【珠紀】は、
「送別会――
 やりませんか?
 離ればなれになってしまうでしょうけど……
 わたくし達はここにいたって言う証を残したい。
 でないとわたくし……
 わたくし……
 うぅ……
 うぅ……」
 と言って涙を流した。
 せっかく仲良くなったのに、大人の事情で、引き離される。
 その事が辛いのだ。
 【美杏】は、
「みんな大好きだよ。
 大好き……
 だいす……き……」
 と言って、【珠紀】と【岬】と抱き合った。
 目には涙を浮かべている。
 【凌斗】は天を仰ぎ、
「畜生……
 どうしろってんだよぉ……
 何とかなんねぇのか……」
 とつぶやいた。
 【凌斗】の目にもうっすらと涙が。
 性別は違うが、【凌斗】もまた、女性三人に友情の様なものを感じていたのだ。
 二度と会えないかも知れないと思うと、辛かった。
 人付き合いが苦手な【凌斗】が心を開けた数少ない人間。
 それが、彼女達だ。
 その彼女達と引き離される事が辛くて辛くてたまらなかった。
 数日後の夜、【凌斗】達4名は近くのファミレスで、【送別会】を行った。
 明日には辞令が下りて、【岬】と【珠紀】は国に帰り、【凌斗】と【美杏】は記憶を消されてしまうかも知れない。
 そう、思うとたまらなかった。
 だが、はしゃぐ事でそれを忘れようとしていた。
 ファミレスの後はカラオケ店へ行き、朝まで歌った。
 【美杏】は、
「♪~……
 私は見てるぅ~
 いつまでもぉ~
 いつまでもぉ~
 いつまでもぉ~
 永遠にぃ~
 永遠にぃ~♪」
 と流行歌を歌った。
 【岬】は、
「良いぞぉ~
 良かったわ。
 【美杏】、歌、上手いね」
 と言った。

続きます。