しい光を放つ。
 すると……
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」
 と言う雄叫びを上げて【シュウト】の身体が変質していく。
 まるで、狼男が月を見て変身するかの様に、姿が変わって行く。
 だが、【シュウト】が変身したのは【狼男】では無かった。
 似ても似つかない別物だった。
 側頭部から2本ずつ、4本の角を持ち、身体は甲殻類を思わせる様な肌質、背中にはコウモリを思わせる翼が生え、三本のしっぽが生えている。
 スネの部分には馬のしっぽを思わせる様な毛が生えている。
 胸の中央には、クラゲを思わせる中の核が見える半透明な球が三つついている。
 そっくりと言うわけではないがあえて近いものを言えば【悪魔】の様な姿だった。
 【シュウト】は、
「すまねぇな。
 呼び出したのが【闇属性】の【ファニー・ムーン】だったんで、こんな姿になっちまった。
 怖がらないでくれ。
 襲うつもりなんてないから」
 と言った。

続きます。