【珠紀】は、
「こ、個性的な歌い方だと……」
 と言って彼女なりにフォローした。
 そう。
 【凌斗】の歌い方はお世辞にも上手いとは言えなかった。
 アニメの曲が悪いとは言わない。
 アニメの曲でもちゃんと盛り上がる。
 問題は歌い方だ。
 やはり、歌い慣れていないと言うのもあって音程の取り方が微妙にずれていた。
 そのため、調子外れの歌になってしまっていたのだ。
 【凌斗】は、
「何だよ、お前等が歌えって言ったんだろ?」
 と言って拗ねた。
 【岬】は、
「ごめんごめん。
 せっかく歌ってくれたのに悪かったわね。
 じゃあ、お姉さんがキスしてあげるから機嫌直しなさいよ。
 チュッ」
 と言って頬にキスをした。
 【凌斗】は、
「な、何すんだよ、お前……」
 と言って動揺する。
 【岬】は、
「何よ、キスくらい。
 キスくらいじゃ【エントロピア】に乗れなくなる訳じゃないわよ」
 と言った。
 【美杏】は、
「そ、そういう問題じゃなくて……」
 と言った。
 【岬】は、
「あ……
 ごめんね。
 あんた達付き合ってたんだもんね」
 と言った。
 【美杏】は、
「え……?
 べ、別に付き合っているって訳じゃ……」
 と言った。

続きます。